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FEATURES

Jagwar Twin 【インタビュー】 「日本はJagwar Twinを本当に理解してくれた最初の国だよ」

“デジタル・エクスペリエンス”を標榜し、預言者のようなリリシズムを備える鬼才に迫る。

Mixmag Japan | 13 August 2021

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和訳動画などの影響により「Happy Face」や「Loser」が日本でもバイラルヒットを記録した、USのシンガーソングライター・Jagwar Twin。つい先日は最新シングル「I Like To Party」のMVが公開され、さらに注目度を高めているところだ。

これまでにS1(Kanye WestやBeyoncéを手掛ける)やMatthew Pauling(5SOSやAll Time Lowなどのプロデューサー)、blink-182のTravis Barkerらとともに活動してきた彼は、紆余曲折を経て特定のジャンルに依存しないスタイルを構築してきた。60年代スタイルのギター、骨太のヒップホップ・ブレイク・ビーツ、アルバム『My Beautiful Twisted Fantasy』時代のKanye Westを彷彿とさせるMPCサンプルの音像の中に、パワフルな歌声と預言者のようなリリシズムを持つ。“デジタル・エクスペリエンス”を標榜する彼は、それらの音楽性をソーシャルネットワーク以降の価値観に根差した形で世の中に発信している。

そう考えると、彼が遠い日本でブレイクしたのはなかば必然だったのかもしれない。今回のインタビューでは彼の音楽の神髄に迫ると共に、これから先に見据えるものについて話を聞いた。


Jagwar Twin – 「Loser」(和訳)

― ジャンルにとらわれずに音楽を作るアーティストは今では珍しくありませんが、あなたの場合はそれが顕著だと思います。作家としてS1(ヒップホップ)やMatthew Pauling(エモ、パンク)と共作を行うあなたは、リスナーとしてはどのような変遷を経てきたのでしょうか?

Jagwar Twin(以下、J): 多くの人と同じような感じだよ。様々なジャンルの音楽をそのときの気分にあわせて聴いてきた。アグレッシブなムードを求めてハードコアやメタルを聴きたくなることもあれば、瞑想的な気分になって美しいオーケストラを聴きたくなることもあるし、ノスタルジックな気持ちになって子供の頃を思い出すような曲をかけることもある。音楽はタイムトラベルのようなもので、その場の雰囲気を作り出す力があるよね。アーティストとしても、自分がどのようなバイブスを作りたいのか自問自答しているよ。

― その折衷主義的なスタンスは、さながらBECKを想起させるようにも思うのですが、彼からの影響はありますか?

J: 実は彼の曲は数曲しか聴いたことがないんだけれど、いずれも素晴らしかったよ。彼の楽曲にも「Loser」があるけど、僕はあの曲が特に好きだな。…まぁでも、何はともあれKanye Westかな。彼は常に限界を超えて、自分の視点から真実を語っている。もちろんそれが唯一の真実というわけではないけれど、それはアーティスト、あるいは人間ができる最も重要なことのひとつだと思う。自分の視点で真実を伝えるだけでなく、他の人の言葉にも耳を傾け、学ぶ。そうすることで、より全体像を把握できるからね。

― 来日経験のないあなたが日本でブレイクしたことは興味深いですね。「Happy Face」の動画再生回数は2021年8月12日の時点で299万を超えています。この和訳動画には映画『JOKER』のシークエンスがサンプリングされていますが、オリジナルMVにはあの映画にみられるようなルサンチマンやディストピアは感じられません。日本側の独自解釈だと思うのですが、私はこの曲に『JOKER』をサンプリングしたくなる気持ちが何となく分かります。日本ではこの曲がある種の“パンク”として解釈されたような気がするんです。

J: 面白い現象だよね。僕は「Happy Face」をパンクだと思ったことはなかったんだけど、言われてみると確かに根底にはパンクがあるようにも感じられる。パンクは元々反体制的な音楽ジャンルで、必ずしも「Happy Face」はそれにあたらないけど、この世界で起きていることや日々僕たちが与えられている情報に疑問を投げかける曲ではある。世代に関わらず多くの人がそれらの疑問に目を向け、そうすることで世界を変えようとしている姿を見るのはとても美しいと思うよ。もちろん、その過程においては痛みも伴うだろうけど、僕は人類が一丸となれる日がくることを信じてる。そういう本質を、日本のみんなが理解してくれたのは本当に嬉しい。

Jagwar Twin – 「Happy Face」

― まさしくあなたが標榜する“デジタル・エクスペリエンス”に関連する現象ですよね。当初、このフレーズは具体的に何を意味するものだったんですか?

