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FEATURES

JAY DANIEL × BUSHMIND × Mr. TIKINI Special Interview (後編)

デトロイトをキーワードに思う、エレクトロニック・ダンスミュージックシーンへのマインドセット

Mixmag Japan | 7 December 2018

DETROIT SYNDROME

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L→R Mr. TIKINI、Jay Daniel、BUSHMIND

Jay Danielの新譜『TALA』の話をメインに、デトロイトの音楽シーンについて3人で語った前編。後編では、さらに踏み込み、各々のアティチュードの話にまで波及。好きなDJやラッパーついても大いに盛り上がった。


― ジェイ自身は、アンダーグランドでいたいですか?

Jay Daniel(以下、J) まったくそんなことない。現時点でアンダーグラウンドであることは、数年前とは意味が違うからね。J. Dillaみたいにアングラの代表選手みたいに捉えられていたアーティストでも、もうアングラではない。XXXTentacionとか、Anderson .Paakみたいなアーティストだって、今となっては協力しあって、最先端の音に仕上げている。 やることをきちんとやっているというか。アンダーグランド、というと何だかお山の大将を狙っている感じがしちゃうんだよね。それはデトロイトに限った話ではないと思うんだけど、デトロイトについて言えるのは、そういうアーティストは有名になりたいから、抱え込んでしまって他と共有したくない姿勢があるんだよ。俺に言わせると、音楽なんてものは、世界中で共有するべきものだと思うんだけどね。だから、アンダーグラウンドであることは嫌なんだ。友達だって「お前らがイルでヤバイってことを、ここ(デトロイト)にいる俺たちだけが知ってる状況は嫌だ」って言うしね。「もっと活躍するために、たくさんファン作んないと」って言われるよ。逆に「アングラだ」ってのは、「他の人は知らない」って意味に感じるんだ。

BUSHMIND(以下、B) うん、そうだね。俺もアンダーグラウンドカルチャーは好きだけど、そこだけじゃないところでもやっていきたいもんね。

J アンダーグラウンドを神聖視する人もいるし、それも良いんだけど、自分の作品に自信があったら、世界中の人に聴かせても良いはずだし、考え方が偏った人たちの狭い世界でだけ披露してるのはもったいないよね。その人たちの考えが変わったり、歳をとっちゃったら終わりだし。だから俺は、アングラで居続ける気はないんだ。

Mr.Tikini(以下、T) オーバーグラウンドにも、もっとプレゼンテーションをしないといけないってことだよね。もちろんアンダーグラウンドでもどんどん出していかないといけないし。だからどちらでもやるってことかな。

B ジェイはビッグフェスでもDJをしているけど、場所によってプレイの内容を変えている?

J あまり変えていない。文脈に沿ってやっていくから、それを人がどう受け止めるかを気にしてる。俺としては、DJとして見られたいというよりも、自分の音楽についてそう意識してるんだ。実際にDJをやることが多いけど、プロデューサーとしての方が多くのことを発信できると思ってる。

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B 2年前にMOVEMENTへ行ったときに、Cheesy(チャラい)なテクノをかけている古株のデトロイトのDJたちが結構いてさ。凄くセルアウトしていた感じがしたんだよね。

J セルアウトしたとまでは言いたくないけど、他になんて言ったらいいのかもわからない(苦笑)。でもまさにそこで、彼らのキャリアの初期のころとは違う理由で音楽をプレイしてる可能性はあるよね。ギグを取りやすい選曲にしたり、ウケが良いものを選ぶとか。あと、地域性もあるよ。東京は若い人が多いけど、デトロイトは年配のクラバーが多いしね。テイストがちょっと変わってくるのも分かるよ。

B ところでデトロイトで1番”バッド”だって言われているベテランDJは誰なの?

J それって、BAD(バッド)だってことだよね。うーん……。

B じゃ、リスペクトされてるDJは?

