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BLOG

月刊: ベストミックス6選 (Feb.)

テクノ、レイヴ、アシッド、ハードハウス、サイケデリック・インダストリアル・テクノ…。すなわち盛りだくさん

Mixmag Japan | 18 March 2021

月間ベストミックス, mixmag

先日公開しました、月刊: ベストアルバム (Feb.)に引き続き、今回はベストミックス編を発表。月刊の「刊」は誤字ではなく、紙媒体をモチーフとする意味を込めています。我ながらややこしいコンセプトを設けたもんです。

やや間が空いてしまいましたが、2月のベストミックス編も粒ぞろい。個人的な話になりますが、コロナ禍以降ではアルバムよりもミックスに接する時間のほうが長くなったような気がしております。DJもプラットフォームにミックスを提供する数が増えているのでは。フロアの機能が限定的である今、ネット上にアップされるミックスの内容が多義的になっているような印象も受けます。つまり今、インターネットの大海をさまようのが大変楽しい。

なお、当初のレギュレーションではその月内に公開・収録されたミックス音源のみをご紹介する主旨で進めておりましたが、一部改定します。収録が当月でなくとも、公開がその期間内であれば対象とします。


Mall Grab with FUCKINGELLE – 03 February 2021

2時間あるミックスをフル尺で聴き、あまりに素晴らしかったのでもう1回頭から聴きなおしたら、その日のランチを逃しました。オーストラリア出身にして現在はロンドンを拠点に活躍するMall Grabが前半の1時間を、ロンドンのレーベル〈Local Action〉に所属するFUCKINGELLEが後半の1時間を担当。記事の冒頭では「コロナ禍を経てミックスが多義的になっている」と書きましたが、このミックスはかなりフロアライクだと感じます。即興的な選曲とミックス、乱高下するBPM、エモーショナルなヴォーカルトラック。

Effyの「Bodied」やAmadeezyの「Xplosive」を繋ぎつつ、最後にしっとり終わるMall Grab。そのレイヴィーな流れを引き継ぎつつ、DJ Qの「Sonic」やAlokaの「Ecliptic」のような、よりアブストラクトな音像へシフトさせたFUCKINGELLE。深夜の喧騒を通過したのち、最後にはMariah Careyの「Breakdown」のエディット版がかかるわけです。ここは朝方のフロアでしょうか。寂寥感と達成感が入り乱れた、あの朝の感情がよみがえります。

ちなみに、FUCKINGELLEのトラックリストは本人によって公開されております。


Joris Voorn Vinyl DJ Mix | Classic Acid Pt.2 (Guilty Pleasures and More..)

「新曲をかけたいが、フロアが再開されないのでなかなか実行できない」という話を、国内外の多くのプロデューサーから聞きます。すなわち、“アンセム”とはブースとフロアの相乗効果によって作られたものだったんですね。考えてみれば当然ですが、筆者個人はその前提を強く実感しております。

それが難しい今、改めてシーンの足跡を辿り直すアーティストが出てくるのは道理でしょう。「DJを始めたばかりのころ、俺はアシッドテクノに夢中だった」という文章を添え、自身のDJ配信の告知を行ったJoris Voornが好例です。やはりこういう時は当事者が頼りになります。97年ごろにキャリアをスタートさせた彼は、“Classic Acid”の縛りを設けたオンラインギグを今年の1月~2月にかけて実施。ここで紹介するのはPart.2です。

DJ Misjahの曲、「Delirious」と「Access」がこのミックスの中でかかるんですが、彼の重要性も近年では再検証されているように思います。プロデューサー/DJのi_o(2020年11月に急逝)が「Access」をリミックスし、Porter Robinsonは別名義のVirtual Selfのギグで必ず「Trippin’ Out」をかけていました。この荒々しさと恍惚、まさしく“Guilty Pleasures”。


Club Quarantäne | CQ4 | DJ SPIT B2B VTSS

業界で活躍する様々なクリエイターやプラットフォーマーの手によって、昨年の4月に発足した「Club Quarantäne」。オンライン上のヴァーチャル・ベニューとして、今日に至るまで様々なDJを招聘しております。仮想空間は装飾の自由さも相まって、最近はアート・インスタレーション的な側面も出てきているように思います。

今年2月2日には、個人的に今最も来日を渇望しているVTSSと、DJ SpitがB2Bで登場しました。昨年の3月、彼女はSPFDJと共に渋谷のContactでギグを行うはずだったのです(血涙)。活躍をずっと追っておりますが、DJも楽曲のプロデュースもかなり高いレベルにあります。しかも、いまだ天井が見えず。

