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FEATURES

HITOが音で紡ぐもの。凱旋するフィメールDJの神髄とは?

ベルリン発のテクノパーティー“OTO”、日本初開催

Mixmag Japan | 4 January 2018

Jordi Cervera | www.jordicervera.com

「世界的〇〇」とはもはや枕詞になってしまって、以前ほど効力を持たなくなってしまった。そうするとどのような弊害が起きるだろうか。本当に世界的な影響力と才能を持つアーティストにまでその言葉の力が及ばなくなってしまうのである。日本人女性テクノDJとして、まさしく世界的に活躍するHITOはその最たる例だろう。姫路生まれの彼女はこれまでにTomorrowland(ベルギー)やLoveland ADE(オランダ)など、海外の名だたるメガフェスティバルに出演した経歴を持つ。現在はベルリンを拠点に活動しているが、DJの最中は和服を着用するなど、シンボリックに自身の出自を表明している。

そんなHITOが、2018年1月5日(金)にCIRCUS Osakaで<OTO>を開催する。同パーティーは、彼女がベルリンで主催するイベントであるが、日本で行われるのはこれが初めて。今回はコラボイベントということで、サポートには関西屈指のテクノパーティー<YOUAREHERE>が名を連ねている。<YOUAREHERE>には過去にオーストラリアの気鋭Balla Sarris、ウクライナのトップDJであるNastiaが出演している。

さて、このたびMixmag Japanでは今回の<OTO>日本初開催に際し、彼女にメールインタビューを実施。同イベントの成り立ちから自身のDJスタイルまで、こちらの質問全てに対し、真摯に答えてくれた。

Jordi Cervera | www.jordicervera.com

「わたしがMODEL 1*のアンバサダー(親善大使)になったことで、何かできることがあればと思っていました。それが<OTO>の始まりです」

*MODEL 1: ミニマルテクノの皇帝リッチー・ホウティンと、シーンの第一線で活躍する技術者アンディー・リグビー・ジョーンズの共同プロジェクト<PLAYdifferently>の第一号製品として開発された、新世代のDJミキサー。

「わたしは現在ベルリン在住ですが、海外での仕事のほうが増え、地元のベルリンに密着したイベントができればなぁと考えていたんです。そのときにベルリンでよくお世話になっていた、IPSEというベルリンのナイトクラブのオーナーやプロモーターさんたちと意気投合しました。ただ単にパーティーをするのでは意味がなく、わたしにとって”何のための”というポイントがすごく重要なんです」

ちなみにIPSEというクラブだが、ここでは日夜様々なジャンルの音楽が鳴らされている。テクノはもちろん、ヒップホップ系のイベントが開催されることも間々ある。ベルリンという街がそうさせるのか、かなり多様性が担保されたところだ。そんな中にあって、”何のための”という問いに対するHITOの答えも、非常に合点がゆくものだった。

「”Hito presents OTO”は以前から温めていたキーワード、『MODEL 1』、『ベルリン』、『次世代』、『日本』がコンセプトの源になっております。具体的に言うと、最新で高価なMODEL 1をいろんなアーティストと共有すること、ベルリンでのレギュラーイベント、次世代アーティストとのコラボ、日本人アーティストの紹介が、このイベントの大テーマですね。コンセプトは変わってませんが、今回の<OTO>にひとつ違いがあるとすれば、それは開催地がベルリンではなく、わたしの地元の関西であるということです」

Jordi Cervera | www.jordicervera.com

HITOが和服を身にまとう理由が少しだけ分かったような気がする。多様性の確立された街では、嫌でも自分の個性と向き合わなければならない。自分の出自などは典型的な個性であって、彼女はベルリンで生活しているうちにそのことに自覚的になったのかもしれない。そしてこの言葉通り、本家<OTO>では日本人の若手(ANRIやAKNL)を抜擢し続けている。

ところで、<OTO>の日本開催は今回が初めてだが、HITO自身はDJとして何度も日本のクラブでプレイしている。<YOUAREHERE>との関りは深いようで、お互いに絶大な信頼を寄せ合っているようだ。<YOUAREHERE>とコラボレーションした経緯について、こう語る。

「わたしの活動は海外であって、日本にベースがありません。<YOUAREHERE>は大阪で今一番お世話になっているクルーで、影響力もあります。大阪で<OTO>を開催するのなら、彼らの協力がないと現地の感覚もわかりませんし、いろいろと問題も出てきます。ですから、今回彼らとコラボする方法をとりました」。

Jordi Cervera | www.jordicervera.com

そろそろこの記事を読んでいる人が気になっているのが、「HITOはどんなスタイルのDJなのだろう?」ということではなかろうか。筆者には、彼女は自分を媒介にして様々な領域や人を繋ごうとしているように見えた。先述の<OTO>のコンセプトを考えてみても、あながち的外れではないような気がする。で、今回はイベント中に日本酒が振舞われる。クラブで、それもミニマルなテクノが鳴る空間で、日本酒が振舞われる。その経緯と合わせて、自身のDJスタイルについて聞いた。

