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Breakthrough: MAREAM 「DJの現場がない分、曲をプロデュースすることしかできなかった」

DJ Hausの〈Dance Trax〉から自身の楽曲をリリースし、Marco BaileyやJay Lumenと共演を重ねたライジングスターについて

Mixmag Japan | 19 January 2022

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渋谷のSOUND MUSEUM VISIONで開催されている人気テクノパーティ「TECHNO INVADERS」でレジデントDJを務めるMAREAM。「S2O JAPAN」のような国内メガフェスティバルに出演するだけでなく、オランダの「ADE(Amsterdam Dance Event)」にも招聘されるなど、国内外から注目を集める逸材だ。昨年はDJ HAUS主宰レーベル〈Unknown To The Unknown〉及び〈Dance Trax〉より、自身のEP『Fancy Dome』をリリースした。なお、Ewan McVicarが同レーベルから発売したEP『Punch The Wall』にもリミキサーとして抜擢され、UK屈指の新鋭と共にその名を刻んだ。

さらに10月〜12月にはベルギーに遠征し、Marco BaileyやJay Lumenなどの世界的なDJと共演を果たした。プロデュースとDJの両面において着実に実力を伸ばしている彼女は、コロナ禍においても素晴らしい経験を積んでいる。

本稿では、そんな現在進行形で“Breakthrough”のただ中にいるアップカミングなアーティストにフォーカスする。


― まずはダンスミュージックの入口となった楽曲やアーティストからお伺いしたいです。

MAREAM: 小学生のころに聴いた、ディズニーのユーロビートリミックスが最初ですね。初めて買ったCDはPerfumeの『GAME』でした。当時はジャンルの区別なんてできなかったですが、今振り返ると好きなものに一貫性はありましたね。バンドにしてもダンスミュージックの要素が強いアーティストの曲を聴いてました。あまりジャンルのことがよく分かってないままDJを始めたんですけど、「ミニマルテクノだね」って言われることが多くて。そこからテクノを意識し始めましたね。

― MAREAMさんはEDM直撃世代だと思うのですが、そちらからの影響はないですか?

MAREAM: フューチャー・ハウスは通ってますね。本当にDJを始めたばかりの頃はTchamiやOliver Heldensなんかの曲をかけてました。TiestoやAviciiなど、当時明確にEDM系のプロデューサーと認識されていたアーティストの曲はDJをやる前に出会っているので、全盛期のEDMとは少しズレがあるかもしれないです。

― 2018年にMAREAMさんが「S2O JAPAN」に出演された時も、ラインナップの大半がEDMから台頭してきたアーティストだったように思います。恐らくオーディエンスもその手のサウンドを求めていた。テクノDJにとってはアウェイだったのではと推察しますが、当時はどのような状況でしたか?

MAREAM: 私が完全にテクノDJ / プロデューサーとして活動しようと決めてから2年経たないぐらいの頃だったので、やっぱり葛藤はありましたね。仰るように日本のシーンの中ではまだEDMが席巻してましたし、S2Oに限らず明るいハウスをかけるべきか迷う場面はたくさんありました。S2Oの場合は出演するにあたって楽曲とミックスを提出するんですけど、私はテクノの内容で通ったんです。ということは、テクノDJとしてパフォーマンスを求められてるってことじゃないですか。であれば、私はテクノを聴いたことがない人に何か気付きを与えられるようなDJができればいいんじゃないかと思ったんです。オーディエンスにも励まされましたね。S2Oに提出したのが「You Gotta Stab Her」という曲なんですけど、多分みんな聴いてきてくれてたんですよ。この曲をかけた時に目に見えて盛り上がったので、その瞬間はやっぱり感動しましたね。

MAREAM: まぁでも、この頃って日本でもダンスミュージックが再定義されてゆく時期だったと思うんですね。Peggy Gouが出てきたり、Adam BeyerとBart Skilsが「Your Mind」をリリースしましたけど、国内のリスナーの中にもEDMからテクノやハウスに移行した人は少なくなかったのでは。他の現場でも、この頃から結構手応えを感じる場面はあったように思います。

