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Amps 【インタビュー】 「今のミニマル/ディープテックが一番しっくり来てる」

いかにして、群馬のローカルヒーローはUKの最前線に至ったのか?

Mixmag Japan | 1 December 2021

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群馬在住のDJ/プロデューサーのAmpsが、来る12月3日(金)に渋谷のSOUND MUSEUM VISIONで開催される人気パーティ「EDGE HOUSE」に登場する。トリップホップやドラムンベース、ダブステップといったUKクラブミュージックをルーツとし2009年にDJを開始して以降、国内のベースミュージックシーンと親交を深めつつ、Addison GrooveやDenham Audioの国内ツアーを成功させてきた。

現在は〈Solid Grooves〉を彷彿させるミニマル/ディープテックを武器に、国内外のトレンドセッターやプロデューサーに熱視線を向けられている。今年の10月には、ついに御大・Skreamにまで辿り着いた。

Skreamに曰く、「俺のセットではほぼ毎回この曲をプレイしている」らしい。VISIONには昨年1月にSolid Groovesの主宰・Michael Bibiが出演しているが、Ampsは彼らが鳴らしているサウンドを限りなくリアルタイムで実現している。

いかにして、群馬のローカルヒーローはUKの最前線に至ったのか? 本稿では、彼のルーツを紐解きながらその足跡を辿る。


― Ampsさんの元々のルーツはハウスミュージックではなく、トリップホップやベースミュージックだとお聞きしました。まずはそこからお伺いしたいです。

Amps: きっかけはゲームミュージックだったんですよ。友達とゲーセンに行ったら、そいつが「ビートマニア」をやってて。僕はプレイしなかったんですけど、音楽には惹かれてたんです。で、うちに帰ってから調べてみると回りまわってThe Prodigyにたどり着いた。そこからGoldieとかRoni Size、4 Heroに行って、本格的にドラムンベースにのめり込みました。そのあとにトリップホップですね。ダンスミュージックの歴史をさかのぼるような聴き方をしてました。

BandcamopにアップされているAmpsさんの曲を聴いていると、UK Jazzも通ってるのかなと感じるのですが、実際そちらからの影響はありますか?

Amps: それは多分親父からの影響もあると思いますね。Goldieの『Timeless』とか4 Heroの『Two Pages』を聴いてるときからジャジーなサウンドは好きだったんですけど、親父からAORを教えてもらったのも大きいです。親父はダンスミュージックとかはあまり聴かないんですけど、ボズ・スキャッグスやドナルド・フェイゲンのレコードは結構持ってたんです。で、彼らの音楽にも『Timeless』や『Two Pages』のテイストと近いものを感じて、そこから引っ張ってきたアイデアもありますね。ホーンセクションやピアノの使い方はAORからの影響だと思います。

― ダブステップへはどのように近づいて行ったのでしょう?

Amps: 高校2年ぐらいの時だったと思うんですけど、Burialの『Untrue』が出たんですよ。当時このアルバムに書かれていたキャプションが「21世紀からのトリップホップへの回答」で(笑)。聴いてみたらめっちゃカッコよかった。その流れでダブステップに興味を持って、全然知らないアーティストで構成された3枚組のコンピアルバムに手を出してました。ダブステップとグライムとベースライン・ハウスが入った3枚組。そのコンピにはGOTH-TRADの「Back To Chill」も入ってました。もちろんその時にSkreamとかも聴いてて、それが高校生~大学1年の時期ですね。

― そこから曲作りへ?

Amps: いや、まだ先ですね。僕はDJから入りました。ただDJ機材とかはまだ自前で持ってなくて、ひたすらPCでミックスを作ってたんです。で、それをニコニコ動画にアップするっていう(笑)。ブレイクスやサイケにジャズ、ガバまで上げてましたね。とにかくジャンルの見境なくミックスを作り続けてました。…今確認したら「サイケデリック・ゴアトランスミックス」ってヤツは13.9万回も再生されてるみたいです(笑)。で、その後ちゃんとDJやりたいなって思うようになって、大学2年の頃にDJサークルに入るんですよ。ただ、そのサークルはダブステップやドラムンベースをやってなかった…!サークルのメンバーに「俺らエレクトロだから」って言われて。正直そのころの僕はエレクトロにまったく興味がなかったんですけど、DJはやりたいからエレクトロも聴くようになるんです。そしてMoonbugさんのマッシュアップ「StarrySky YEAH! Remix」を見つけました。

