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エイドリアン・シャーウッド 【インタビュー】 「バンドとの生演奏における俺の作業は、サウンドの“翻訳”に近いと思う」

UKダブのゴッドファーザーに聞く、ダブの神髄

Mixmag Japan | 21 November 2019

エイドリアン・シャーウッド, ADRIAN SHERWOOD, エイドリアン・シャーウッド 来日, mixmag

ついに来日公演を明日に控えたダブ界のゴッドファーザー、Adrian Sherwood(エイドリアン・シャーウッド)。今回のライブは盟友Lee Perryとの名盤『Time Boom X De Devil Dead』~『Heavy Rain』、さらには伝説のスタジオ〈Upsetter Productions〉・〈Black Ark〉のアーカイブにまで潜り込み、ライブ・ダブ・ミックスを披露する。日本のレゲエ/ダブシーンを牽引してきたAUDIO ACTIVE、DRY&HEAVYのメンバーを中心とし、今回のために集結したスペシャルバンド “ROOTS OF BEAT” の出演も決定した。いわば、パイオニアたちによるダブの集大成だ。バンドサウンドとの生セッション、そして自らがプロデュースした音源の再構築が三部構成によって繰り広げられる。

Mixmag Japanでは神業ダブ公演に先だって、直前インタビューを行った。彼のキャリアを振り返りつつ、ダブの神髄に迫る。


– 改めて、あなたがレゲェからダブに移行した経緯についてお伺いしたいです。10代の頃はレゲェミュージックのディストリビューターだったそうですね。

Adrian Sherwood(以下、A): ダブと言っても色々あるんだけど、俺が黎明期のときに関わっていたのは“ミニマル・ダブ”というジャンルだ。最初のダブレコードは1973年か74年だったと思う。それまでのレゲェ盤はA面もB面も曲が入ってたんだけど、当時のB面がね…、本当にひどかったんだよ。ほとんどカラオケみたいな内容だった。“もう少しどうにかならないだろうか?”と思って作ったのがインストの曲で、それがダブの原型になってる。その時が確か19歳ぐらいだったかな。

エイドリアン・シャーウッド, ADRIAN SHERWOOD, エイドリアン・シャーウッド 来日, mixmag

‐ では盤の流通と音楽のプロデュースをほとんど同時期に行っていたんですね。ご自身名義のアルバムが初めて出るのが2000年代に入ってからですが、プロデュースを始めてから実に30年近く経っています。なぜそのタイミングでソロ名義のアルバムをリリースしたのでしょうか?

A: 俺はミュージシャンでなくプロデューサーだったんだけど、その頃は俺自身がライブに呼ばれる機会もかなり多くなってたんだ。裏方としてだけじゃなくて、ステージに立つ時に自分の名前を売る必要があった。当時でいう“プロデューサー”って、誰か他のアーティストありきの存在だったんだよ。たとえば今のEDMのプロデューサーはステージでパフォーマンスする人と、曲を書く人が一致しているだろう? 俺の時代はそうではなかったんだ。確かに自分名義のファーストアルバム(『Never Trust A Hippy』)を出したのは比較的最近の話だけど、今思うと時代に迫られたものだったのかもしれない。それと、EDMのようなエレクトロニック・ミュージック系のアーティストと大きく異なる点がひとつある。俺は楽器を生で演奏することに強いこだわりがあるんだ。それに関しては昔から一貫してるね。たとえば俺がプロデュースしたLee Perryのアルバム『From My Secret Laboratory』(1990年)は、全編ライブサウンドで構築されているよ。

‐ 僕も大好きなアルバムです。タイトなドラムが生演奏ならではですね。

A: うん、リズム隊は特に素晴らしいな。プログラミングされた音楽よりもミュージシャンシップが如実に出るから、基本的にバンドサウンドが好きなんだよね。生演奏っていう選択肢が与えられたら、今でも迷わずそちらを選ぶよ。

‐ EDMに限らず、他のジャンルのDJと比べても考え方が違いそうですね。確かにあなたのミックスCD『On-U Sound Crash』や『Tackhead Sound Crash』は、DJの方法論で紡ぐオーソドックスなミックスではないように思います。

A: あれもほとんどライブサウンドだからね。確かにDJ的な繋ぎは意識していないかもしれない。自分も演奏しているような感覚だ。特にTackheadの場合は3人の凄腕ミュージシャンに支えられているよ。ダグ・ウィンブッシュ(Ba.)にキース・ルブラン(Dr.)、そしてスキップ・マクドナルド(Gt.)…。たまにキースがドラムマシーンを使ってるんだけど、それもファンタスティックだ。すべて完璧だよ。今聞いても素晴らしいと思う。

‐ あなたと日本の関わりについてもお聞かせください。あなたと深い関係にある日本のアーティストがたくさんいます。たとえば1994年にAudio Activeのシングル「Free The Marijuana」をあなたがプロデュースしたことは有名な話ですが、そこに至るきっかけは何だったのでしょうか?

