「このTシャツたちについては、考えがまとまってないの。今を生きてるから、過去にこだわりたくはないの。でも、私がこれまで愛してきたものを祝福する方法のひとつなの。
みんなが家族写真をとっておくのと同じように、私もこれらをとっておく。でも、パーティが、ダンスフロアがもっと平等だった頃のことを思い出すわ。ディスコが廃れたあと、グラフィティ、ヒップホップ、ハウス、ノーウェーブ、ビデオアートと、様々なシーンが誕生した。人々はシーンからシーンへと飛び回り、混ざり合いながら、クラブでは複数のシーンが融合したわ。
ニューヨークの伝説のクラブ、Jackie 60では火曜の夜、ハウスをプレイしていたけど、ドラーグクイーンのショーや、詩の朗読会などもやっていた。今、そんなにいろいろなことを同時にやっているパーティは無いんじゃないかしら。劇場もあったし、エッチな部屋もあったわ。変わり種と、アーティストのための空間だった。カルバン・クラインから地元のドラーグクイーンまで、麻薬ディーラーから銀行マンまで集まる場所だった。
今は、なんだかすごく均質化されてしまったと感じる。ディープハウスは好きだけどテクノは嫌いとか、テクノは好きだけどトランスは嫌いとか、そういう人が増えている。どうしてそんなに壁を作るの? 昔はそんなんじゃなかった。
Tシャツたちは、あの頃のことを思い出させてくれるの。Sound Factoryのような場所をね。活き活きとしたコミュニティ同士が、互いに影響しあって、シーンを作り上げていたわ」。
インタビュー:Charlie Case
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