― そのマッシュアップは私も通算で200回ぐらい聴いてますね(笑)。

Amps: やっぱりそうですよね(笑)。それがエレクトロの入口で、実際にDJもやるようになるんですが、ニコ動にミックスをアップし続けてたこともあって、DJの基本的な所作はほぼ仕上がってました。そこから段々DJをやるだけじゃ物足りなくなって、Moonbugさんみたいにマッシュアップを作ってみようと考えたんです。それがきっかけでGarageBandをいじるようになって、曲作りの始まりの始まりみたいなのはそこですね。

― ハウスに移行するまで結構な時間を経てきたんですね。

Amps: そうなんです。社会人になってからですもん。高崎の大学だったんですが、そこを卒業してからも僕は群馬に残って、趣味程度にDJも続けてました。WOALってクラブがあるんですけど、主にそこのイベントへ出続けてました。ただ、そこではもうエレクトロが全然刺さらないんですよ。お客さんの大半が「Body & SOUL」とか「パラダイス・ガレージ」のバイブスを求めていて、必然的にハウスやディスコでDJをやるようになりました。もちろん、それはそれで楽しかったんです。僕自身もハウスは好きですし、Underground Resistanceも好んで聴いてました。ただ、やっぱり自分のルーツに立ち返りたいと思う瞬間はあるんですよ。それに、趣味でやってるんだし、好きなことやらないのは変だよなって感じるようにもなって、ダブステップにもう1回フォーカスするんです。そのときにScubaやPinchがダブステップの雰囲気を引き継ぎつつ4つ打ちをやってたんですよ。ダブステップに行こうと思ったら、ダブステップの人たちがハウスっぽいことをやってた(笑)。それで完成したのが、〈TREKKIE TRAX〉からリリースした『Bleak Vibe』(2014年)です。

Amps: この頃の僕は「ダークで硬い音を鳴らすヤツ」って解釈されてたと思います。メインストリームではSkrillexとかがゴリゴリにブロステップをやってた時期でしたし。

― 段々と今のミニマル/ディープテックへの道筋が見えてきた気がします。

Amps: でもこのあとジュークに行くんですよ(笑)。これはTREKKIE TRAXの影響も大きくて、SeimeiとTaimei(Carpainter)がジュークに傾倒し始めるんです。2015年にフィンランドの〈Top Billin〉からTREKKIEに関わりのあるプロデューサーが集まってコンピアルバムをリリースするんですけど、それに僕も呼んでもらったんです。このときは実際に僕もジュークにハマってました。というのも、Goldieや4 Heroを初めて聴いたときの感動がこのジャンルにはあったんですね。アーメンブレイクが入ってて、ネタはジャズが多くて…っていう。そしてそのタイミングでなぜか僕の曲が「THUMP」に取り上げられて、図らずもAmpsのイメージが「ジュークの人」になるんです(笑)。

― ハウスから遠ざかってしまったわけですか。

Amps: そうなんですよ(笑)。で、ハウスに戻ってきたのは2016年4月に開催されたasiaの20周年パーティですね。この頃の僕は2番手か3番手、あるいはスタートを任されることが多かったんです。スタートの場合はダークな感じで組み立てて、3番手ぐらいの場合はピーク前にジュークで盛り上げるって感じの。asia20周年では2階のフロアに出演したんですけど、この時はいつもと違ったんですよ。スタートでも3番手でもなく、クローズを任された。その役割は大概andrewが担ってたんですが、その日の彼は別のイベントに出るというので来られなかったんです。で、僕が抜擢された。でもクローズでジュークやるのも何だかなぁってことで、高崎のWOALで培ったハウスミュージック観をここで使おうと。…そうしたらめっちゃウケたんですね(笑)。

― 「Set Me Free」をリリースする時期ですね!

