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FEATURES

BRONSON 【インタビュー】: 「自分たちが慣れ親しんだ領域から一歩外へ踏み出したかった」

屈指のライブアクトによるコロナ禍のクリエイティビティ

Mixmag Japan | 8 August 2020

フロアとベッドルームの壁をぶち抜き、熱狂と静寂を繋いで見せた、シアトル発のエレクトロニックミュージック・デュオ“ODESZA”。その発展的な音楽だけでなく、2012年にファーストアルバム『Summer’s Gone』をフリーダウンロードでリリースし、バイラルヒットを誘発させるなど、マーケティング面でも画期的であった。その後はロンドンの名門〈Ninja Tune〉のサブレーベル〈Counter Records〉と契約を結び、2014年にセカンドアルバム『In Return』、2017年にサードアルバム『A Moment Apart』を発表した。その影響力は今やグラミークラスにまで波及している(同賞には過去2回ノミネートされた)。ライブアクトとしても非凡であり、2018年のフジロックにおける彼らのパフォーマンスが記憶に残っているファンも多いだろう。長い歴史を誇るフジロックにおいても、彼らほど壮大な世界観を展開したアーティストは希少だ。圧倒的ビジュアルパフォーマンスと、それぞれの楽器セクションの規模感。

そんな彼らが今年スタートさせたプロジェクトが、“BRONSON”である。パートナーはシドニーを拠点に活動するハウス・プロデューサー、Golden Features。8月7日にリリースされた同名アルバム『BRONSON』は、彼らのクリエイティビティが詰まった刺激的な1枚となった。今回のインタビューでは、ODESZAによって本作が作られるまでの過程が明らかにされつつ、その意味性についても話が及んだ。


― Golden FeaturesはODESZAの「Falls」のリミックスを手掛けてますが、それからおよそ3年経っています。2020年にBronsonを結成し、アルバムをリリースするに至った具体的な理由はありますか?

ODESZA: 俺たちはずっと、お互いの音楽のファンだったし、長年の友人でもある。だからたまにデモを作ったり、音源を交換したりしてたんだけど、その量がどんどん増えていったんだ。だから、それをもっと形にしてEPかアルバムにしないかって話が出て、トライしてみることにした。そういう流れでこのプロジェクトが始まったんだ。

― Golden Featuresとはどのようにして出会ったのですか?

ODESZA: 俺たちは、お互いの音楽を知り始める前から友達なんだ。彼とはオーストラリアのパースであった音楽フェスで出会って、そこから意気投合してすぐ親友になった。その時からの付き合いだね。

― アルバム『BRONSON』をリリースするにあたり、2曲でオフィシャルMVが作られています。個人的な意見ですが、2本とも極めて今日的なテーマを映し出しているように見えました。まずは「HEART ATTACK」についてお聞きしたいです。このMVはいつ頃制作されたものなのでしょうか?

ODESZA: 曲が完成して少し経ってからビデオの話しを初めてたんだけど、ちょうどパンデミック、自粛期間の最中だったから、撮影が全くできなくなってしまって。だから、他の方法でビデオができないか話し合って、コンピューターを駆使してあのビデオを作ることにしたんだ。その製作者がめちゃくちゃ頭が良くて、チームもかなり才能があってさ。彼らが持ってきた最初のアイディアが、“向かってくる嵐に立ち向かい進んでいく女性”だったんだよ。俺たちもそのアイディアをすごく気に入ったし、曲に合ってると思ったから、そのまま採用することにしたんだ。

BRONSON – 「HEART ATTACK (feat. lau.ra)」

― あたかもこのMVは、コロナ禍の現在のために作られたようなディストピアSFとして解釈できてしまう気がします。

ODESZA: コロナ禍のことは何も意識してなかった。人が葛藤といった人生で起こる嵐をどうにか通り抜け、克服するという様子が初めからテーマだったんだ。それはコロナの前から決まっていて、あの背景やライト、女性というのを後から彼らが考えてくれたんだよ。

― 「KEEP MOVING」のMVにも、また別のベクトルではあるのですが、社会性を感じました。本作『BRONSON』を制作するにあたり、社会的作品を作るという意識はありましたか?

ODESZA: いや、それはあまり。もちろん、アルバムを聴いてそういう繋がりを感じる部分もあると思うよ。「HEART ATTACK」にしても「KEEP MOVING」にしても、そういう共通点を見出す人たちもいるかもしれない。でも、自分たちでそれを意図していたわけではないんだ。「KEEP MOVING」のMVに関しては、自分たちが心地よいと思うゾーンを超えるようなビデオを作ることがプランだった。聴いてわかるように、この曲はアグレッシヴで、反抗的な要素がある。それを表したビデオを作りたかったんだ。あのビデオでは、それを基盤として沢山の異なるテーマが要約されているんだよ。あのビデオに似たショートクリップを前に見たときに、“これはすごい!”と思って、いつかそれを使って何かを作るべきだと思った。で、このレコードを作っている時に、「KEEP MOVING」に最適だと思って、そのショートクリップから想像力を広げた作品を作ることにしたんだ。

BRONSON – 「KEEP MOVING」

― 音楽面ではどうですか? プロダクションに関して、何か意図はありましたか?

