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BLOG

日刊:The Best Album & Mix_1

tofubeats 『TBEP』 & The Cover Mix: Michael Bibi (Dreamscape)

Mixmag Japan | 7 December 2020

tofubeats, Michael Bibi, TBEP, mixmag

ついに年末であります。一瞬で終わったような、とてつもなく長かったような2020年。しかし感覚としては虚無。春も夏も秋もなく、気付いたら冬服を着ています。風情を感じる余裕もなく、“どうにか生き残った”という言い方が正しいような気がします。

Mixmag Japanも少なからずコロナ禍の煽りを受けておりまして、編集部も極少人数(実質一人)と相成りました。とは言え、優れたミックスや作品は日夜生み出されています。メディアとしてそちらにフォーカスすべく、我々も「年間ベスト〇〇」を表明したいと考えました。しかしながら、ミュージックマガジンやPitchforkを見ていると、複数の識者が集まって決定しているように感じます。Mixmag UKなんかはハウス、テクノ、ドラムンベースにそれぞれ専門家がおります。そして世代やジェンダーによる世界観の違い。それら重要な要素を差し置いて、独断するのはフェアではないでしょう。

しかるに、ひとりで年間ベスト〇〇執筆は原理的に難しい。したがって、本企画はブログ記事として書くことにしました。断定口調もやめ、「ですます」で誰とも知れぬあなたに向けて文章を打っています。双方向性の高い、皆さんと作り上げるナラティブな批評として綴ってゆくつもりです。編集部が選んだアルバム31枚、ミックス31本を本日から12月31日まで毎日発表します。なぜ12月7日から?との疑問が生じるでしょうが、ひとえに私、Yuki Kawasakiのていたらくが原因でございます。どうぞよろしくお願いいたします。


tofubeats 『TBEP』

tofubeats – 「陰謀論 (CONSPIRACY THEORY)」

アルバム部門は基本的にフロアコンシャスでない“パッケージされた音楽作品”を中心に選びましたが、tofubeatsの『TBEP』はあまりにエポックメイキングな内容でしたので、ここで言及せずにはいられませんでした。ある作品がリリースされたとき、内容と同じぐらい大事なのが「誰が発表したのか」だと考えています。tofubeatsはJ-PopのDJ / ライブアクトとして台頭していった経緯がありますが、そんな彼がほぼ全編にわたってフロアライクなEPをリリースしたわけです。これまでに発表したどのアルバムと比較しても、「クラブミュージック」としての強度が抜群に高い。ポップミュージックとクラブミュージックの間に深い溝が横たわる日本の音楽シーンにおいては、この事実に励まされるのです。サブスクで“tofubeats”と検索しても、シティポップに吸収されてしまう。それはたとえばサカナクションやyahyelにも同じことが言えまして、ハウスやテクノ系のプロダクションで辿りたい場合がそもそも想定されていないのです。現状のアナライズでは、せいぜい広義の“エレクトロニック・ミュージック”で括られるのが限界でしょう。

しかしそれは逆説的にも考えられ、シティポップの側への訴求が可能なのであります。しかも今回のEPは、先ほど申し上げたように“全編”クラブミュージックで構成されていますからね。Bonus Trackとして最後に待ち構える「Along the Coast」のアフターアワー感も含め、革新的なアルバムだと思います。


The Cover Mix: Michael Bibi (Dreamscape)

Solid Grooves〉の共同主宰者にして現行“テックハウス”の急先鋒・Michael Bibiが、Mixmagの表紙を飾った際に提供されたミックス。無意識下の楽園をテーマに制作したといいます。EDM以降のハウスミュージックを指して“テックハウス”と呼ばれて久しいですが、その内容もずいぶん多様化しました。ベースハウスに傾倒するプロデューサーもいれば、よりディスコライクな嗜好を持つDJも出てきております。その中にあって、Solid Grooves周辺の人たちは独特でありました。ドロップはあるけれども大仰でないし、音数も少ない。しかしグルーヴはしっかりある。各々そういうDJを好む印象があります。Michael Bibiはその好例。ミニマルな構成の中で様々なグルーヴを聴かせてくれます。

「THE TOP 15 BREAKTHROUGH DJS OF THE YEAR 2019」では第2位、DJ Award 2019(ダンスミュージック版のアカデミー賞とも言われる)ではTECH HOUSE部門を受賞。昨年は飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍ぶりでしたし、レーベルとしても個人としても今年はさらなる飛躍を目指していたでしょうから、彼の悔しさは如何ばかりかと察します。このミックスを聴くたびに、かつてのフロアがはるか昔のことのように思うのです。Bibi自身が今年の1月に日本でギグを行っているにも関わらず(最高でした)。


Text_Yuki Kawasaki

 

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