「わたしはプロデューサーではなくDJです。しかも100% Vinylという未だクラッシックなスタイルでやっています。DJとしての表現方法を取っていますが、その目的の方が大事だと思っています。わたしは大学を卒業後すぐにベルリンで暮らして来ました。その時授かった仕事がDJで、それ一筋でやっています。夢を追いかけていたのではなく、私のDJは生きるために始まったと言えるかもしれません。わたしは学生時代から世界を旅する機会が多かったせいか、世界の舞台で何かをするという事に興味がありました。はじめのころは、DJとしてわたしに何ができるのだろうと、模索しながらやっていました。外国に住むと逆に日本のことがもっと見えてくるんです。DJという仕事を通して、わたしにしか出来ない表現をして行きたいと思っています。だから日本やSAKEといったワードが出て来るのかも知れません」

Jordi Cervera | www.jordicervera.com

そしてコチラが実際のDJ音源である。

さきほど話に出たが、HITOは今もバイナルプレーヤーだ。音楽やスタイルを性別で判断するつもりはないが、今や男性DJでもアナログ・レコードを使う人は少ない。彼女は2016年のULTRA JAPANの「RESISTANCE」ステージに出演していたが、筆者の隣で見ていた大学生らしき男の子が「あ、アナログなんだ」と呟いていたのを覚えている。

ヴァイナルプレーヤーであることは見た目にもはっきりしているが、実はそれがプレイの内容にも影響するのである。自身のプレイスタイルについて、彼女はこう語る。「デジタルのようにリピートしたり、シンクプレイは出来ませんが、Vinylなりの良さがあればいいと思っています。それはセレクトと全体の流れのことで、いわゆるJouneyと呼ばれるものですね。どちらかというとブレイクダウンのあるテクノが好きです。セット全体でダイナミズムを表現することが好きです。日が登って沈む1日のように、身体の働きのように、普遍的でオーガニックな流れをvinylを通して伝えたいと思っています」。

Jordi Cervera | www.jordicervera.com

そして日本酒が振舞われる理由を、もう少し踏み込んで聞いたのだが、この点にこそ「HITOらしさ」を感じた。

「今回のイベントでお酒を振る舞うのは、日本のお正月なので、そうしようと思いました。日本酒は<YOUAREHERE>のコンセプトにもなっていますので、今回の企画にピッタリだなと思ったんです。振る舞い酒は、わたしの実家近くの剣菱酒造さんにお願いしました。剣菱酒造の社長である、白樫さんは、わたしのパリ公演に2度も足を運んでくださっています。わたしは自分の活動を通じて、地域のPRや人とのつながりを大切にしていきたいと思っています」

なんだか、思った通りの人であった。音楽が好きで、人が好きで。DJの内容はあんなに硬派で激しいのに、その人柄は朴訥そのもの。「わたしは自分のDJを通して知り合ったアーティストの方々や、次世代の若いアーティストの方と”OTO”というキーワードでもっと繋がりたいと思っています。グローバル化している時代だから、今までのDJのイメージを超えて、自由に表現できることも身近になっています。世界の流れを見ていくと、こういった形態も自然の流れだと思います」

クールなセットリストの裏には、音楽に対する確かな情熱と、人へのオーガニックな優しさがあった。デジタルにはデジタルの良さがあるけれど、やはりアナログ・レコードの温かさがないと寂しい。彼女との文章のやり取りは、そんなことを思い出させた。

日本酒、楽しみにしています。

HITO Presents “OTO” JAPAN Launch Supported by YOUAREHERE
2018.1.5(FRI)
OPEN: 23:00
DJ : HITO(OTO) / ALEX / SEKITOVA / TORU IKEMOTO -LIVE-
 
PHOTO: skinny
support : 剣菱酒造

ADV: 2000yen /別途1ドリンク+振る舞い酒
DOOR: 2500yen /別途1ドリンク+振る舞い酒
チケット Peatix http://ptix.at/Xqv21b
両日チケット 3000yen (1月5日、1月13日両日参加できます)http://ptix.at/lPv1cH

会場 : CIRCUS OSAKA
〒542-0086 大阪市中央区西心斎橋1-8-16 中西ビル2F
TEL 06-6241-3822
http://circus-osaka.com

[PROFILE]
HITO(OTO)
日本は姫路で生まれ育ち、現在はベルリンを拠点として、そのユニークでセンスのあるスタイルでエレクトロニック・ミュージックアーティスト / DJ として活躍している Hito。
99年に日本からドイツへ移り住み、ダンスミュージック界のアイコンである Richie Hawtin (リッチー・ホウティン)と出会い、リッチーのパーティー ENTER. のレジデント DJ チームの一員となった。現在はイビサの Circoloco や Ushuaia、ロンドンの Fabric、アムステルダムの Awakenings など世界中の有名クラブやフェスでプレイを披露している他、良質な音楽、日本酒、食を提供するリッチー・ホウティンのプロジェクト “ENTER.Sake” のプレゼンターとしても DJ を披露している。また、リッチー・ホウティンのミキサー PLAYdifferently MODEL 1 のアンバサダーとしても活躍している。
https://www.facebook.com/hitoloveberlin/

 

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