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FEATURES

極上・重要ディーヴァ・ハウス20選(前編)

ディーヴァたちがいなければ、ハウスは存在しただろうか?

Mixmag Japan | 14 June 2019

アンセム調で、声量があり、ソウル溢れるディーヴァ・ハウス。一時期はハンドバッグなどとも呼ばれたジャンルは、我らの世界的なクラブランドの精神を温かく、友好的に伝搬する福音だ。込められたメッセージは愛であったり、許容の心であったり、そしてダンスフロアーを満たすパワーである、そんなディーヴァ・ハウスは、4つ打ちのビートと、ファンクやディスコのアップリフティングなエネルギーの盛大な結集だ。

1990年代にゲイカルチャーがメインストリームに進出した際に人気を得たジャンルで、ダンスミュージックの歴史家、Bill Brewsterによると、クラブ遊びを「娯楽の主流」に変えた立役者だという。

もともとハンドバッグとは、しかし、同ジャンルを多少軽視した考えから誕生した言葉だ。パーティ好きの女性グループが、自分たちのハンドバッグを一箇所に集めておいて、その横で踊り騒いでいる様子を指しており、硬派なアングラ好きたちが、その様子に侮蔑的な眼差しを向けながら吐いた言葉である。

一方、辞書によれば、ハンドバッグは「女性ヴォーカルが軸となり、ブレイクダウンやピアノ・スタブ、そして4つ打ちのリズム」を特徴すると定義されている。この定義によれば、代表的なクラブ・ミュージックのパイオニアであるInner CityやCeCe Peniston、Crystal Waters、David Morales、Barbara Tucker、Robert Owens、Larry Heard、Frankie Knucklesなどのサウンドもハンドバッグに該当する。我々はディーヴァ・ハウスという名称の方を好むが、同ジャンルは容赦なく気持ちを高揚させてくれる音楽で、平等な権利を求めるゲイコミュニティの声と、我々の精神をさらなる高みへと誘ってくれるサウンドトラックの集合だ。ディーヴァや彼女たちのハンドバッグが無ければ、そもそもハウスは生き残っていなかったのではないだろうか。

という訳で、有名なものから無名なものまで、我々がこよなく愛するディーヴァ・ハウスのレコードを20曲チョイスした。今回は前編の10曲を堪能してほしい。

BLACK BOX
RIDE ON TIME

「RIDE ON TIME」は、イタリアの音楽グループBlack Boxの曲。1989年にシングル・リリースされ、1990年には同グループのデビュー・アルバム『Dreamland』に収録された。UKでは6週間ナンバー1を維持し、同年最も売れたシングルにもなった。同イタリアのグループは、しかし、ヴォーカルを務めていることになっていたフランス人のモデル、Katrin Quinolが、実際のヴォーカリスト、Martha Washの声に合わせて口パクをしていたことが判明し、評判を落としてしまった。口パク疑惑はさておき、現代に至るまで愛され続けている名曲であり、イタロ・ハウスとして話題になた最も早いレコードの1枚である。

DEEPSWING
DIVA (FEAT. CHANCE)

Eric Wikmanのより知名度の高い変名、Deepswingは、LAを拠点に活動し、シカゴやニューヨークで触れた初期ハウス・サウンドをハリウッドに輸入したアーティストだ。ポジティブでアップリフティングなメッセージを乗せたダンスフロア向けのチューンを得意としたDeepswingは、歌手のChanceに声をかけ、名作「Diva」を完成させた。彼の作風に影響を与えた全てのディーヴァたちと、これから登場するあらゆるディーヴァに捧げるポエムだ。

ULTRA NATE
FREE

伝承によると、出来立てホヤホヤのプロモを入手したLouie VegaがUltra Nateの「Free」を1997年マイアミのWinter Music Conferenceで初プレイしたと言われている。同曲は、Strictly Rhythmからの彼女のカムバック・リリース、1998年の『Situation: Critical』に収録された。Mood II Swingがプロデュースした同曲は、1990年を代表するダンス・レコードの1枚となった。