J: 本当にインターネットが“便利”なものなのか分からなくなってたんだよね。確かにSNSのおかげでこれまで以上に僕らがコネクトできる可能性が出てきたわけだけど、それ以上にさらに様々な溝を生んでしまうダークサイドもあるわけで。でも日本での成功はポジティブな部分だと思うよ。こんなに美しい繋がりを持てるとは思わなかった。僕はまだ日本に行ったことがないけど、今やもうほとんど行った気になってる。Google翻訳を使ってオンラインでたくさんの人たちと話すことができたけど、自分以外の人間と知り合うのはいつだって楽しい。なかば実験的な側面があったけど、その意味では日本での一連の出来事は素晴らしいものだったよ。日本はJagwar Twinを本当に理解してくれた最初の国だと思ってる。

– 最新作「I Like to Party」についてもお聞かせください。この曲のサビの部分はパンデミックの前に作られたものだと聞いています。1年半に及ぶ暗黒期間を経て、この曲の解釈に何か変化はありましたか?

J: 解釈は変わってないけど、意味が及ぶ範囲が広くなったとは感じるね。この曲を書いたのは2018年なんだけど、当時から人々が分断されていく実感はあったんだ。この1年半にはたくさんの闇があったけど、個人的にはそれ以上に多くの光明があったと思う。多くの仲間が苦しみ、大きな損失を被った。僕はそのような側面を直接経験していないんだけど、それらの事実が僕の視点に影響を与えていることは間違いないよ。光は最も暗い場所を照らし出す。以前からあった事実を、より強くさらけ出したんだ。僕らは多くの闇を目にするようになったけど、どうだろう? やはりそれらは以前から存在していたのではないかな。

Jagwar Twin- 「I Like To Party」

― 確かに2018年に作られた事実を知った上でも、極めて今日的に聴こえます。この曲はなんだか現行の資本主義批判にも聞こえるのですが、アメリカから出てくる様々な作品をみていると、今の価値観では行き過ぎたキャピタリズムは受け入れられなくなっているようにも感じます。特にユース層の間でそれが顕著だと聞くのですが、「I Like To Party」ではそのような世相を反映する意図はありましたか?

J: この曲はあらゆる“Party”への批評なんだ。先ほどから何度も繰り返しているように、今日の僕らの世界はどんどん小さなグループや党(Party)に分かれてしまっている。しかも、それぞれの党派は自分が最も正しいと思っているわけだ。アメリカは民主党と共和党の二大政党制だけど、左派と右派に分かれてはお互いについて相手が狂っているとか、愚かだとか、邪悪だとか罵り合う。アメリカでは政権交代が起きる度に、そういう極端な対立が続いてきた。でも僕は、できるだけインディペンデントでいたいんだよね。アメリカではどちらのサイドにも与しないってことが難しいんだけど、僕はバランスポイントを見つけたいといつも思ってる。この曲で大事なのはそこだね。真実は、おいしいケーキのように何層にも重なっているものだよ。

― まだ先の話かもしれませんが、あなたの来日公演を心から楽しみにしています。きっと素晴らしいショーになると思いますが、日本に来たときに何かやりたいことはありますか?

J: 日本にはいつか行くよ。状況が落ち着けばすぐにでもみんなに会いたい。時間があれば本場の茶道を体験してみたいし、お寺を見て回りたいね。洋服の買い物にも行きたいな。素晴らしい古着屋が何軒もあると聞いてるよ。これからも僕は自分の言葉で真実を紡いでいくつもりだし、音楽としてそれを表現できればと思ってる。僕も日本のライブを実現できるように頑張るよ。僕の音楽を聴いてくれて、本当にどうもありがとう。


■ Jagwar Twin 「I Like to Party」
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<リリースURL>
https://jgwrtwn.lnk.to/party

 

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