引き続き、「日刊:The Best Album & Mix」をお送りしております。前回の内容はコチラから。12月31日まで、本企画は毎日更新してゆきます(全部紹介しきれていないのでお正月も続きます)。今回は12本目。どうぞよろしくお願いします。
Kelly Lee Owens 『Inner Song』
Kelly Lee Owens – 「Melt!」
Mixmagのインタビューが公開されたとき、Kelly Lee Owensの『Inner Song』は2020年を代表する1枚になる予感がありましたが、本当にその通りになりました。NMEが年間ベストアルバムで本作を6位に選び、Loud And Quietは2位。果てはUKの御大Pete Tongまでもが、本作をベスト・エレクトロニック・アルバムに選出しました。ウェールズ生まれ、マンチェスター経由、現在はロンドンを拠点にする元看護師が大躍進を遂げた2020年。気候変動にレイヴへのノスタルジー、さらには個人的なトラウマや故郷由来のアイデンティティなど、彼女が現在関係する万事をすべて詰め込んだのがこのアルバムであります(詳しくは上にリンクしたインタビューをぜひ)。「パンデミックで外出ができなくなる前から、人々はレイヴを欲していたような気がする。それがなぜかは分からないけど、超越的な瞬間をみんな今まで以上に必要としていたんだ」。
Bassiani invites Haruka / Podcast #75
SoundCloudは年末になると「Your 2020 Playback」なるプレイリストを個人用に作成してくれるのですが、どうやら筆者が今年最も聴いたミックスが、ジョージアのナイトクラブ「Bassiani」のポッドキャストに提供されたHarukaのものらしいのです。とても実感がありますね。今から5か月ほど前に公開されて以来、ほとんど毎日聴いていたような気がします。ドローンとリバーブを多用し、ミニマルな内容に奥行きが生まれ、音の種類はそれほど多くないのに印象としてはとんでもなく豊か。分かりやすく顕著に変化するのはキックの強さだけだと思います(そしてそこでめちゃくちゃアガる)。しかし彼はそれだけで場の空気を掌握できるDJだと思います。もう100回ぐらい聴いたミックスですが、あと何回でも聴けますね。今年もよろしくお願いいたします。ちなみに、私が“ポッドキャスト・オブ・ザ・イヤー”を選ばせてもらえるならば、このBassianiです。他のミックスも最高。
Text_Yuki Kawasaki
最新情報をお届けします
Twitter でMixmag Japanをフォローしよう!
Follow @mixmagjapan