Amps: まさに。それ以降TREKKIEのイベントに出るときはクローズになりましたね。そこからしばらくディスコライクなDJをやるようになるんですけど、それ以降は年の離れたオーガナイザーやプロデューサーにも知ってもらえるようになってきたんです。Disc Shop Zeroの飯島さんと繋がったのもこの時期で、それがきっかけでDJ DieやAddison Grooveの高崎公演をやらせてもらえるようになったんです。Addison Grooveに関しては全国ツアーも組ませてもらえましたし。

Amps: DJとしてだけじゃなくて、イベントのオーガナイザーとしても買ってもらえるようになったんです。おかげでこれまでにたくさんDJを高崎に呼ぶことができました。それこそTREKKIE TRAXもそうだし、HyperJuiceやSekitova、Licaxxxにも来てもらいました。それから、okadadaやDJ WILDPARTY、YOSA&TAARも。ジャンルはバラバラですけど、その経験も確実に今に活きてますね。

― SkreamがAmpsさんのブートレグをDJでかけまくってると言っていましたが、お話を伺っているとお二人は限りなく似た道のりを辿っているのではという気がしてきました。様々な音楽ジャンルを乗りこなしながら、常にオルタナティブなポジションにいるという意味で。SkreamがAmpsさんのキャリアまで把握しているかはさておき、本質的に似たバイブスを感じたのではないでしょうか。

Amps: そうだと嬉しいですねー。プロデューサーとしては今のミニマル/ディープテックが一番心地良いですよ。これまでに今ほど「行く着く先はここだった」と思えたことはないですね。ミニマルでありながら集大成でもあると感じているんです。PAWSAの変名プロジェクト“TREASURE SERIES”の曲が顕著なんですけど、もう何でもアリなんですよね。「FIND ‘EM ALL」ではThe White Stripesの「Seven Nation Army」を使い、「GET IT POPPIN’」ではエミネムネタを丸々使ってドロップに持っていくっていう。

Amps: めっちゃシンプルな話で、これで成立するんだったら音楽を聴いていれば聴いているほどアイデアとして作品に落とせるわけじゃないですか。だから、僕が今まで辿ってきたジャンル的な紆余曲折がとても活きていると思うんです。レイヴィーなジュークも、ディスコライクなハウスも、ネタを拾い上げるのがすごく楽。今まではある程度の構成が見えてこないと曲にできなかったんですけど、このジャンルはネタが見つかった瞬間に曲ができるんです。この面白さが自分の中でめちゃしっくり来てて。

― 極端な話、自分がオープンマインドに音楽を吸収できれば楽曲を作れると。

Amps: 本当にそう!DJやダンスミュージックの歴史を考えると、プリミティブな気がしますし。トランスだって使いようによっては曲ができちゃうし、「Seven Nation Army」が良い例ですけど、ロックだって当然できちゃう。DJ的な音楽ジャンルという意味では、ミニマル/ディープテックはマジで面白い。本当に極論ですけど、そのへんの雑踏とかでもネタとして成立するんじゃないかって思いますもん(笑)。

― いやでもロジックとしては本当に成立しちゃいそうですよね(笑)。そのプリミティブな面白さがEDGE HOUSEで伝われば良いなと思います。最後に、Ampsさんがイベント当日に楽しみにしていることを教えてください。

Amps: コロナ禍以降、実は現場でDJをするのが初なので個人的にも本当に楽しみにしています。曲のストックも山ほどあって、何をかけようかまだ迷ってます(笑)。当日は僕と同じGAIAフロアに出演するYuta YamadaさんもミニマルなバイブスのDJなので、併せて聴いていただけるとより楽しめるかと思います。ひとくちに「ミニマル」と言ってもかなり多様性があるので、彼と僕とでも全然違う解釈ができるのではないでしょうか。Michael Bibi以降、日本でこのジャンルのイベントを大々的に開催するのは2回目ですし、国内アクトだけでやるのは初めてです。その新しさ、面白さをぜひ体感してもらいたいですね。


Interview_Yuki Kawasaki

■ EDGE HOUSE
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<イベント詳細>
https://vision-tokyo.com/event/edge-house-16-2

 

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