J Moodymannかな。俺は、彼が大好きなんだよ。DJとしてもプロデューサーとしてもすごくいい。なかなかデトロイトではDJをやらないけど、デトロイトを拠点に活動をしているし、彼の場合は別格かな。

T ジェイはヒップホップも良く聴いているよね。BUSHMINDもヒップホップのトラックも作ってるし、そのシーンに携わっている。僕の周りには、ヒップホップが好きで聴いたり、曲を作ったりしても、DJをするときはダンスミュージックをプレイする人が多いんだ。そこは分けているというか。だけどダンスミュージックのDJはたいてい、ダンスミュージックだけって人が多い。ミニマルテクノだけとか。

ROCKASEN – 『HARD DRIVE』 Prod. Bushmind

J いい側面もあるし、悪い側面もあるよね。

T 僕は、他のカルチャーを知ることはいいことだと思っているんだ。それが音楽だけでなく、アートやファッションとかを通じて、物事の深い部分を理解するということにおいてはどれも同じだと思っているから。

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「音楽だけでなく、アートやファッションとかを通じて、物事の深い部分を理解するということはいいことだと思うんだ」(Mr.Tikini)

J 音楽から学ぶことは多いね。俺はダンスミュージックも聴くけど、同時にマイルス・デイビスなんかのジャズを聴いたり、ヒップホップも好きで良く聴いているし、興味があれば古いものから新しいものまで、何でも聴くようにしている。そこから理解も深まるし。例えば、ゲイカルチャーと密接な関係にあるハウスミュージックに関して言えば、ゲイカルチャーはダンスミュージックシーンをしっかりサポートしているし、オールドウェイヴもニューウェイヴも、すべてが同じステイツメントの元に存在すると思っているから。

― この2~3年で良いなと思ったヒップホップアーティストは誰ですか?

J ラッパーであればKendrick Lamer。Roc Marcianoも好きだね。ケンドリックはパッケージとして素晴らしいね。アルバム『To Pimp a Butterfly』なんかは本当に優れた音楽アルバムだし、さまざまなことをミックスしている感じも良いし。エゴを押し付けることもなければ、アンダーグラウンド的なスピリットもキープしている人だと思うんだ。ああいう作品が世界的に評価されってことはいいよね。

B デトロイトのラッパーで好きな人はいる? Danny Brownとか。

J そうでもないね。彼は、奇妙かも。

B Count Mackは?

Count Mack – 『G-String』

J いいね。知ってるんだね、クールだね。デトロイトなら、Big JunoFMB DZってラッパーもいい。ストリートだけど。

B Chief Keefはどう? ギャングスタ過ぎる?

J そんなでもないな。ラッパーについて、自分が共感できる部分がないということで無視する人もいるけど、ラップはアメリカの多様なブラックカルチャーから生まれたモノのひとつなわけで、どういう形で発言するにせよドープなものなんだよ。もちろん、ピュアであるとか、ソウルフルとか、そういうものと無関係な場合もあるんだけどね。Kodack Blackも好きだけど、Lil Uzi VertとかYoung Boy NBAとか、自分たちの物語を語ってる新しいラッパーもいい。ブラックカルチャーが一目置かれる理由は、そこにあるんだよ。過酷な環境で育った話とかは、アメリカの黒人について考えるときに考えるテーマだよね。ダイヤの原石みたいな話もね。色々なジャンルを創造したっていう観点でも、アメリカの黒人は音楽を通じて人を魅了しているよね。

B 確かにアメリカで黒人として生まれ育ったとしたら、どこかで考えることではあるよね。

J 最初にテクノを作り出した人たちも、当初は今の俺と同い年か、ちょっと若いくらいだった。さっき話をしたラッパーたちと同じ歳だよね。彼らにはビジョンがあったんだよ。俺はそれがどんな内容でも、正しんじゃないかなと思ってる。でも年配の人の中には、そういう若手を見下す感じがあるよね。「たいしたことねえじゃん」みたいに。しっかり受け止めて聴いてあげれば、若い世代から学ぶこともできるし、若手も先輩から学べるようになると思うんだ。可能性とか、変化に対してオープンマインドでありたいよね。物事を育てて前進させるためには、それが良いはずなんだよ。

B 話は変わるんだけど、EDMについてはどう思う?7月にミシガン州の北にあるでかいキャンプ場で「Electric Forest Festival」って大きなEDMのパーティがあったんだけど、行方不明者が2人出て未だに見つかっていないらしくてさ。遊び方がかなり激しくなってるよね。EDMが流行して最悪なワックDJやトラックメーカーも出てくる様になったけど、これだけデカイ波が起きてるからその中からミュータント(突然変異体)が出てくるんじゃないかなと思ってて、期待しちゃってるんだよね。

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「シーンがデカくなって、最悪なDJやトラックメーカーもいるけど、その中からミュータント(突然変異体)みたいなのも出てきている」(BUSHMIND)

