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FEATURES

【インタビュー】 KENTACATS & MR.TAKAHASHI: EDGE HOUSE Resident DJs

EDGE HOUSEの「中間管理職」兼、エースで4番

Mixmag Japan | 3 August 2020

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左: MR.TAKAHASHI 右: KENTACATS

2019年2月、渋谷のSOUND MUSEUM VISIONで産声を上げたハウスパーティ「EDGE HOUSE」。発起人であるDJ DARUMA & JOMMYを中心に、文字通り“エッジーな”ハウスミュージックを1年を通じて追求してきた。国内外から様々なゲストDJを招聘し、今日までにMark Knightのようなヘッドライナー級のベテランから、Eli Brownのような界隈のニューヒーローが同パーティに出演している。イビサの人気パーティ「elrow」さながらの場内装飾も大きく話題を呼び、昨年最も先鋭的かつ精力的な音楽イベントであった。

COVID-19のパンデミックの影響により延期になってしまったが、今年4月にはSolardoやClaude VonStrokeの出演も決まっており、さらに翌5月にはBoys Noizeもラインナップされていた。2019年にまいた種が一気に芽吹くはずだった、2020年。

今年は大型フェスティバルも軒並み中止となり、海外アーティストの招聘も著しく困難になっている。が、しかし。EDGE HOUSEは海外からカッティングエッジなDJを呼ぶことにのみ執心していたわけではなく、同じ文脈上にいる国内の若手をプッシュすることにも注力していた。KATIMI AIやJUNYA UTSUNOMIYA、TOMOYAなど、明日のハウスミュージックを担う才能も台頭してきている。

その中でも特筆すべき存在がKENTACATSとMR.TAKAHASHIの二人だ。EDGE HOUSEのレジデントとして、DJ DARUMA & JOMMYに次ぐ活躍を見せている。そもそもこのパーティが始まる以前から、彼らは日本のクラブシーンでオルタナティブに活動してきた。KENTACATSはWOMB LOUNGEで〈BOMBYX SOUND〉をオーガナイズし、MR.TAKAHASHIは2014年に開催されたDJコンペティション「BURN Residency」の日本チャンピオンに輝き、その後イビサでCarl CoxやJohn Digweedの教えを受けている。国内トップクラスの実力を持ちながら、決してコマーシャルに迎合せず自身のスタイルを磨き続けてきた。

ようやくシーンが彼らに追い付いてきた今、今回のインタビューでは、EDGE HOUSEの現在地に迫りつつ、改めて彼らの足跡を辿った。


― まずはKENTACATSさんのこれまでについてお聞きしたいです。WOMB LOUNGEで開催されていたパーティ〈BOMBYX SOUND〉のオーガナイザー / DJとしてキャリアをスタートさせたそうですね。特定のジャンルがかかるパーティではなかったと聞いているのですが、ご自身はどのような音楽を聴いてらっしゃったんですか?

KENTACATS: 元々はエレクトロでした。〈BOMBYX SOUND〉は僕ともう一人のオーガナイザーが2009年にスタートしたパーティなんですが、僕ら二人ともエレクトロが好きだったんです。厳密に言うとエレクトロ・ロックかな。MGMTとかSoulwaxBasement Jaxxが好きでした。DJだったら2manydjsとか。“好きな音楽をかけよう”ってパーティだったので、出演してくれるDJが増えてゆくうちにジャンルも多様化していきましたね。…まぁでも4つ打ちがメインでした。エレクトロを基調としつつ、ハウスやロックも入ってくるイメージですね。DJとしても、その手の曲をプレイするスタイルから始めました。

― TAKAHASHIさんの音楽的ルーツは何ですか?