もちろんDJ Spitも効いてまして、このミックスでは2人の特性が絶妙なバランスで配合されています。ハードテクノを共通基軸としながらも、VTSSがEBMやインダストリアルの要素を足し、DJ Spitがドラムンベースで走り抜ける。2人のハイエナジーなグルーヴが鳴っており、B2Bの醍醐味を楽しめるようなミックスになっているのではないでしょうか。


FriedCast 030 – Haus Safado by KIKA

MAMBA NEGRA〉の主宰者・Cashuを筆頭に、昨今のブラジルからは才能あるDJ/プロデューサーが数多く現れています。BADSISTAにEli Iwasa、Tha_Guts…。特に女性DJの活躍は特筆すべきで、ジェンダー観を是正するための様々なイベントが各地で行われています。

ポルト・アレグレを拠点に活動するKIKAも、重要人物のひとり。彼女は〈Goma Rec〉の共同設立者であり、先述のMAMBA NEGRAでも活躍しています。同国を代表するアンダーグラウンドパーティ「BASE PoA」ではレジデントDJとして名を連ねており、「Red Bull Music Festival São Paulo 2018」でもフックアップされていました。彼女はアップリフティングにもエクペリメンタルにも振り切れるDJですが、このミックスでは前者の側面が強調されています。

AceMoの「I Love Daft Punk and You Should Too」から始まり、Julie McDermottの「Don’t Go (Ejeca Remix)」やMark Blairの「Kickin’」を繋いで盛り上げてゆく…。まとめ方もうまくて、1時間前後から徐々に落ち着かせてくれるんですね。しかもそのあたりから同郷のAlan DjonneやTha_Gutsらの曲を使ってきますから、母国をレペゼンする意図まで忍ばせているわけです。普遍的なフロアの熱量と、南米独特のアイデンティティが両立。


Torei at Contact Tokyo, 14 Nov 2020

U-30の日本人DJの中で、今一番アツいDJではないでしょうか。レーベル〈Set Fire To Me〉を主宰し、国内外のプラットフォームにミックスを提供するTorei。最近の彼はイベントに出演する度にフロアを沸かせている印象があります。アッパーなだけでなく、時に音像を燻らせたり、アシッドやトライバルにニュアンスを変えながら、ミックスを展開してゆきます。

中でも、昨年の11月14日に渋谷のContactで行われた「mano a mano」と、今年の1月10日に開催された「ALIEN FAMILY」でのパフォーマンスが凄まじかった…。前者は2月にSoundCloudにアップされたので、ぜひ紹介させてください。

4つ打ちからEat Staticの「Clash Of The Titans」へのスムーズな移行。アブストラクトな音を鳴らしていたのもつかの間、Pulse 8の「Radio Morocco (Youth Mix)」のようなクラシックなハウスチューンをドロップ。このアイデアの豊富さたるや、UKの〈Hessle Audio〉の面々を彷彿しませんか。

海外からアーティストを招聘するのはまだ先になりそうですが、国内の若手がヘッドライナーばりに成長している事実もあります。諸々のタイミングがあえば、ぜひフロアへ足を運んでみて下さい。


madwoman / February 2 / 9pm-10pm

突然シーンに現れて、瞬く間にベルリンのTresorのブースにたどり着いたDJ/プロデューサー・madwoman。初めてDJとしてプレイしたのが2019年で、Tresorでギグを行ったのが2020年。スウェーデン出身にして現在の拠点をベルリンに置くニュースターは、すさまじい成長曲線を描いております。彼女は“サイケデリック・インダストリアル・テクノ”を標榜しており、既にAncient MethodsやPaula Temple、Nur Jaberなどからサポートを受けています。

しかも曲も作れるという…。2020年の初めにベルリンのレーベル〈Ismus〉のコンピレーションアルバムに参加し、同年にカナダの〈Raven Sigh〉からはデビューEP『Raw Energy』をリリースしました。

現場が機能していないとは言え、彼女のような才能をベルリンのクラブシーンが見逃すはずがなく、人気配信チャンネル「HÖR BERLIN」には既に2回出演しています。このミックスは2回目。まさしくサイケでインダストリアルで力強いサウンドが鳴っています。日系イギリス人プロデューサー・Charlie Sparksの曲を3曲連続で使ってる(32:20あたり~)のもシンパシーを感じますね。


■ Text_Yuki Kawasaki

 

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