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FEATURES

Ata「良い音楽を聴くための環境を絶対にキープすること」 なぜ“Robert Johnson”はここまで賞賛されるのか。

今、ドイツで最もアツいハコについて。

Mixmag Japan | 17 January 2019

Ata, Ata Robert Johnson, Ata 来日, mixmag

Ataという名を聞いて、まず何を思い浮かべるだろうか。Ricardo Villalobosにハウスミュージックを伝授したハウス界の重鎮であり、世界中のDJがプレイしたいと願うトップクラブRobert Johnsonのオーナー、そして老舗レーベル<playhouse>主宰の1人でもある。しかし、これらは彼の功績のたった一部であり、誰でも知り得るバイオグラフィー上の情報である。現代のアンダーグラウンドシーンにおいて多大なる影響を与え続けてきたAthanassios MaciasことAtaという人物が何より大切にしてきたものは、生まれ育った街フランクフルトであり、そこで創り上げてきた小さくて濃厚なローカルカルチャーである。いま、世界がその魅力に引き寄せられている。想像と妄想と憧れによって生まれた先行イメージが飛び交うRobert Johnsonの真のストーリーとともにこのインタビューをお届けする。

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– まずは、Robert Johnsonについて聞きたいのですが、始めたきっかけはなんだったんでしょうか? すでに何回も聞かれているかと思いますが、日本のメディアではまだまだ知られていないことも多いと思うので、改めてこの場でお聞かせ下さい。

Ata:その答えはすごく簡単だよ。リビングルームみたいな居心地の良い自分のクラブを作りたかったんだ。最高のサウンドシステムと最小限のライトでね。

– 確か、Electronic Beats(ベルリン発クラブカルチャーマガジン)のインタビューではアートスペースみたいなクラブにしたかったと答えていますが。

Ata:うん、そうだね。でもそれは、ギャラリーのように絵を飾るといったことではなく、音楽を聴くためのオープンスペースって意味なんだ。厳選された良質なエレクトロニックミュージックを聴くための場所にしたかった。それがRobert Johnson(以下、RJ)なんだよ。

– RJはフランクフルト市内ではなく、少し離れたオッフェンバッハに位置しますが、あの場所にオープンさせたのはなぜですか?

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Ata:創設者の1人でもあるHeiner BlumはHfG(オッフェンバッハにある有名な芸術大学)の教授なんだけど、彼が“Ataが理想とするクラブが作れそうなビルがある”と教えてくれたんだ。それで、他の創設者たちと一緒に下見に行ったら、もうそこには良いフィーリングしかなかった。まず、広々したテラスからすぐ下を流れる川と遠くの街並みが一望出来るロケーションが素晴らしいと思ったよ。日の出を見ながら良い音楽が聴ける空間なんて最高だと思わないか?

– 確かにそうですね。メインフロアーが地下だったり、外が見えない閉鎖的なクラブも多いですが、RJはメインフロアーが上階にあって、窓から外の景色も見れてとても開放的ですよね?

Ata:そう、自分にとってそれが一番重要だったんだ。過去に何度も地下のクラブでパーティーをやったり、DJをやってきたけど、自分が理想とするクラブにはサンライズが必要だと思ったんだ。だからRJは地下ではなく階段を上がった先にメインフロアーを作って、パーティーがピークに達した時に太陽が昇ってきて、ブース裏の窓から朝日が差し込んでくる最高のシチュエーションを用意することが出来たんだ。

Robert Johnsonの外観。

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Robert Johnsonでのパーティーの様子。

– そういった素晴らしい空間への賞賛もよく耳にしますが、世界中のアーティストやクラバーたちからこれほどまでに絶賛される一番の理由はなんだと思いますか?

Ata:全てのクオリティーを絶対崩さないようにキープしていることかな。ラインナップとかサウンドシステムとかそういうことだけではなく、まずクオリティーを保つためにはあの規模であることが大切なんだ。もし、大箱にしてしまったらその分大音量にしないといけなくなるし、それは絶対にしたくない。本当に良質なエレクトロニックミュージックを聴くには300人キャパで、それに合わせた最高品質のサウンドシステムと必要最低限のライト、居心地の良い空間、これに限るよね。日本人が伝統を大事にして守っているのと同じだよ。音楽を聴くための最高の環境を絶対に崩さないようにしているだけ。

– キャパは300人なんですね。もっと多いかと思ってました。

Ata:今日(取材当日の12月14日)はRicardoとRareshによるスペシャルパーティーでフロアーがパンパンになっちゃうから普段は開けてないラウンジも開放して600人入れるようにしてるけど、普段は300人だよ。フロアーがギュウギュウにならないそれぐらいの人数がちょうど良いよね。

– 全てのバランスが考えられてるんですね。客層もオシャレで大人な雰囲気の人が多い印象を受けたんですが、ドアポシリーを設けてるんですか?