BARBRA TUCKER
BEAUTIFUL PEOPLE

IndiaとLem Springsteenと共に作曲され、Masters At Work(Louie VegaとKenny “Dope” Gonzalez)が1994年にプロデュースした「Beautiful People」は、ヴォーカル・ハウス・アンセムを代表する1曲だ。猛烈にゴスペル調なフィーリングが特徴的で、Tuckerが同ジャンルをさらなる高みへと誘った1枚だ。彼女のヴォーカルは既に神格化されているが、「Beautiul People」を聴けばそれも納得だろう。伝説の二人組が参加しているが、同曲の主役はもちろん彼女の意気揚々としたヴォーカルだ。エモーショナルなエネルギー全開で、彼女は「いつになったお互い傷つけるのをやめて、愛し合えるようになるの?」と語りかける。

ADEVA
I THANK YOU

ニュージャージーのパターソン出身であるAdevaは、88年のデビュー・アルバム『Adeva』を皮切りに、80年代後半と90年代前半で最も尊敬されるヴォーカリストの一人として名を馳せた。世界中で大ヒットを記録したダンス・チューンを多数抱える中、アルバム・カット「I Thank You」は、友情や先導に捧げる優しいポエムだ。耳にしたら笑顔にならずにはいられないだろう。

UNDERGROUND RESISTANCE
LIVING FOR THE NIGHT (FEAT. YOLANDA)

Underground Resistanceが稀代のテクノ集団に変遷する前、同グループは一時期、グランジ風で最先端なエレクトロニック・サウンドの追求を一休みし、シングル「Living For The Night」のためYolanda Raynoldsにアプローチした。空間系のパーカッションと壮大なピアノ・リフ、そしてデトロイト的なエッジを与えるために僅かにアシッドの香りを漂わせた完璧にグルーヴィなサマー・チューンだ。

JOMANDA
GOT A LOVE FOR YOU (HURLEYS CLUB EXTENDED MIX)

Jomandaの1991年作のクロスオーバー・ハウス「Got a Love for You」は当時最もヒットしたコマーシャルなハウスの1曲だ。セクシーで病みつきになるシンセ系のホーンが奏でるリフが潜在意識に浸透し、Steve ‘Silk’ Hurleyによるどこまでも心地よいリミックスがあらゆる意味でディーヴァ・ハウスの王道を確立した。

MASTERS AT WORK
TO BE IN LOVE (FEAT. INDIA)

Louie VegaとKenny Dopeによる画期的なプロジェクト、Masters At Work (MAW)が、自身たちによるニュージャージーのハウス・レーベル、MAW Recordsより1997年にリリースした「To Be In Love」。ヴォーカルに起用されたIndiaは、そのたぐいまれなるハートを揺さぶり足元をそわそわさせる能力を発揮し、その後のデュオにとってのナンバーワン・ヴォーカリストになった。

D’BORA
GOING ROUND

D’Boraは、80年代の初頭にブロンクスで活動した無名のオール女性ヒップホップ・クルー、Mecedes Ladiesのメンバーとしてキャリアをスタートしたハウスのシンガーだ。彼女たちが女性MCの先駆者として後発のために道を切り開いたという称賛の声もあったが、メインストリームで注目されることは一度もなかった。その後ソロに転向したD’Boraは1991年にリリースした「Dream About You」でブレイクを果たし、熱心なハウス・ミュージック・シーンのファンたちに認知されるようになった。その後、2枚目のヒット作である「Going Round」を1995年にリリース。ディーヴァ・ハウスのエネルギーとアティテュードが詰め込まれた、グルーヴ強めの1曲だ。

ROBERT OWENS
I’LL BE YOUR FRIEND (GLAMOROUS MIX)

シカゴ・ハウス黄金時代の重要人物の一人、Robert Owensは、1991年にNervous Recordsからシングル「I’ll Be Your Friend」をリリースした。また、同氏はRon WilsonやLarry Heard(aka Mr. Fingers)と共にFingers Incというグループを結成。彼のヴォーカルはFrankie Knuckles、Mosca、David Morales、Coldcut、Photekなど多くのアーティストによる人気トラックに登場する。

前編10本はいかがだっただろうか? 後編10本はこちらから!

 

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