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【おさらい The December】 PlanetMµ25 by V.A.

“Leftfield”の礎を築いたレーベルの現在地がここに

Mixmag Japan | 28 February 2021

Planet Mu, Planet Mu レーベル, MIKE PARADINAS, mixmag

“12月にリリースされる作品は軽視されがちである”とよく聞きます。年間ベストの候補が出揃い、あれこれ検討し始めるのが遅くとも12月の半ばだからであります。ほぼ完成されたリストの中に、当月にリリースされる作品は1週間程度の猶予で食い込まなければならない。したがって、それらの作品は多くの場合、翌年の12月に日の目を見る機会が先延ばしされる傾向にあります。レコード屋のバイヤーが書くポップや、間欠的にネットに上がるレビュー記事などによって評価される場合もありますが、世の中の流れとして年末の特集記事に比肩するのは難しい。

今宵は、そんな「評価を先送りされた名盤」に光を当てるべく筆を執った次第です。個人的にも、二か月経って味が染みてきたアルバムがいくつかありますし。この記事が間欠的にネットに上がるレビュー記事と差があるのかはまったくの未知数ですが、どうぞお付き合いください。本稿は、2020年12月4日にリリースされたアルバム『PlanetMµ25』について。


Various Artists 『PlanetMµ25』

“Leftfield”という言葉がエレクトロニック・ミュージック界隈ではしばしば使われますが、その礎を築いたのは〈Warp〉と〈Rephlex〉、そして〈Planet Mu〉でしょう。いずれもUKのレーベルですが、すべてに関わりのあるAphex Twinはやはり開祖であります。Mike Paradinas(aka μ-Ziq)が主宰するPlanet Muは昨年25周年を迎え、それを記念してリリースされたのがコンピアルバム『PlanetMµ25』。良い悪いではなく、本作からは何となく“他所(よそ)のレーベル感”といいますか、当初はアニバーサリー盤にしては素朴な印象を受けました。内容はフットワークやグライム、IDMがコンパイルされていますから、方向性としては間違いなくPlanet Muのそれなのであります。12月の時点では、首をかしげるばかりでした。本作に対し、同じような感想を持たれた、あなた。その理由が、今年2月に公開されたBandcampのインタビューを読むと分かります。“Celebrating 25 Years of Legendary Electronic Label Planet Mu”というタイトルが示す通り、レーベルが辿ってきた足跡を辿る主旨の記事です。しかしながら、本作『PlanetMµ25』には、このインタビューに登場するアーティストがひとりもラインナップされていないんですね。念のため申し上げると、ItalとItal Tekは別人です(そのくだりも当記事に書かれています)。つまりこのコンピは、レーベルを代表するレジェンドでなく、比較的フレッシュなメンツ(RP Booはフットワークの代表選手ですがPlanet Muからデビューアルバムをリリースしたのは2013年)で固めれているわけです。それに気づいたとき、なんだか筆者は申し訳ない気持ちになりました。「自分、基本的には新譜を中心に聴いてます」と口では言っておりますが、心のどこかでは結局レジェンドの安心感を求めていたのではないかと。25年もひたすら“Leftfield”を貫くレーベルもあるのに、メディアの人間が守りに入ってるんじゃないよと。まぁ今日では(かつてのような)夢や希望を見出すのが難しいので、時にはノスタルジーも必要かとは思いますが、「それでも俺たちは前を向くんだ!」と言わんばかりではありませんか。

ちなみに、Mike Paradinasによる“レーベル振り返りミックス”もSoundCloudに上がっているので、過去の名曲を復習したい場合はこちらをどうぞ。

ユニークなIDMをリリースしてきたVenetian Snares、ダブステップのクラシック「Qawwali」を生み出したPinch、2010年代フットワークにおける屈指の名盤『Dark Energy』をプロデュースしたJlin…。いずれのアーティストも今作にクレジットされておりませんが、そのマインドはもはや永続的に継承されてゆくでしょう。フィンランドからはRipattiが参加し、「Flowers」で複雑なリズムと迫力のあるノイズが展開しております。ベルリンを拠点に活動する中国出身のプロデューサー・RUI HOの「Hikari」に至っては、これまでPlanet Muが担ってきた“らしさ”の外側にまで射程が伸びていると感じます。

2020年はフィジカルのイベントの開催も含め、大々的に25周年を祝うはずだったと聞きました。パーティの再開については様々なうわさが飛び交っていますが、彼らのサウンドを現場で聴くのが大変楽しみですね。


Text_Yuki Kawasaki

■ Various Artists 『PlanetMµ25』
Label: Planet Mu
Tracklist:
01. East Man & Streema – Know Like Dat
02. RP Boo – Finally Here (ft. Afiya)
03 Konx-om-Pax – Rez (Skee Mask Remix)
04. Ital Tek – Deadhead
05. Gábor Lázár – Source
06. DJ Nate – Get Off Me (Betta Get Back) (Basic Rhythm Remix)
07. Ripatti – Flowers
08. Speaker Music – Techno Is A Liberation Technology (ft. AceMo)
09. Jana Rush – Mynd Fuc
10. Rian Treanor – Closed Curve
11. Bogdan Raczynski – tteosintae
12. RUI HO – Hikari
13. FARWARMTH – Shadows In The Air
14. Meemo Comma – Tif’eret
15. Eomac – All The Rabbits In The Tiergarten
<Bandcamp>
https://planetmu.bandcamp.com/album/planetm-25

 

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