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INTERVIEW:JOHN DIGWEED「平均的なリスナーなんていないんじゃない?」

人気シリーズ『Live in…』(Contact Tokyo)発売を記念して。

Mixmag Japan | 8 August 2018

John Digweed, Live In..., CONTACT, mixmag

今年の4月末、UKクラブシーンのレジェンドであるジョン・ディグウィードがジャパンツアーを実施した。東京でのギグはContactで開催されたが、そのときの模様が人気シリーズ『Live in…』に納められた。ちなみに同シリーズにアジアのギグが追加されるのは日本が初めてである。本作のリリースに際し、ディグウィード本人に話を聞いた。今や日本との絆が深い彼は、この国のシーンの深部までを見通している。日本の風営法から自身のルーツ、そして昨今のクラブカルチャーの動向に至るまで、インタビューの内容は多岐にわたった。


– 日本に初来日してから18年の歳月が経ち、それまでに日本のシーンにおいていろいろな変化を見て来られたと思います。その変化を現在の海外のクラブシーンと比べてどう感じられますか?

風営法は長年クラブにとって逆風となっていて、いくつもの素晴らしいクラブが閉鎖を余儀なくされた。大都市には素晴らしいクラブや活気のあるナイトライフが必須で、行政はクラブ業界と力を合わせて、世界中の人たちが訪れたいような街にするための努力をする必要があると思うんだ。オリンピックを控え、流れが良くなってきている気配はあり、営業時間の延長や、素晴らしいイベントが増えてきたことにより、日本のみならず、世界のエレクトロニック・シーンのために大きな力になっていると思うよ。世界中を飛び回り学んだことは、どの都市でも、しっかりと運営されているクラブは、その街にとってとても有益であるということだよ。

– 日本のクラブシーンと海外のクラブシーン、中でも特にアジアのクラブシーンとの違いや、格別に魅力的な所はどんな部分だと思われますか?(もちろん、各国において魅力的なところはあるかと思いますが)

クラブは、昔から高音質や照明、そしてビジュアル的な体験を提供することにこだわってきた。日本では、細部に至るまで完璧なセッティングを追求するこだわりにいつも驚かされるよ。日本でのプレイは、必ず快適なものになるんだ。クラウドも音楽をよく知っている様子だし、好きなDJの時にも盛り上がるけど、ニューフェイスにも興味を示してくれる。日本でファンベースを獲得して、定期的に来日を続ければ、ファンの人たちはずっとついてきてくれるのも嬉しいところだよ。

– 日本のクラブシーンは風営法などの要因もあり、クラブの数が激減したと言っても過言ではないと思います。そう言った中でジョンが今回、Contactのギグを自身のシリーズ『Live in…』 からリリースする思いに至った理由をお聞かせ頂けますか。

正直に言うと、もともと決まっていた訳ではないんだ。『Live In…』の題材を事前に決めることはなくて、すべて、パーティ当日のヴァイブスや、後から録音を聴いた際の感想で決定してる。DJプレイは全て録音するので、特別に素敵なパーティが出来上がった場合は、それをリリースすることにしているんだ。同シリーズとしては16ヶ月ぶりのリリースなんだけど、東京のパーティの後、今回は特別なものが出来上がったという手応えがあったよ。とにかく楽しくて、クラウドが発するエネルギーも最初から最後まで最高潮。東京との繋がりは長いので、アジア初となるリリースが東京になって、とても嬉しいよ。

John Digweed, Live In..., CONTACT, mixmag

当日のContactの模様

– 今回の東京でのDJセットは、他と比べてどんなところが印象に残りましたか?

東京でのDJはいつも楽しいんだけど、ロングセットは数年ぶり。ContactのDJブースに入った瞬間から、今回はスペシャルなパーティになると確信してたよ。まず、ヴェニュー自体が、僕にとって理想的な作りなんだ。低い天井、ストイックな照明、そして最高にパンチの効いたサウンドシステム。クラウドが発するエネルギーも驚異的だったし、ロングセットもあっという間に感じたよ。録音を聴いた時にも最高の出来栄えだと感じて、シリーズの次回作にしなければいけないと思ったんだ。

Bedrockレーベル20周年、おめでとうございます。自分のレーベルからリリースすることには、利点や、あるいは困難はありますか?

ありがとう。この業界に入ってしばらくやってみて、自分のトラックや契約したアーティストのリリースを自分でコントロールできる方が良いなって思ったんだ。誰からもプレッシャーを受けないし、自分の直感に従ってなんでも決定できる。それにしても、20年もリリースを続けているとは、実感が湧かないよ。

– 新人アーティストは、自分でレーベルを運営した方が良いと思いますか?

作業量も多いし、知名度を上げるのは時間がかかるので、時と場合によると思う。まずは有名なレーベルと契約をして自分自身の知名度を上げてもらってから、レーベル運営などの大きなプロジェクトに着手するメリットもあると思うよ。

– 最近のアーティストで影響を受けている人はいますか?