MR.TAKAHASHI: Daft Punkが入口だったので、僕もそのままフレンチ・エレクトロに繋がりましたね。当時その界隈では最強だった〈Ed Banger〉を掘って行くとJusticeDJ MEHDIにぶち当たって、どんどんハマっていきました。僕は大学時代を福岡で過ごしたんですけど、その頃は中央区にO/Dってクラブがあったんです。その時はエレクトロ全盛期だったしそのクラブも大きかったんで、大沢伸一さんもDEXPISTOLSも80KIDZも来てましたね。

― いずれも日本のエレクトロシーンにおけるパイオニアですね。

MR.TAKAHASHI: そうなんですよ。当時の僕は大学に行きながら、彼らのアテンドを担当してました。機材はその前から持ってたんですけど、DJの技術的な部分はその時に学んだ気がします。

― お二人のルーツに共通しているのは“エレクトロ”なんですね。

KENTACATS: そうですね。Justiceを聴き始めたのも20歳前後の頃だったので、世代的な部分もあるでしょうけど。ちょうどクラブに行き始めた時期と、エレクトロの台頭が重なってた。

MR.TAKAHASHI: あの頃のクラブシーンって、派手だけど品があったよね。

KENTACATS: みんなファッションにも気合入ってたし。

MR.TAKAHASHI: そうそう、お洒落だった。今もパーティフォトとかありますけど、当時はそこにかける熱量が違ったんです。“クラブで写真撮られるにはどうしたらいいんだろう?”って考えて遊びに来るヤツもいました。レーベルとして力のある〈Kitsuné〉は実際にファッションアイテムも取り扱ってましたし。音楽とファッションの結びつきは、今より強かったと思います。

― お二人の出会いはいつ頃なんですか?

MR.TAKAHASHI: 僕が上京して間もない頃だったと思います。

KENTACATS: BOMBYX始めて2年目ぐらいですかね。僕とKazuma(MR.TAKAHASHI)の間に共通の友達がひとりいるんですけど、その人から「福岡からヤバいDJが来てる」と紹介されて。……で、実際に僕らのパーティに出てもらったら本当に凄かった。当時の僕はDJを趣味程度にやってたんですけど、初めて彼のミックスを聴いたときは「ガチな人来た」って思いましたもん(笑)。

― その後世の中をEDMが席巻するわけですけども、お二人ともそのムーブメントを経由しなかったんですよね? 2014年にTAKAHASHIさんは「BURN Residency」の日本チャンピオンとしてイビサに行かれたわけですが、その時の様子を教えてください。

KENTACATS: 好きな音楽がずっと変わらなかったから、EDMには乗り切れなかったんです。今振り返ると、EDMって特定の音楽ジャンルを指す言葉ではなかったと思うんですね。誰かが言ってましたけど、EDMは「現象」だった。僕も当時のコンテストの様子を知ってるんですけど、エレクトロで挑んだのはKazumaだけでしたよ。その時の参加者のほとんどがEDM系のDJ。

MR.TAKAHASHI: その中で、なぜか勝ってしまった(笑)。まぁでも、イビサもEDMの影響は受けてましたよ。UshuaïaにはAviciiやSwedish House Mafiaが出てましたし、彼らを目当てに来るお客さんもたくさんいました。ただ、イビサはその時もアンダーグラウンドな音楽がちゃんとポジションを確保してたんです。老舗のPachaではSteve Aokiのパーティがあった次の日に、Solomunのイベントがあったりして。そこにDubfireやAndhimもラインナップされてました。その時は“テックハウス”って名前は付いてませんでしたけど、今僕らがやってるような音楽も鳴ってたんですよ。EDMがメインストリームでイケイケだった時代でも、イビサではアンダーグラウンドな音楽も超強かった。それが僕には励みになりましたね。“まだ全然やれんじゃん”って。

KENTACATS: ただ、当時僕らがやってたようなパーティは結構キツかったです。月2本あったイベントが月1本になって、お客さんの入りもあまり振るわなくなってきた。

MR.TAKAHASHI: イビサから帰ってきたけど現場は減るっていう(笑)。

― そこにテックハウスのようなグルーヴのある4つ打ちが台頭してくるわけですね。「EDGE HOUSE」的な流れは具体的にいつぐらいから感じてましたか?

