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BLOG

月刊: ベストミックス6選(Apr.)

ジャンルの垣根を超えた、めくるめく音の旅へ、いざ。

Mixmag Japan | 26 May 2021

月間ベストアルバム, mixmag

アルバム部門に引き続き、4月の月刊ベストミックスを発表。元々紙媒体ですゆえ、「刊」をコンセプトにしております。何となく厳かな気がしませんか。…まぁ、その都度説明する必要性は感じますけれども、書き手としても気合が入ります。

さて、ミックス部門には実に様々なベクトルで優れたものが揃いました。ジャンルの垣根を超えた、めくるめく音の旅へ、いざ。


Bleep Mix #179 – Roman Flügel

Roman Flügelぐらい何でもできればDJも楽しかろうと思います。プロデュース良し、ミックス良し、しかもどんなジャンルにも対応可能。90年代初頭から様々な名義で活躍する彼は、その数以上に様々なサウンドスケープを実現してきました。国内で最後に彼をみたのは2018年のVENTですが、この時期のアップリフティングなアプローチとはまた違っていて、この度Bleepに提供されたミックスはよりレフトフィールドなニュアンスです。しかしそれでも彼は人を踊らせる。セットリストを渡され、全く同じ構成を試みても彼と同じDJができない。これはもう天性のものでしょう。Gerd Jansonをして「カメレオンのようだ」と言わしめるRoman Flügelですが、その実力は今もなお健在です。

ちなみに、このミックスにおいて彼の曲が5曲使われています。15曲中、5曲。これだけジャンルレスに繋ぎながら要所で自分の曲を突っ込めるDJ、果たして世界に何人いるのやら…。(Bleepが公開したトラックリストはコチラです)


Qrion – DJ Set (Anjunadeep Japan Takeover)

何かアナウンスがあるたびにスケールアップしてゆく、札幌出身のプロデューサー/DJ・Qrion。〈Anjunadeep〉のようなトップレーベルからリリースを続けられる時点で快挙ですが、その規模は広がる一方です。最近ではSashaの〈Last Night On Earth〉からも「Monolith」を発表し、大いに話題を集めました。さらには昨年末、Forbes Japan誌が選ぶ“世界を変える「30歳未満の30人」”にも名を連ねております。もはや音楽だけではなく、その存在そのものが誰かを勇気付けているわけです。そしてつい先日、シカゴで開催される「North Coast Festival」の最終ラインナップが発表されましたが、ド級のメンツの中に彼女の名前も含まれていました(同じ列にMijaやRebūke)。

それらの功績はひとえに曲やDJのアイデアが素晴らしいからなのですが、このミックスではそれが伝わると思います。


LT Podcast 175 // RAVEN

Lobster Theremin〉ほどプラットフォーム然としたレーベルは稀でしょう。扱うジャンルはロウハウスやディープテクノ、ブレイクスにジャングルと多岐にわたります。レーベル主宰のAsquithは当初の目的を「UKハウスシーンにおける才能ある若手の発掘」としていましたが、その範囲は拡大し続けています。今や関連レーベルも山ほどありますね。Asquith自身も優れたDJですが、そのレーダーの感度は音楽だけでなくプレイヤーそのものにまで向けられているのでしょう。

RAVENもそのひとり。彼女の場合はベルリン出身でなおかつ主戦場がプロパーなテクノですが、このロウなニュアンスはLobster Thereminのファンならほぼ確実にハマるはずです。新鋭として注目される彼女ですが、6月にはベルギーのレーベル〈Exhale〉からリリースされるコンピレーションに参加し、その後にはRadio Slaveの〈Rekids〉からEPを発売します。未来を約束された逸材。


10 Years of BSR: Skylab Radio takeover – Kia

観測する限りでは、オーストラリアの音楽シーンの勢いが全方位的に盛んです。フェス、人物、あるいはジャンル単位でも考えても、各所にキーマンが揃っています。もちろん一朝一夕の間にそれらが現れたのではなく、先人たちが志を連綿と紡いできた結果でしょう。

【関連記事】「すべてが集結し、すべてになった」:オーストラリアのエレクトロニック・ミュージックの黄金時代

特にメルボルン。シドニーに次いで規模の大きいこの街では、住人の半数以上が海外生まれだといいます。その影響か、街の性格として大変オープンマインド。Revolver UpstairsやBrown Alleyに行けば、良い音楽にも出会えます。アンダーグラウンド界隈ではレーベル〈BUTTER SESSIONS〉が代表格で、国内外からラブコールが止まらない存在です。レーベル創設10周年を記念するにあたり、メルボルンのキープレイヤーのひとり・Kiaから至高のミックスが提供されました。彼女は自分でも〈Animalia〉というレーベルを運営しておりますが、DJとしても大変優秀。優れた音楽シーンを語るとき、複数の天才が出てくる場合がありますが、今メルボルンで起きていることはそれに他ならないのではないでしょうか。


CYK TOKYO RADIO 021 Kross Section (Keiju+ktskm)

京都を拠点に活動する1998/1999生まれのDJ/プロデューサー、ktskmとKeijuによるユニット。DJと書き手は知識量が重要である点で類似しています。経験を積むことによって表現が豊かになり、技術が先鋭化される場合がある。けれども、年齢が重要かと問われると必ずしもそうではありません。若手にも実力のある人物はたくさんいて、たとえば書き手の世界では宇佐見りん、朝井リョウらが挙げられるでしょう。

享楽的なハウスミュージックを紡ぐKross Sectionのふたりにも同じことが言えるでしょうし、その価値観とセンスは年齢を凌駕します。思えばこのミックスをアップした〈CYK〉もそういった知性を表現してきましたし、〈N.O.S〉や〈解体新書〉、〈TREKKIE TRAX〉も、その役割を担ってきました。同じ関西で言えば、〈NC4K〉も特筆すべきでしょう。島根の〈Local Visions〉も素晴らしい。それぞれジャンルは違えど、国内にもこれだけ才能がひしめき合っているわけです。

Kiaのミックスのセクションでも書きましたが、“シーン”を語る場合、複数の天才に言及されることがあります。イケイケドンドンなオーストラリアにも劣らないぐらい、日本のクラブシーンには輝く才能が多くいる。Kross Sectionのミックスは、いまだ緊急事態宣言が続く現在において、そういった可能性を思い出せてくれました。


Circoloco Radio 186 – ONYVAA

ここ数年、破竹の勢いでプロップスを上げているアメリカ出身のDJ/プロデューサー・ONYVAA。曲のクオリティも高く、先日はCharlotte de Witteのレーベル〈KNTXT〉からEP『Lost Angeles』をリリースしました。いやはや、昨年『Nothingness』を発表したAlignmentしかり、次世代のテクノ界のエースがKNTXTに集結している感があります。

既にLuke SlaterやAmelie Lensとも共演を重ねており、彼女の名前が世界的に知れ渡るまでそう時間はかからないでしょう。シネマティックなスケールを持ちながら、繊細なミニマルテイストも感じられるミックス。サウンドのテクスチャーとしても、“次のビッグルームテクノ”という気がします。


Text_Yuki Kawasaki

 

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