― 確かに「Your Mind」はみんな聴いてましたね…!この曲のリリースって3年前ですか。もはや遥か昔のことのように思えます。

MAREAM: 本当ですよね(笑)。それぐらいインパクトがあるリリースで、実際シーンも変わっていた実感があります。だから、確かに葛藤はありましたけど、修羅の道ではなかったのかなと。潜在的にテクノに興味がある人ってこの時から割といた気がします。とはいえ、アルバムを出すまでは自分がどう見えてるかは不安でしたけど。

― MAREAMさんが〈SPECTRA〉からデビューアルバムをリリースされたのは、S2Oから2年後の2020年ですね。このアルバムのアートワークがまさにAdam Beyerの〈Drumcode〉っぽいなと思ってました。

MAREAM: ガラスを叩き割って、それまでの自分を突き破るようなコンセプトがありました。新しい自分、つまりテクノDJ / プロデューサーとしてのMAREAMを確立したかったんです。確かにテクノをかけやすくなってはいたんですが、それとは別に自分のアーティスト性をどこまで伝えられているかは分かりませんでしたから。やっぱりアルバムって名刺代わりなんですよね。「私はこういうDJです」って強い意思表示になりますし、自分のマインドとしてもバチっと決まった感触がありました。そういう意味で、私の性格まで知ってるHIROYUKI ARAKAWAさんのレーベルから出せたのは意義深いと思います。

― 現行のテクノ観についても伺いたいです。MAREAMさんとはGH STREAMING(2021年9月)や初回の「WOVEN」(2020年8月)含め何度かお話する機会がありましたが、その度にテクノ観が刷新されている印象があります。

MAREAM: そうかもしれないですね(笑)。全体的にBPMは上がり続けている気がします。昔ハードテクノと呼ばれていたのが、今は“テクノ”になっているというか。この間ベルギーに行った時もそれを感じました。Jay Lumenと共演したときに彼が「5年前まではすべてのテクノDJがベルリンを目指していたが、今はそうじゃない」と言っていたのが印象的です。若くて勢いのあるレーベルが世界中にあるし、もはや境界線は曖昧だと。今言ったテンポの速いテクノも、必ずしもベルリン発じゃなかったりしますから。〈Possession〉なんかの本拠地もパリだったりしますし。今の〈Possession〉の音って、少し前に比べると“ハード過ぎない”印象があるんですよね。プロデューサーで言えばAlignmentなんかが近いのではないでしょうか。質感としてはハード過ぎないけど、BPMは145ぐらいまで上がるっていう。

― Paula Templeなんかもニュアンス近いですか? Alignmentのような若手が出てきてるのもポジティブな要素ですね。

MAREAM: 近いと思います。あと若手で言えばUKのCharlie Sparks。彼は日本との関わりもあるので、世の中が落ち着いたらジャパンツアーとか組んでほしいですね。彼もいつブレイクしてもおかしくない存在だと思いますし、そういうアーティストが同世代にいるのは心強いです。

― ベルギー滞在のお話もお聞きしたいです。ヨーロッパもいまだにコロナの影響をかなり受けていると聞きますが、実際に行かれてみていかがでしたか?

MAREAM: 私が行った場所がルーヴェンという学生街だったので、クラブの数もそんなに多くなくて。キャパシティが小~中規模のクラブが2店舗ぐらいしかないんですけど、学生街なので週末平日問わず若いオーディエンスがほとんどだったんです。その中で印象に残ってるのが、みんな良くも悪くもDJのネームを気にしてないってことですね。Jay LumenとかMarco Baileyを呼んでも、“テクノで踊れればそれでいい”みたいな人が多くて。フラットに聴いてくれるという意味では、私みたいな若手はありがたかったですけど。

― “かけてくれりゃOK”の対象がテクノなのが今のヨーロッパって気がします。

MAREAM: そうですね。少し前までは、若いオーディエンスに訴求できているテクノレーベルって〈Drumcode〉ぐらいだったと思うんですけど、それが今はたくさんある。新興レーベルもいっぱい出てきてますし、さっきも言ったように作り手側にも若いアーティストが台頭してきてます。パンデミック前のADEと比較しても、シーンが変化していると思いますね。BPM以外の変化をもっと具体的に言うと、音が歪んでるんですよ。キックやらレイヴィーなシンセやら、そういったベクトルに向かっているような気がします。まさに今の〈Possession〉でよく聴く音作りですね。

― クラブではキャパシティの制限などはあったんですか?

