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日刊:The Best Album & Mix_9

Nídia 『Não Fales Nela Que a Mentes』 / Mars89 fabric x Contact Mix

Mixmag Japan | 28 December 2020

Nidia, Nidia アルバム, Mars89, mixmag

引き続き、「日刊:The Best Album & Mix」をお送りしております。前回の内容はコチラから。12月31日まで、本企画は毎日更新してゆきます。今回は9本目。どうぞよろしくお願いします。


Nídia 『Não Fales Nela Que a Mentes』

Nídia – 「Capacidades」

およそ10年前、ポルトガルの首都リスボンのスラムからレーベル〈Príncipe Discos〉が誕生しました。ボスのDJ Marfoxをはじめ、Nigga Foxなどの様々なタレントを輩出しており、今やグローバルにその存在感を放っております。リスボンのゲットー地区にはアフリカ系の移民が多く住んでおり、先ほどのMarfoxはサントメ・プリンシペ、Nigga Foxはアンゴラにルーツがあります。これまでに何度もBlackLivesMatterきっかけで構造的差別の問題が取り正されてきましたが、アメリカ国内に限らず今年はかなり広い範囲で認知されたような実感があります。“構造”という言葉が使われるぐらいですから、物事の一面から見るだけでは分からない問題もあるわけですね。リスボンのゲットー地区は繁華街からわずか数キロしか離れておらず、その意味ではまさしくキラキラした表層からはみ出てしまった部分なのです。その多層的で見過ごされてきたものに、作り手も受け手も意識的になれたのが、2020年ではないでしょうか。同じくPríncipe Discosからリリースを重ねるアフリカ系ポルトガル人のプロデューサー、Nidiaが今年発表した『Não Fales Nela Que a Mentes』は極めて今日的な作品です。何せ普遍的なダンスミュージックを、キゾンバ(アンゴラで生まれた音楽ジャンル)の方法論で実践しているのですから。そしてトドメのように重いビートが鳴る「Capacidades」が立ち現れる。Yaejiの『WHAT WE DREW 우리가 그려왔던』の選評でも書きましたが、グローバルなマーケットでローカリズムを表明することは、今後も主な潮流として続くのではないでしょうか。


Mars89 fabric x Contact Mix

パンデミック以降、UKのアイコン的クラブ「fabric」が世界中のベニューからミックスを募っております。渋谷のContactからもミックスが提供され、Mars89が実際に今夏同ベニューでプレイしたときの音源がそのまま投稿されました。DJが“かけたい曲をかける”という大前提はあるにせよ、対象は誰(どこ)か?によってミックスの内容が変わる場合はあるでしょう。ゆえにラジオでオンエアするために録ったミックスと、クラブのフロアに向けたミックスはニュアンスが異なる可能性がある。(本人も認めるように)Mars89は決して万人受けを狙うアーティストではありませんし、彼がホストを務めるNoods Radioではその日のテーマに合わせて大きくバイブスが変化します。けれども、“フロアの人間を踊らせる”というシンプルな目的をもとにDJを行う場合、彼のプレイもまたオーディエンスに向けて普遍化され、その目的は遂行されます。そのときにどれだけ個性を残せるかはDJの手腕にかかっているところですけども、彼のミックスではキャラクターとダンスへの情熱が両立しているように感じます。


Text_Yuki Kawasaki

 

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