A: 当時のBeatinkの社長と仲が良くて実現したプロジェクトなんだ。彼は日本のインディーシーンに多大な貢献をした人物だと思うよ。彼にAudio Activeを紹介されたのが始まりさ。多分、彼らがインターナショナルに活躍した最初のダブバンドだったんじゃないかな。ニュージーランドやアメリカ、俺も一緒に世界中を回ったよ。グラストンベリーにも出たしね。どれもすごくいい思い出として残ってる。日本風のサイケデリックさもあったりして、本当にオリジナルなバンドだよ。今もヨーロッパでは彼らをリスペクトする声が絶えないぐらいさ。

‐ 日本では局地的にダブに回帰する動きも見受けられます。たとえば井出靖氏を中心としたレジェンドプロジェクト「THE MILLION IMAGE ORCHESTRA」は、はっきりダブを銘打って活動をしているんです。

A: どの音楽にもサイクルが必ずあるから、時を経て再び盛り上がることは往々にしてあるよ。あるいは他のジャンルに紛れ込む場合もあるよね。ダブの影響を受けたエレクトロ、ダブを模倣したテクノもあり得るだろう。最近は特にその傾向を感じる。俺から見ると、日本は元々そういうエクレクティックな物作りが得意だと思う。どこからかアイデアを引っ張ってきて、自分たちのものにしちゃうような。

‐ 仰るように、今は世界的にもそういう流れがありますよね。ジャンルを超えて、自由に音楽を制作するというか。あなたはダブステップのアーティスト・Pinchと一緒にアルバムを2枚作ってますけども、そういう流れの中にあるような印象を受けました。特に『Man Vs. Sofa』は過小評価されていると思います。

A: 俺もそう思うよ(笑)。でもダブステップ側から見るとダブステップさが足りないって言われて、ダブ側の人たちにはダブっぽさが足りないって言われたんだ。人を選ぶだろうけど、俺としては満足してる。俺はストレートなレゲェも、ストレートなダブステップも作りたくないんだ。今までに英国フォークもインダストリアルも通ってきたし、パンクも聴いてきた。それらをごちゃ混ぜにして面白いものを作りたいんだよね。嬉しいことに、ロンドンのラフ・トレードには「On-U」(エイドリアン・シャーウッド主宰のレーベル)っていうセクションがあるんだよ。ジャンルの区分がされずに、自分たちが作ったレコードが並んでる。それが俺は大好きでね。その中には、さっき君が言ってくれたTackheadなんかも含まれてるんだ。昔から“生粋のレゲェファン”の中には俺を気に入らない人もいるんだけど、全然気にしてないよ。音楽とはオープンマインドに向き合いたいんだ。

‐ まさしくあなたのライブ性を体現する話かと思いました。ミックスにしてもただ曲をかけるだけでなく、アナログのミキサーを使って再現性のないパフォーマンスを展開してゆく。自由度で言えばさながらジャズですね。

A: まさしくその通りだよ。明日のライブも自分のセット以外は何も分からない(笑)。何せ彼らとは練習してないからね。バンドがどういうアプローチで来るのか全くの未知数だ。彼らがやろうとしていることをしっかり聴いて、理解するのみだよ。バンドと共演する上での俺の役割は、“サウンドを翻訳する”ことだと思ってるんだよね。そこはプロデューサーとして長年培ってきた勘が活きていると思う。

‐ あなたの生ミックスも大変楽しみですが、バンドとの共演への期待値がぐんぐん上がっております。最後にライブ後の予定をお伺いできればと思います。

A: 実は先月もPinchと曲を作っててね。少しずつプロジェクトを進めてて、ブラッシュアップを重ねている段階だよ。それから、そろそろ自分のレコードも作りたいと思ってる。ここのところずっと共作続きだったから、色んなエッセンスを吸収した今こそ面白いものが作れそうな気がするんだ。


Interview_Yuki Kawasaki
Interpret_Miho Haraguchi

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■ -Time Boom X The Upsetter Dub Sessions- ADRIAN SHERWOOD
11月22日(金)at WWW X
<イベント詳細>
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10536

 

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