毎週、ものすごい量の新曲を受け取っていて、いずれも自分の制作やリミックスにインスピレーションを与えてくれる。新しいサウンドや制作手法はとても良い刺激になるので、ニック(ニック・ミューア。ディグウィードと共にBedrockを設立した人物)とスタジオに入ると、「これ聴いてみてよ」、「こっちも良いよ」と視聴会が始まるんだ。エレクトロニック・シーンは昔からこういう感じで、誰もが新旧のトラックの中に新しいアイディアを見出してきたよ。

– 最近のハウス・シーンについて、どう思いますか?

今のシーンの状態は、かなり良いと思う。面白い新人プロデューサーや、斬新なアイディアを持つ新しいプロモーター、そして変遷するエレクトロニック・シーンに深くハマることを求める新しい世代のクラバーたちもいる。世界中に山ほどのパーティがあり、フェスは増える一方。ラジオ番組やクラウドキャストも充実しているので、いつ、どこにいても、何かしらハウスがフィーチャーされている状況だよ。

– この20年間で、ハウス・ミュージックはどのように変化したと思いますか?

80年代後半に誕生して以来、ずっと変わり続けていると思うよ。だからこそまだまだ活気があって、長続きできているんじゃないかな。それだけに、次にどう進んでいくかは、ちょっと予想が難しいね。

– ヘイスティングスで育ったことは、DJを志したことに影響しましたか?

海辺の小さな街だったので、自分でイベントを運営し、Carl CoxやPete Tong、GrooveriderなどのDJをブッキングして、まずはシーンを作る必要があった。イベントを築き上げて広める活動は本当に自分のためになって、今でも自分のポジションに胡坐をかくような気持ちにはならないよ。

– 「DJになりたい!」と思った具体的な瞬間はありますか?

DJになりたいと確信したのは11歳の時。地元のDJに紹介してもらって、照明やDJブース、サウンドシステムなど、クラブのセットアップを見せてもらったんだ。その瞬間にハマってしまい、それ以来、なりたいものはDJだけだったよ。

– 若い頃に影響を受けた音楽のアルバムをいくつか教えてください。

Pink Floydの『The Wall』と、League Unlimited Orchestraの『Love and Dancing』。

– アートワークは全てMalone Designが手がけているようですが、どうして彼らはあんなに作品の空気感やフィーリングを反映したアートワークが作れるのでしょう?

20年以上、共同で作業をしているけど、彼らは本当にセンスが良くて、露骨になることなく、しかし目を引き、コレクションに追加したくなるような、よく練られたデザインを作ってくれるよ。

– この20年で、制作環境は間違いなく進化してきたと思うのですが、音楽の作り方も同時に変化してきてますか?

移動中に楽曲を作るのがものすごく簡単になったと思う。昔は、ニックとスタジオに入らないと制作に着手することができなかった。今ではラップトップも高性能になり、その他の技術も進んだことから離れていても作業をすることが可能なんだ。

– 音楽制作について、平均的なリスナーに「これだけは知っておいてほしい」と思うことはありますか?

平均的なリスナーなんていないんじゃない? 音楽は楽しむために、リラックスするために、あるいは我を失ったり、気晴らしのために聴くもの。とてもシンプルなアイディアから最高のレコードが誕生することも多々あるよ。クラブにいる人のほとんどは、音楽を分析したり、作り方について思いを巡らすことなどなく、何かしら感じたり、動かされたいだけなんじゃないかな。

– ハウス以外で影響を受けているジャンルはありますか? できれば意外なところで…

Pink Floydのアルバムや、『ブレード・ランナー』のサウンドトラックは昔から大好きだよ。空気感や、旅路的で、物語的な要素が好きなんだ。

– 今回の『Live in…』に続く活動で、公表できるものはありますか?

5週間の間に大規模な『Bedrock 20』と『Live in Tokyo』、2つのアルバムをリリースしたので、1年分のプロジェクトとしてもう十分じゃないかと思ってる。次の予定は、まだ決まってないよ。

– ハウス・ミュージックのアーティストを目指す若いミュージシャンに、何かアドバイスをいただけますか?

自分の大好きな音楽を作って、流行に左右されないようにすると良いよ。自分が情熱的になれるものを作れば、チャートに乗るのを狙って作ったものよりもずっと響く。独自の良い音楽を作り続ければ、成功は後からついてくるよ。

– 最後に日本のアンダーグランドミュージックファンへのメッセージをお願いいたします。

長い間支援してくれて、ダンスフロアから愛とエネルギーを送ってくれて、本当にありがとう。とても嬉しいよ。最新の『Live in…』アルバムが東京になったのは、最高の出来事だよ。


Interview_Nick Clarke
Translator_DJ MiCL
Edit_Yuki Kawasaki

John Digweed, Live In..., CONTACT, mixmag

John Digweed – 『Live in…』¥3000(税抜き)
Contact Tokyoにて絶賛発売中

 

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