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ベルリンにテクノが舞い降りた30年前、すべてはそこから始まった

ベルリンの複合施設“FUNKHAUS”で開催されたテクノの祭典『S3kt0r UFO– 30 Jahre Techno』の模様をレポート!

Mixmag Japan | 29 September 2018

1988年、ベルリンの壁が崩壊される前の年、幻のクラブ”UFO”は誕生した。たった2年という短い営業年数の中でベルリンにおけるテクノシーンの基盤を作り上げ、忽然と姿を消した。”Tresor”へと引き継がれたテクノはこの街を支えるまでの文化資産へと成長を遂げた。ベルリンにテクノが誕生してから30年、その歴史を振り返るが如く『S3kt0r UFO– 30 Jahre Techno』が開催された。世界のレジェンドたちが一堂に集結した一夜限りの90’sテクノの祭典の模様をベルリンからお届けする。


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最もテクノを愛した街といえば、発祥の地であるデトロイトはもちろんのこと、そして、ベルリンだろう。テクノから愛された街とも言えるベルリンは、名門クラブ”Tresor”の前身に当たる”UFO”から派生したテクノパーティーによって次第に独自のシーンを確立していった。テクノ黎明期と言われる90年代には今は無き伝説のクラブがいくつもあり、今のシーンのルーツとなる究極にぶっ飛んだパーティーが多数存在していた。いつしか”テクノの街”と呼ばれるようになったベルリンのテクノカルチャーは、既知の通り世界的ムーブメントを巻き起こし、その勢いは今もなお止まるところを知らない。

そんな中、街の中心地からは少し離れた場所にある複合スタジオ施設”FUNKHAUS”のイベントスペースShedhalleを会場に『S3kt0r UFO– 30 Jahre Techno』 というタイトルのもと一夜限りのテクノの祭典が開催された。主な出演者は以下の通り、Acid Maria、Cassegrain、DJ Hell、DJ Rush、Electric Indigo、Gudrun Gut、Jennifer Cardini、Lakuti、Mathew Jonson、Mijk van Dijk、Milan W、Miss Kittin、Mor Elian、Nene H、Nina Kraviz、Radio Slave、Steffi、Tanith、Thomas Fehlmann、UR presents Depth Charge、Victor、Westbamなど、文句なしにテクノ界における重鎮ばかりである。

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会場となった”FUNKHAUS”は、お世辞にもアクセスがしやすいとは言えない場所に位置するが、住宅などない工場地帯のようなインダストリアルな雰囲気の方がテクノには合う。エントランス付近に座り込み、楽しそうに語らうグループの姿はまさにフェスティバルそのもので、遠くから聴こえてくる激しいビートとともに一気にパーティーモードへと切り替えさせてくれた。リストバンドを受け取りながら、スポットライトが光る中でインタビューを受けるMiss Kittinを横目で確認し、足早に中へと入った。まず、目の前に飛び込んできたのが、コンクリートスケルトンの巨大な空間で飛び交う幻想的なレーザーライトのインスタレーションだった。

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迷子になってしまいそうなほど広々した会場内を一通り散策した後、DJ Hellを聴きに上階フロアーへと向かった。ベルリン・テクノ30年の歴史を優に超える長いキャリアを持つDJ Hellは、ドイツだけでなく世界のテクノシーンに多大なる影響を与えてきた最重要人物といえる。彼のルーツでもある80’sニューウェーブを感じさせるオリジナリティー溢れるサウンドと、何十年経っても変わらないダンディーさとオーラに感服した。

発祥の地デトロイトからの刺客は、説明不要Underground ResistanceからMark FlashがMad Mike BanksとのユニットDepth Charge名義で登場した。真っ暗闇で“UR”の文字が光る中、本場デトロイトサウンドを見せつけた圧巻のプレイだった。

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30年以上のキャリアを誇るベテラン勢が多数いる中ではまだ“若手”と言えるNina Kravizは、彼女の得意とするヒプノティックなセットとは打って変わった高速BPMとハードさでフロアーを倒状させ、Shedhalle特有のコンクリートに反射する残響は凄まじいものがあった。そのままバトンを託されたMathew Jonsonのライブは一体どういった展開を見せてくれるのか非常に興味深かったが、オープニングこそハードだったものの徐々にいつものモダンなセットへと変わり、ディープな世界に陶酔したまま、あっという間に時間が過ぎていった。

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そう。同イベントではDJであっても、アーティスト1人の持ち時間が一時間しかないというベルリンではまずあり得ない設定なのだ。フェスであっても最低でも二時間はあるだろう。しかし、ワンナイトで総勢20組以上にも及ぶヘッドライナー級のアーティストを一気に見れるイベントも滅多にないことである。90年代へのリスペクトとともに普段とは違うプレイが見られたことも非常に貴重な体験となった。

『S3kt0r UFO– 30 Jahre Techno』とは、世界各地に散らばる新進気鋭のアーティストを支援する音楽学校として毎年開催されている”Red Bull Music Academy 2018”のプログラムのひとつとして行われた特別なイベントだったのだ。RBMAは今年で20周年を迎え、初回開催地であるベルリンへと戻ってきた。9月8日から10月12日までの期間”FUNKHAUS”内に特設エリアが設置され、アート展示やモダンなインテリアが導入され、いつもより華やかな雰囲気の中、コンサート、クラブイベント、カンファレンス、ワークショップなどが行なわれている。また、会場となっている同施設はソビエト連邦の支配下にあったドイツ民主共和国時代(以下、旧東ドイツ)のラジオ局であり、当時の内装や設備の多くがそのまま残された旧東ドイツを色濃く感じさせる場所でもある。

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元駐車場だったShedhalleのエントランス付近のフロアーには、90年代前半にミッテ地区に存在した伝説のクラブ“The Bunker”で行われていた名物ゲイパーティー“Snax Club”、ドイツ最大級の屋内レイブとして知られる“MAYDAY”がスタートした1991年、他にもUFO、Tresor、初期のAtonalなどといったベルリン・テクノの歴史を物語るポスターがズラリと展示されていた。その光景は当時の“秘密基地”であるクラブの地下を連想させ、スモーキーな会場の雰囲気も相俟って、何ともエモーショナルな気分にさせてくれた。当時のベルリンを知る由もない自分さえも一気に90年代へとタイムスリップしたのだ。

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激動の90年代がなければベルリンにテクノシーンは存在していないことだろう。来場者に多く見られた20代前半の若者たちまでも虜にする素晴らしいアンダーグラウンドカルチャーをこの地に根付かせてくれたことに感謝するとともに、もっともっと深く知りたいと思った。

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Text : Kana Miyazawa
Photo : Red Bull Content Pool, Yuka Sagai
Coordination : Katsuhiko Sagai

 

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