MAREAM: 私が行ったのが10月〜12月だったんですけど、12月中旬から“lockdown-lite”という施策が政府から出されて、ベルギーのクラブは閉まっちゃいましたね。ロックダウンの前からクラブに入る前に簡易PCR検査が必須になり、さらにその後もう1回別の検査を受けないといけなくて、フロアまで行くのにかなり手間がかかるようになってしまったんです。その上ヨーロッパでは日本ほど一般的でないマスクの着用が義務付けられて、クラブへの客足は遠のいてました。出るはずだったイベントも何本か飛んじゃって、滞在期間の後半はやることなくて家にいましたね。

― まぁでもそんな大変な時期でも呼ばれるということは絶対次がありますよ。それに昨年はプロデューサーとしても活躍されてましたし。〈Dance Trax〉からリリースするなんて、相当実力がないと実現できないじゃないですか。

MAREAM: 本当にありがたい話ですよね。テックハウスを中心に掘っていた時期があったんですけど、その時に好きなレーベルへランダムに自分の曲を送っていたんです。そのうちのひとつが〈Dance Trax〉でした。特に好きなレーベルだったので、リリースが決まった時は嬉しかったですね。block.fmで放送されているradio REBOOTでもQ’HeyさんとTakamiさんが褒めて下さっていて、ありがたかったです。DJの現場がない分、曲をプロデュースすることしかできなかったので、私はその点でもラッキーだったと思います。フランスのDJがかけてくれたり、自分がDJでプレイするよりも他の人がかけるほうが早いっていう、今まで経験したことない状況もありました(笑)。現場があったら反応も様々だったんでしょうけど、それはそれとして良い経験ができたと思っています。

MAREAM – 「Fancy Dome」

― さらには昨年ヴァイラルヒットを飛ばしまくっていたEwan McVicarのリミックスも手掛けると…。彼はBBCなんかでもセンセーショナルに取り上げられてましたけども、彼の作品に関与できたのも明るい材料なのではないでしょうか。

MAREAM: いやー、光栄ですし、素晴らしいことですけど、何と言うか、正直彼があんなにバズるとは思ってなかったです(笑)。それに関しては本当にラッキーとしか言いようがないですね。ルパート(DJ Haus)が繋いでくれたから実現できたので、言ってしまえば私はそれに乗っかっただけというか。私がちゃんとそれに応えられるだけのアーティストにならないといけないなと思っています。そういう意味では、あれを超えられるだけの曲を自分で作りたい。

― コロナ禍において“プロデューサー”が正当に評価されるようになったのは、前向きに捉えて良いような気がします。

MAREAM: そうですね。機材がアップデートされる度にDJの難易度は下がってゆくので、そうなると差別化を図るのは楽曲になると思います。DJだけでなくプロデュースも評価軸として認識されると、パーティにも良い影響があるのかなと。楽曲制作はコンセプトやテーマ性が出ますから、その人自身のキャラクターがDJよりも明確に分かる気がするんです。そうするとオーガナイザーも価値観や芯の部分でブッキングしやすくなるんじゃないかってことを、最近よく考えますね。私もそのほうが健全だと思いますし、シーンとして次に繋げそうな気はします。もちろん今後もテクノDJとしての自覚は持ち続けますが、そういった方面にも意識的でありたいです。


Interview_Yuki Kawasaki

■ WOVEN Vol.4
2022.01.22 (Sat.)
@ Contact Tokyo
Line-up (STUDIO X):
DRUNKEN KONG
Risa Taniguchi
Seimei b2b Carpainter
MAREAM

CONTACT:
Yoshinori Hayashi (Smalltown Supersound | Going Good)
YOUFORGOT
ZENTA (amidst | Hypnotic Mindscapes)
FELINE
ARUTA (FRONTIER)

FOYER:
ISHIJIMA
Ren Yokoi
andrew
Genick
<イベント詳細>
https://www.contacttokyo.com/schedule/woven-by-mixmag-japan-2/

 

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