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日刊:The Best Album & Mix_16

Nicolás Jaar 『Telas』 / ¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U | Boiler Room Tokyo x Super Dommune

Mixmag Japan | 3 January 2021

Nicolas Jaar, Nicolas Jaar アンビエント, ¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U, mixmag
引き続き、「日刊:The Best Album & Mix」をお送りしております。前回の内容はコチラから。12月31日まで、本企画は毎日更新してゆきます(全部紹介しきれていないのでお正月も続きます)。今回は16本目。どうぞよろしくお願いします。


Nicolás Jaar 『Telas』

Nicolas Jaar – 「Telahumo」

あまりに過小評価ではないですか? 別名義のダンスプロジェクト・Against All Logicも含めると、2020年はなんと3枚もアルバムをリリースしたNicolas Jaar。しかもそのすべてが優れているという傑物ぶり。いやはや、毎度のことながら大変恐れ入ります。全作素晴らしいと前置きした上で、メディアが総スルーしている現状を嘆いております。まずは簡単に3作を振り返りましょう。AALのオルタナティブなダンスミュージック観が表現された『2017 – 2019』、『Space Is Only Noise』(2011年)と『Sirens』(2016年)の後継として発表された『Cenizas』。そして、ソ連出身の映画監督・セルゲイ・パラジャーノフの前衛映画『ざくろの色』(1969年)のフィルムスコア『Pomegranates』(2015年)の流れを汲んだ『Telas』…。本当にいずれのアルバムも特筆すべき作品なのですが、ここで強調したいのは最後の『Telas』。4曲しか収録されていませんが、尺は1時間にも及びます。収録曲中で最も短い「Telallás」ですら、13分弱あるわけです。この奇特な構成の要因として、本作がフリージャズの要素を孕んでいることも考えられますが、第一の理由はこのアルバムのために作られた特設サイト(本当はこちらをリンクしたかった)の存在だと思われます。横にも縦にもスクロール可能な“液状”の世界。BGMとして『Telas』の曲がかかるだけで、特に動作と音がリンクするわけではありませんが、そこではリスナーは能動的な態度を強いられます。インタラクティブな音楽作品は過去に参照点がいくつもありますが、発表するタイミングも作品の素晴らしさを決定するものだと考えます。だとすれば、世界中の人がほぼ例がなく孤立した2020年こそ、“双方向的である”事実は効果を持つのではないでしょうか。その意味では、Seihoの『DESTINATION 最終目的地』と共通するコンテクストがあると感じます。ただのアンビエント作品ではなく、受け手側が能動的に関わって初めて成立するアルバム。


¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U | Boiler Room Tokyo x Super Dommune

リアルタイムでDOMMUNEを観ていて、何も考えず走り出したくなり、拳を突き上げたくなり、最後にむせび泣いたDJパフォーマンス。このミックスには、ホモサピエンスのあらゆる欲求を引き出し、リスナーを動物的にさせてしまう魔力があります。しかし同時にレゲェ的な知性も感じるのです。つまり「言葉」も重要だったのではないかと。レゲェは、ハウスやテクノと違い、ミックスの際にリリックの内容にもプライオリティが置かれています。この日の¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$UのDJからは、コロナ禍における我々を煽情する意図を感じました。随所に差し込まれるガバは怒りや抗議を表現し、ロッキーのテーマソングで人々をエンパワーメントし、Jamie XXの「I Know There’s Gonna Be (Good Times)」でまとめる。「きっと良い時代がやってくるさ」と、明らかに意味性を含んだ選曲で締め上げるわけです。厳密にはこの曲のあとにNew Orderの「Bizarre Love Triangle」がかかるんですが、さながらフェスのヘッドライナーのアンコールでしたね。…そう、フェス。この日彼が聴かせてくれたDJは、今年筆者が一度も行けなかった「フェスティバル」だったのであります。


Text_Yuki Kawasaki

 

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