Ata:そんなのないよ(笑)人種も年齢(未成年は除く)も関係なく、全ての人を歓迎してるよ。だからオープンスペースなんだ。プレイするアーティストももちろん大事な友人で素晴らしいアーティストばかりだけど、お客さんに対しても誰でもウェルカムな体制を取ってるよ。常にオープンマインドでいることも大切だと思ってるからね。金曜日と土曜日とでは全く違うテイストのパーティーを開催しているから、客層の幅はかなり広いよ。例えば、今日だとやっぱりRicardo Villalobosのファンが多くなるし、若手DJのパーティーは客層も若くてフレッシュな雰囲気になる。SuperpitcherとかキャリアDJになってくるとやっぱり年齢層も高くなるよね(笑)RJではゲイパーティーもやってるんだけど、すごく良い客層だよ。ひとつのシーンにフォーカスしてないからいろんなパーティーがあって、いろんな人が来るし、ファッションとか人種ではなく、一番大事なのは良い音楽を聴いて踊りたいっていうソウルだからね。お客さんもそれを分かってる人が多いから雰囲気が良いんじゃないかな?

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– フランクフルトのシーンについて聞きたいんですが、ローカルカルチャーを作り上げてきた中心人物としてこの街のシーンをどう思いますか?

Ata:フランクフルトは大きな街じゃないのに物価が高い。それはバンクシティーだから仕方のないことだけど。でも不思議なことに昔からダンスミュージックのアーティストが多い街なんだよね。“The power”で有名なSnap!もここ出身だし、最近で言うなら同名のレコードショップもあるレーベルGOSUとか若手の良いプロデューサーやアーティストがいるよ。音楽だけに限らず、アートも面白いよ。シュテーデル美術大学とか有名な大学もあって才能あるアーティストが多いんだ。小さな街なのになぜか良いものが凝縮していて、それを世界にアウトプット出来ていることがこの街のおもしろさだね。フランクフルトはすごくパワーがあって、成功できる要素がいろいろ詰まってると思う。それでいて、みんな仲間意識が強いから、ローカルのアーティストやクリエイター同士が繋がりやすいし、面白いコミュニティーも出来やすいよね。

– 同じドイツでもベルリンとは全然違うシーンがあるんですね。

Ata:ベルリンは大都市だからシーンも大きいし、フランクフルトみたいなローカル同士の小さなコミュニティーとかないんじゃないかな。あと、とにかくパーティーの数がすごいよね。“今週はどこに行くの?” “ゲスト持ってる?” “行きたいパーティーが重なっててどっちに行くか決められない!” こういった毎週末のやり取りだけでもストレスになっちゃいそうだよ(笑)その点、ここは金曜日のパーティーは2つのみ、以上! だから迷うこともないし、行けば誰かと知り合えて、またそこでコミュニティーが生まれるし、フランクフルトはファミリーな街だね。

– ベルリンは確かに商業的だったり、逆に個人主義に感じることも多いです。ローカル同士の密なコミュニティーってすごく良いですね。ここ(amp)のスタッフの皆さんもみんなすごくフレンドリーで居心地良いです。

Ata:ampは2年前にオープンしたばかりで、普段は普通のバーなんだけど、金や土はたまにパーティーをやってるんだ。そういう時はスモールクラブに変身するよ。

ampの店内

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ampパーティー時の様子

– 普通のバーと言いながらRJと同じMartin Audioが導入されていてすごく良い音ですよね。空間デザインやインテリアもすごくステキですが、誰のデザインですか?

Ata:このテーブルとバーのチェアは自分で作ったよ。

– え!!自分で??

Ata:そう、自分で。このテーブルは全部違う素材を組み合わせて作ってるんだ。バーのハイチェアは全部サイズが違うんだよ。人はそれぞれ身長や体型が違うから座る人や用途によって使い分けれるようにしたんだ。

Ataデザインによるテーブル&ハイチェアが並ぶamp店内

– 多才過ぎますね。。Freunde von Freunden(ベルリン発カルチャーマガジン)のインタビューに掲載されていたご自宅やオフィスもとてもスタイリッシュでした。ファッションはどうですか?好きなブランドとかありますか?

Ata: 建築が好きだからインテリアにはずっと興味があるけど、ファッションはもう興味ないかな。今日は上下ユニクロだしね(笑)でも、シンプルなデザインで着心地も良いからすごく気に入ってるよ。昔はヨージ・ヤマモトやマルタン・マルジェラとか、それはもうハイブランドばかり持っていて、今もまだ家にあるけど一切買うのをやめたんだ。シンプルが一番だと思ってるよ。音楽に関してもそうだよね。今はハウスミュージックひとつ取っても、ミニマルやディープだけでなく、アコースティックやエピックとか数え切れないほど種類があって収拾つかなくなっちゃってるなとは思うよ。

– 確かにコマーシャルなハウスミュージックも多いですよね。だからこそRJのような本当に良いアンダーグラウンドミュージックだけを発信する場所が必要だし、真の音楽好きが集まってくるんじゃないですかね。

Ata:ドイツだけに限らず、テクノやハウスのアンダーグラウンドシーンは世界的に変わらず盛り上がってることは良いことだよね。パリも面白いし、東京もシーンが戻ってきてると感じたよ。この前のVENTのパーティーはすごく良かったね。

– それを聞いてとても安心しました。今後もここフランクフルトから発信されるコアで面白いカルチャーに注目していきます。本日はありがとうございました!!

Ata, Ata Robert Johnson, Ata 来日, mixmag

次回はついにRobert Johnson内部に潜入!! 撮影禁止のパーティーの模様をmixmag独占でお届けします。


Interview & Text_Kana Miyazawa
Photo_Atsushi Harada
Coordination_Yoshihiro Horikawa、Kana Miyazawa
Special thanks_Sonoko Kamimura, amp crew
Location_amp

 

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