KENTACATS: 2017年の末から2018年にかけて、ですね。ある日渋谷のBRIDGEに遊びに行ったんですけど、そこでJOMMYさんに「SolardoとCamelPhatって知ってる?」と聞かれて。その時は彼らのこともまだよく知らなかったんですけど、後になって色々調べてゆくうちに“テックハウス”がどうやらヨーロッパでは盛り上がってるらしいことが分かってきました。それこそ「elrow」が今めちゃくちゃアツいパーティだってことも。

CamelPhat – 「Reverse It」

MR.TAKAHASHI: 図らずも、僕らもちょうどそのモードだったんですよ。テックハウスって言葉が流通していない時期でしたけど、その時の自分のプレイリストを見ると完全にそこへ照準が合ってるんです。Claude VonStrokeやEats Everythingは今やテックハウス界隈でも第一線級ですけど、彼らの曲はこのムーブメントが始まる前からかけてましたね。

KENTACATS: で、「EDGE HOUSE」が始まる直前、2018年の末にVISIONにテックハウス系のレーベル〈CUFF〉を主宰するAmine Edge & DANCEが来た。この日は僕も遊びに行ったんですけど、めちゃくちゃ面白かったんです。この時に、肌感覚として“テックハウスが来る”って感じました。「自分もこういうパーティに出たい!」って強く思いましたね。

Amine Edge & DANCE vs Blaze (Kevin Hedge) – 「Lovelee Dae」

― そして「EDGE HOUSE」が開始され、お二人は今やレジデントDJです。B2Bで出演されることも多々ありますが、それぞれのDJを聴くと実はプレイスタイルに違いがあるのではと感じています。お互いのDJに対してどのような印象をお持ちですか?

MR.TAKAHASHI: KENTACATSのほうがDJ中の立ち振る舞いとかも含めてクールだよね。ヒップハウスとかも好きだし、少しずつアゲていくタイプだと思います。僕は彼と比べるとファンキーかもしれないです。

KENTACATS: そうだね。Kazumaはエフェクトもガンガン使ってお客さんを煽ったりするので、確かにコントラストとしては逆かもしれないです。クールとファンキー。さっき話に出た「BURN Residency」のコンテストの時も動きが多かったし(笑)。本人は「パフォーマンスだ」って言ってたんですけど、そういう野性的なアクションが似合うDJだと思います。

MR.TAKAHASHI: 楽しそうにやってるDJのほうが見てる側も気持ち良いんですよね。自分の体験を振り返っても、動きが激しいDJは印象に残ってることが多い気がします。

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コロナ以前の「EDGE HOUSE」にて。

― スタイルにシンパシーを感じるDJはいますか?

KENTACATS: スタイルの模範にするようなDJは特にいないんですけど、色々整理するとフランスに行く着くことは多いです。自分はフランスのレーベルやアーティストが好きなんだなってことに最近気づきました。さっき話に出たCUFFもフランスですし、Beatportで買った曲を並べてるとあのレーベルから出てる曲が多いんです。今は活動してないですけど、BrodinskiとManu Barronが運営していた〈Bromance Records〉も好きでした。USのアッパーなノリも嫌いじゃないんですけど、僕はやっぱりヨーロッパ的な落ち着いたスタイルがより好みですね。僕のDJがクールに見えるとすれば、そこに繋がるかもしれないです。

MR.TAKAHASHI: いやでも品は大事。最初の方でも言いましたけど、僕は音楽を追求する上で品を重要視していて。EDMの勢いが迫っているときに、僕の中でEDMにあまり品を感じる事が出来なかったんですよね。今テックハウスと呼ばれるトラックにも派手な物はたくさんあるけど、自分の中でその一線を越えずにDJプレイする事は大きなテーマになってますね。

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コロナ以前の「EDGE HOUSE」にて。

― EDGE HOUSE発足当初に比べると、ずいぶん界隈も細分化されていった印象があります。アーティストがそれぞれ個別にレーベルを持つようになりましたし。その中で、お二人が今お好きなレーベルを改めてお伺いしたいです。

MR.TAKAHASHI: なんだかんだSolardoがやってる〈SOLA〉が好きですね。もう今やビッグレーベルですけど、その理由が分かるというか。どの曲もみんなが好きな音がどこかに配置されてるんですよ。この間、Martin Ikinがこのレーベルから1曲出してましたけど、すごく良かった。