ODESZA: あったよ。今回のレコードはもっとハウスに重点を置いていて、これまでのODESZAよりもダークなサウンドになっている。サウンドに関しても、自分たちが慣れている領域から一歩外へ踏み出してみたかったんだ。自分にとって心地良い領域の殻を破るというのは、俺たちだけでなくトム(Golden Features)が挑戦したいことでもあった。このプロジェクトの基本的な目的は、新しいことへの挑戦と、既にあるものとは違うものを作ること。さっき話したダークなサウンドとハウスに加えて、よりアップテンポなところも新しいかもしれないな。あと、俺たちが今回結構意識していたのは、ライブでプレイすること。ライブでプレイ出来て、かつライブでプレイして楽しい音を作るということは俺たちが最初に話したことのひとつだったんだ。

― それなのに今コロナのせいでライブが出来ないとはなんて皮肉な…

ODESZA: だろ!?(笑)そうなんだよ(笑)もうホントに祈るしかないよな。出来るだけ早くライブが出来るようになるといいんだけど。

― やはりあなたがたにとって、ライブは重要なファクターなんですね。2018年のフジロックのライブも私は最前列で観ていましたが、ODESZAの映像体験は限りなく“現場的”だと感じました。フェスもアリーナも壊滅状態の今、何かBRONSONとして考えていることはありますか?

ODESZA: 来年パフォーマンスができるようになった場合を考えて、色々ショーのアイディアをまとめているところなんだ。今回もヴィジュアルにはこだわっていて、その全てのアイディアを出来るだけ詰め込もうとしてる。それが無事に完成することもそうだけど、何よりも完成したものを人々に見せられる状況が早くきて欲しい。映像に関して今皆のために出来ることは、もっとMVを作ることくらいだね。ライブに関しては、やっぱり現場で沢山の人々と一緒にそれを体感するのが一番だと思うから、なるだけその形で音楽と映像を楽しんでもらいたい。でも来年それが無理だとしたら、オンラインで何かやることも考える必要性が出てくるかもしれないね。来年ライブが出来れば、それが一番の理想だけど。

ODESZA – Live with Drones at Coachella 2018

― 私はあなたがたのミックスシリーズ「NO.SLEEP」を何年も前から続いていますが、Vol.12に関してはいつものチルアウトな印象だけでなく、リスナーをエンパワーメントしてくれるような力を感じました。「NO.SLEEP」はいつも何かコンセプトがあってミックスされるのでしょうか?

ODESZA: Vol.12には長い時間を費やしたんだ。沢山アイディアがあったし、あの作品には自分たちが当時聴いていたベスト作が詰まってる。前回から時間もたっていたし、聴いていた音楽の量がこれまでより多くて。コンセプトというか、一貫しているのは、曲の全てが自分たちが繋がりを感じていた音楽だということだね。その時期に自分たちが聴いている音楽の中で、自分たちが気に入っているものが基準になる。世の中でその時何か起こっていても、自分たちが良いと思う音楽を聞くことで、コミュニティのようなものの存在を皆が感じることが出来たらそれが一番。そのコミュニティ感みたいなものを、僕らは「NO.SLEEP」で作り出したいんだ。

― オーストラリアからはEDM以降の新たな才能がたくさん台頭してきています。Flumeを筆頭に、Alison WonderlandもAnna Lunoeも、そしてGolden Featuresもオーストラリア出身です。Golden Featuresとのやり取りを通して、USのアーティストとの音楽観の違いを感じる場面はありましたか?

ODESZA: オーストラリアのエレクトロニック・ミュージックって、独特のトーンがあると思うんだよね。エレクトロニック・ミュージックを面白い角度から見てると思う。アメリカの場合はそれがバブルの中に存在していて、その中にこもりがちだけど、オーストラリアのミュージシャンたちはヨーロッパの音楽を取り入れたり、アジアのサウンドを持ってきたり、世界の音楽の面白い要素を上手く使っていると思う。彼らの音楽のテイストは、そういう意味で素晴らしいと思うね。

― Golden Featuresがサウンドにもたらしてくれたものとは?

ODESZA: 彼の音楽はすごくミニマルで、ODESZAの音楽よりも入っている要素が少ない。ODESZAは結構昔ながらのやり方で音を沢山重ねるのが好きなんだけど、そこから本当に必要なものだけを残していくっていうのは新鮮でよかった。もっとフォーカスして、限られた要素だけを使って音を作っていくっていうのは面白かったね。すごく難しいけど、とても大切なことなんだ。

BRONSON – 「DAWN (feat. Totally Enormous Extinct Dinosaurs)」

― アルバムの話に戻りましょう。iTunesが発足した当初から、“アルバム”という単位が意味を成さなくなっていると聞きます。けれども『BRONSON』は、並びにストーリー性を感じました。「FOUNDATION」から始まり、「HEART ATTACK」と「BLINE」は同じく4つ打ち。そこから複雑な世界観へ…。BRONSONにとって“アルバム”は生きた概念でしょうか?

ODESZA: そうだね。人生の障害物を乗り越えていくというストーリーは、アルバムだからこそ表現できるもの。それは皆が経験することで、君は一人じゃない、というコミュニティ的な世界観を作るには、アルバムというフォーマットである必要があると思うし、それがこのアルバムが持つストーリーなんだ。できるだけ早くシーンが正常化することを願ってるけど、アルバムも時間が経たないうちに作りたいね。


Interivew_Yuki Kawasaki
Translate_Miho Haraguchi

■ BRONSON 『BRONSON』
Now on Sale
Tracklist:
1. FOUNDATION
2. HEART ATTACK (feat. lau.ra)
3. BLINE
4. KNOW ME (feat. Gallant)
5. VAULTS
6. TENSE
7. CALL OUT
8. CONTACT
9. BLACKOUT
10. DAWN (feat. Totally Enormous Extinct Dinosaurs)
11. KNOW ME (Instrumental) [Bonus Track for Japan]
12. HEART ATTACK (Instrumental) [Bonus Track for Japan]

 

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