J EDMに関して言えば、比較するべきものではないし、自分としては理解できている。そういったレイヴカルチャーやパーティシーンは、こう遊びのスイッチが入るもんだろ。カルチャーとしてのひとつの側面でもあるしさ。

T EDMって言葉ってさ、E=エレクトロニック、D=ダンス、M=ミューッジックだと思うんだけどさ、君たちもエレクトロ・ダンス・ミュージック作ってるじゃん(笑)。

JB Yeah…そうなんだよね(笑)。

T EDMってひとつの進化した形だと思ってるの。UKのダブステップもそうだけど、それが進化してブロステップになったり。サウンドは進化していて、変化している。SKREAMなんかはアメリカンカルチャーにも影響を受けて、イギリス生まれのミュータントチャイルドみたいなものだしね。

B デトロイトではどこに住んでいるの?

J 市内に住んでいるけどダウンタウンじゃないんだ。ハイランドパーク、北の方の地区だね。

B 市内から何マイルくらいのところ?

J ダウンタウンから6マイル。

T BUSHMINDの兄貴はどこに住んでいるんだっけ?

B 兄貴(DJ KAKU)は、トロイってとこに住んでる。デトロイトから車で20分ぐらい。ところで、デトロイトのお気に入りの場所はある?

J 川が好きだね。デトロイト川にあるベルアイルとかね。

B ベルアイル、俺も好きだな。でも最近入るのに金を取るようになったんでしょ。フリーだったのに。

J そうらしいね。デトロイトも市がそうするようになったんだね。

B デトロイトには住んでいたい?

J 一度は別のところに住んでみたいなとは思うけど、まだわからないね。今はDJでトラベルにすごく出ることが多いから、まだデトロイトにはいようかなとは思っているけど。

― 日本にはもう5~6回くらいきているようだけど、日本人のアーティストで気になる人はいますか?

J Nujabesだっけ、彼の音楽は好きだな。ダンスミュージックを作っている人でいいなと思った人がいたけど、ちょっと思い出せないな。ドラムが良かったことは覚えている。

Nujabes – 『Feather』

― 最後にメッセージをください。

J KONBANWA(コンバンワ)。アルバムが出たので、よろしくね。


photography_Reiji Yamasaki
text_Kana Yoshioka

■ Jay Daniel 『TALA』
Watsui High(発売中)

Jay Daniel_ジェイ・ダニエル
デトロイト在住のDJ/音楽プロデューサー。シンガー、ナオミ・ダニエルの元に生まれる。2011年にDJをスタートし、2012年21歳のときに「Movement Festival Detroit」に出演。2014年にはセオ・パリッシュのレーベルSound Signatureより1st EP「Scorpio Rising EP」をリリース。相棒のカイル・ホールとともにデトロイトにてイベントを開催し、DJが認められワールドワイドに活躍を始める。2017年には1stアルバム『Broken Knowz」、今年11月には自身のレーベルWatsui Highよりニューアルバム『Tala』をリリースした。デトロイトのエレクトロニック・ミュージックシーンの次世代を代表する新鋭。
https://twitter.com/jaydanielwatusi
https://soundcloud.com/jaydaniel

BUSHMIND_ブッシュマインド
東京を中心に活動するDJ/音楽プロデューサー。Seminishukei、ROCKASEN、2×4などで活躍。90年代後半10代よりDJをスタートし、2007年に1stアルバム『BRIGHT IN TOWN』をリリース。ラッパー、バンド系とこれまでに様々なアーティストたちへサウンドを提供、またリミックスも手がける。これまでに2011年『Good Days Comin’』、2015年『Sweet Talking』をリリース。ヒップホップからテクノ、ハウス、さらにはチルアウトまでオリジナルを貫くミュータント。実兄であるDJ KAKUがデトロイト在住のため、頻繁に現地へ足を運んでいる。
https://twitter.com/bushmind
https://soundcloud.com/bushmind
https://www.mixcloud.com/bushmind/

Mr.Tikini
ロンドン出身、東京在住のDJ/モデル/オーガナイザー。FUNCTION CREW、レーベルOrisを運営。音楽、ファッション、アートなど幅広くカルチャーを意識しながら、都内にてDJ、イベントオーガナイザーとして活躍。モデルとしても活躍するほか、MCやラップを行うなどマルチな才能の持ち主。また、海外と日本を繋げる役割を担う仕事もしている。
https://twitter.com/mrtikini
https://soundcloud.com/mr-tikini

 

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