svgs_arrow-01-l svgs_close svgs_heart svgs_menu svgs_play svgs_stop svgs_arrow-02-b svgs_facebook svgs_instagram svgs_line svgs_search svgs_soundcloud svgs_twitter favorite player svgs_arrow-03-r svgs_setting svgs_slide-menu-bottom svgs_arrow-01-b more gift location recommended star clear

FEATURES

「もう何千ユーロも失った」: コロナ・ウィルスが音楽産業に与える影響

COVID-19発生の余波について、DJ、プロモーター、フェスティバル、クラブ等に話をきいた

Mixmag Japan | 16 March 2020

COVID-19あるいはコロナウィルスに対する懸念と、予防対策の一環として、世界中で著名なイベントやフェスティバルがキャンセルを発表している。

中国、シンガポール、ベトナムにおいては、”Sónar Hong Kong”と”Unknwn Fiesta”が開催予定を延期し、地元のプロモーターたちはDEBONAIRやJohn Talabotなどの公演をキャンセルせざるを得なくなった。

アメリカのオーガナイザーたちもこの流れに続いている。マイアミの”Ultra Music Festival”とオースティンの”SXSW”は共に中止され、”Coachella”は10月に延期となった。ヨーロッパでは、”Tallinn Music Week”が8月まで延期され、KölschやCharlotte de Witteをブッキングし3月14日から21日まで開催予定だった”Tomorrowland”の2020年冬エディションはキャンセルされた。イギリスのプロモーターBeat Hotelは、モロッコ政府が1,000人を超えるイベントの禁止を発表したことから”Marrakechフェスティバル”を延期した。フランスやスイスでも似たような規制がしかれ、イタリアでは全国的に外出が規制された。

「これまでに12個ものショーをキャンセルしたよ」と語るのは、ローマに拠点を置き、イタリア人アーティストを中心にマネジメントするエージェンシー3DのAndrea Angelini氏。

Angelini氏は、これまでに、いくつかのショーを今年の後半に延期できた。「この後どうなっていくか次第ですけどね」とAngelini氏は説明する。重要なのは、プロモーターやクラブ、ブッキング・エージェントなどが「共に乗り越える」ことだと続けた。

しかし、日々更新される情報ゆえ、適切に対応するのが不可能に近い状況もある。「数週間前から事態の悪化は予想されていましたが、こんなにも早く、大きな打撃を受けるとは思いませんでした」と語るのは、アーティストのブッキング・エージェントであるKeith Leaf氏。「今週以降のショーはほとんどキャンセルになると予測した方が良さそうです」。

巨大EDMフェスティバルから、4月20日まで全てのイベントを延期したベルリン・テクノの聖地Berghainまで、クラブ界のビッグネームたちが一様に苦戦している。しかし、このLeaf氏曰く「ドミノ効果」は、この苦境を乗り越えられないかもしれない小箱たちにも影を落とし始めている。「これらの小箱にとっては、アーティストたち同様、いくつかのショーがキャンセルになるだけで壊滅的なダメージとなりえます」とLeaf氏は続ける。

この24時間で、Leaf氏は直接、今後10日以内に予定されていた7つのショーをキャンセルしたという。「がっかりは通り越してます。今は、とにかく出費が生じないようにして、生き延びることだけを考えています。いつ、元に戻るかはわからないのですから」。

音楽家たちにとっても、今回の騒ぎは大問題だ。週に3箇所飛び回るといった行動の健康へのリスクは言わずもがなだが、それ以前に、どの国に渡航してよくて、どの国が禁止されているか、ちゃんと目的地に到着できるのか、隔離される可能性はないのかなど、重要な情報を正確に把握できていない。

また、経済的な損失も問題も大きい。匿名希望のとあるDJは、複数の公演がキャンセルになったことで、既に数千ドル失っているという。同DJは、「音楽を生業にしている人にとっては、今の状況は過酷だと思う」と語った。

しかし、経済的な面を除けば、楽観的な声もある。「プロモーターたちは、しばらく全てが凍結した形になるけど、状況が変わればすぐにでも良い話が舞い込むだろうと口を揃えています」という。「ありきたりだけど、これを通してみんなで強くなるかもしれません」。

UKクラバーたちの中には、平常運転が続いているものもいる。「いつも通り、最高のヴァイブスだったよ」と語るのは、3月7日に250人規模のイベントを開催しチケットを完売させた、ブリストルを拠点に活動する匿名希望のDJ兼プロモーターだ。「これまでで最高のパーティーだったし、コロナウィルスのことを話している人も見かけなかった」と語る。

リヴァプールのクラブ24 Kitchen Streetのオーナー、Ioan Roberts氏も同意する。「先週末はパンパンでした」としつつ、人々の態度に変化は見えてきているという。「チケットを買う前に、躊躇するようにはなってると思います」と続ける。「一夜明ければ政府が禁止令を出す可能性もあるので、不確定要素は多いですよね」。

Roberts氏によると、一定期間クラブを閉店する事態になったら、スタッフやオーナー、企画担当などに給与を支給できなくなるという。このようなことが全土のクラブで発生すれば、低所得者層が一番大きな打撃を受けるは明確だ。「うちでは、3ヶ月以上の閉店に追い込まれたら、給与の支払いを止めざるを得ないと説明しました」と続ける。「もちろん、それは最悪の場合ですが」。

この状況は、24 Kitchen Streetに限られたものではない。「イングランド公衆衛生サービスの勧告と、現場におけるリスクアセスメントの結果、クラブの周囲にはいくつもの予防的措置が施されました」と語るのは、ロンドンのクラブPrintworksの広報担当だ。

その措置とは、ステージ上の掲示物を活用した手洗い等の啓蒙、追加の除菌・洗浄手段や体調不良者が発生した場合の医療計画など。

UKのフェステイバル・シーズンについては、まだ時期尚早であり、どのように影響されるかは不透明だ。UKでは、アメリカよりも少し遅く、6月末の”Glastonbury Festival”でフェスティバル・シーズンがキックオフされる。このちょっとの時間差が、不幸中の幸いではある状況だ。

一方、ヨーロッパ最大のダンス地帯であるイビザの現状について、「ショーの火を絶やすわけにはいかない」の号令のもと、「フラッグシップ級のイベント各種については、予定通りの準備が進められています」と語るのは、5月20日から22日まで開催予定の”国際音楽サミット”の共同設立者、Ben Turner氏だ。

BBCによると、イビザはその経済の約半分を観光業に依存している。そのような島でイベントが禁止されたら、どのような事態が待ち受けているだろうか?

「今のところ国際音楽サミットをキャンセルする予定はありません」とTurner氏は続ける。「しかし、スペイン政府が大規模集会を禁止した場合は、その決定に従わざるを得ません。もちろん、観光と大規模イベントで賄われているような島ですから、そのような決定の余波は凄まじいものがありますから、あくまでも最後の手段として行使してもらえるように期待しています」。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でMixmag Japanをフォローしよう!