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FEATURES

ダンスミュージックの祭典『Body&SOUL』。その神髄を求めた20年を今一度(前編)

あの日失くした純粋な気持ちがここにある。

Mixmag Japan | 27 April 2018

Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

1996年に、フランソワ・K、ジョー・クラウゼル、ダニー・クリヴィットの3人によってニューヨークで産声を上げた<Body&SOUL>。ここ日本でも2002年から開催され、毎回多くの伝説を残している。このパーティーの最大の特徴は、やはり「オルタナティブ」であることだ。トレンドに迎合することなく、自らのルーツやダンスミュージックの神髄を追い求める精神性。それこそが<Body&SOUL>の原動力であり、僕らオーディエンスが愛してやまない所以である。

多くのクラブやパーティーが時を経て形骸化してゆく中、なぜこのパーティーは20年以上も当初の純粋性を保っていられるのだろう。来たる6月3日(日)に<Body&SOUL Live in Japan>が開催される前に、今一度伝説的なダンスミュージックの祭典を秘蔵の写真とともに振り返る。

<Body&SOULのレジデントDJ。左からダニー・クリヴィット、フランソワ・K、ジョー・クラウゼル。

ニューヨークはトライベッカ、かの地にあった『VINYL』というクラブで<Body&SOUL>の第一回目が開催された。今でこそセレブの居住区として知られている同地だが、当時は発展の只中にある野心的な街であった。1970年代以前は工業地帯であり、倉庫以外は何もない場所。時代の変遷と共に廃墟と化す工場が現れ、寂びれた雰囲気が漂っていた。けれども、そこに居住する者たちが現れたのだ。お金のなかった若いアーティストの団体である。彼ら彼女らが廃墟の屋根裏に住みつくようになってから、トライベッカはみるみる活性化していった。その発芽は80年代にある。

<Body&SOUL>がこの街を選んだのは必然的であった。「セカンド・サマー・オブ・ラブ」を経た90年代後半、世間ではダンスミュージックがすっかり市民権を得ていた。レイブというカルチャーが商業化し、各地でダンスミュージック専門のフェスティバルが開かれる。1995年にはオランダで<Dance Valley>の第一回目が開催され、1998年にはイギリスで<Creamfields>が誕生した。ハウスやトランスが数千人~数万人を集められるようになっていたのである。

いつの時代にもそういう風潮にカウンターを返す人々は存在するもので、<Body&SOUL>が担ったのはまさしくそのような役割であった。当時既にクラブシーンのレジェンドであったフランソワ・K、ジョー・クラウゼル、ダニー・クリヴィットはかつてのピュアネスを取り戻すべく、ニューヨークきっての「カルチャー発生地」に集結したのである。そして瞬く間にその精神性に共感する人たちが増え、<Body&SOUL>は一大パーティーへと成長していった。ここ日本にもその純粋性に惹かれる人は多く、2002年には<Body&SOUL Live in Tokyo>が初開催を迎えることとなる。

Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

<Body&SOUL Live in Tokyo 2002>開催当時の様子。

日本初開催の地に選ばれたのは、今は無き「velfarre(ヴェルファーレ)」。90年代を代表する、六本木の大箱だ。当時はEDMという巨大ムーブメントはなかったが、このクラブは「アジア最大級のディスコ」と目されていた。トランスやテクノ、ハウスのパーティーがそれぞれ同じくらいの規模で存在し、「選択肢の豊富さ」という意味では豊かな時代であったかもしれない。オルタナティブな精神性を持つ<Body&SOUL>がこの大箱で、それも開催当初から凄まじい人気を博したことは、今考えると奇跡的なことである。

Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

バブルが弾け、それまでの安寧が根本から崩れ去った90年代。日本人の多くが意識的にも無意識的にも、「何かオルタナティブなもの」を求めていたのかもしれない。そう考えると、エッジーでなおかつ多幸感の溢れるダンスミュージックを五感で体感することができる<Body&SOUL>は、心の救世主であったわけだ。

Soul Central – 『Strings Of Life (Danny Krivit Re Edit)』

Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

2005年にはますます支持を集め、ステファニー・クックが日本の<Body&SOUL>では初となるライブセットを披露した。2002年にリリースされたシングル『Rain』と、2004年に発表したアルバム『everything』が共に絶好調であった彼女を招聘できたことから、当時の勢いが窺い知れる。この頃になると、日本のクラブシーンにおいても<Body&SOUL>の影響力は絶大なものとなっていた。

Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

ステファニー・クックによるライブセットの様子。

そして2006年の<Body&SOUL Live in Tokyo>を境に、同パーティーは転換期を迎えることになる。「velfarre」の閉店だ。フランソワ・Kの「本当に寂しい」という言葉に代表されるように、DJの3人にとってもこの箱は重要な存在であった。

次のステージへと向かうべき<Body&SOUL Live in Japan>だったが、開催地の選定は困難を極めた。3人のレジェンドは、一切妥協しなかったのだ。運営側は彼らを連れて様々なクラブやライヴハウス、または大型ホールに視察に行ったが、返ってくる答えは「No」。最終結論として出たのが、その頃はまだリスキーな「野外」であった。

Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

<Body&SOUL Live in Japan>初の野外開催。

2007年に彼らが初の野外会場として選んだのは、お台場のオープンコート。降雨の不安はあるし、運営の仕方においても未知数である。何より、クラブというクローズな空間でこそ表現できていた「ホーム」を外にさらすことで、失われてしまうものがあるのではないか―。当然ながらその手の懸念も強かった。

けれども、そんな心配をよそに初の野外開催は盛況に終わる。オープンエアな会場の雰囲気に、3人のピースフルなDJは絶妙にマッチしていた。
Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

Body&SOUL, ダニー・クリヴィット, フランソワ・K, ジョー・クラウゼル, Mixmag Japan

velfarreに始まった日本版<Body&SOUL>が第一期だとすれば、お台場での野外開催は第二期の幕開けを高らかに宣言するものであった。これ以降、両国国技館、ageHa、お台場シーサイドコート、晴海客船ターミナル臨港広場と、場所を変えながらそのピュアな精神性を表現していった。昨年は再びお台場に開催地を戻しており、僕たちオーディエンスはさながら終わりのない物語を堪能しているようである。このドラマ性も<Body&SOUL>の醍醐味と言ってよいだろう。

2008年以降の<Body&SOUL Live in Japan>については後日公開される本特集の後編にて。開催日が迫る前のお供として、みなさんに読まれることを心から期待する。


■Body&SOUL Live in Japan 2018
日程:2018年6月3日
会場:お台場青海特設会場(東京都江東区青海2-1-3)
ADV:¥6000*
DOOR:¥8000
*その他オプションあり
<イベント詳細>
http://www.bodyandsoul-japan.com/

 

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