― SOLAはPasquale Caraccioloのような若手も積極的にフックアップしてますし、プラットフォームとしても強いですよね。

KENTACATS: この間PopofもSOLAから出してましたね。テクノのプロデューサーもここから出すような状況もあるので、僕もSOLAは面白いと思います。

POPOF – 「Open Head」

― KENTACATSさんはCUFFの名前を挙げてくださいましたが、他に注目しているレーベルがあれば教えてください。

KENTACATS: 僕はさらにインディーなレーベルが気になりますね。Meléがやってる〈Club Bad〉とか、Boston Bunの〈Circa’99〉とか、もうほとんど個人商店みたいなレーベルに注目してます。名のあるアーティストじゃなくて、自分の友達の音源をリリースしちゃうカジュアルさが良いなと。彼らはオリジナルのグッズも好き勝手作ってますし、ファッションにもこだわってるんです。EDGE HOUSEもいくつかグッズを展開しているので、そういうシンパシーは感じますね。

MR.TAKAHASHI: 僕も音楽以外のところにチャンネルを作る必要性は感じてます。それこそファッションは僕らも好きな分野なので、そこに感じてくれる人がパーティに来てくれたらもちろん嬉しい。

KENTACATS: まぁバランスは大事だけどね。ファッションのパーティではないから、音楽にプライオリティを置きつつって感じです。

― EDGE HOUSEには色んなバランスがありますよね。今仰ったような“音楽とファッション”っていう要素のバランスと、世代間のバランス。KATIMI AIさんやJUNYA UTSUNOMIYAさん、TOMOYAさんら若手も多くレジデントDJとして名を連ねています。

MR.TAKAHASHI: それはそうですね。僕らは自分たちのことを「中間管理職」って呼んでるんですよ(笑)。僕らも最近まで若手のつもりでいたんですけどね。いつの間にかゴリゴリの中堅に…。

KENTACATS: 世代的にちょうど僕らは孤立してるからね(笑)。EDGE HOUSEのチーム内では、それぞれ10歳ずつ離れてるんです。DARUMA & JOMMYが一番上で、その10コ下が僕ら。そのまた10コ下に若手陣、という感じですね。8月7日のEDGE HOUSEでは僕らがヘッドライナーとして出演するんですが、そんなチームバランスなので僕らがキャリア的にもそこに来る。コロナの影響がなくとも、僕らは二人それに対して意識的にならなければいけないと思っています。

MR.TAKAHASHI: 海外のアーティストが来られるようになった時のために、「EDGE HOUSE」全体でパワーアップしておきたいよね。

― 国内のハウスシーンの底上げってことですね。4月のSolardoとClaude VonStrokeしかり、5月のBoys Noizeしかり、来日公演は中止でなく延期と聞いています。国内外のクラブカルチャーが正常化するまで時間はかかるでしょうが、何か具体的に考えていることがあれば教えてください。

KENTACATS: 配信もいくつかやってみて感じたんですけど、やっぱりまだ現場の代替にはならないですね。もちろん配信は必要なんですけど、それをどうやってアップデートしてゆくかは常に考える必要があると思います。

MR.TAKAHASHI: 現場がなくなってる分はクリエイティブに時間を使えるので、曲作りも頑張りたいですね。実はもうマスタリングまで終わってる曲もあって、EDGE HOUSEのミックスでも使ってるんですよ。今度のパーティでもかけるつもりなので、ぜひ聴いてほしいです。

KENTACATS: 海外DJを迎える準備だけじゃなくて、シーンが正常化した際には“僕らが海外へ行く”ぐらいの気持ちでやりますよ。

Tracklist:
1) Work Me Goddamit ’96 / Armand van Helden feat. Old Skool Junkies
2) Tip Toe / Marco Strous
3) Open Head / Popof
4) Shake It / Jordan Brando
5) Groove’in / MR.TAKAHASHI
6) Make A Move (Extended Mix) / Max Chapman, ThreeSix
7) My High / Disclosure
8) Nut In Your Mouth / Seb Zito
9) Get Hype / Martin Ikin, Dope Earth Alien
10) Your Love / KENTACATS & MR.TAKAHASHI
11) Mvinline (Extended Mix) / Boys Noize


■ EDGE HOUSE -再起動-
2020.08.07 (Fri.)
@ 渋谷 SOUND MUSEUM VISION
<イベント詳細>
https://vision-tokyo.com/event/edge-house-saikido

 

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