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ロンドンのナイトメイヤー: 「政府はナイトクラブに財政的な支援をする必要がある」

パンデミックの真っ只中、一体何が成しえるのか。ロンドン市公認の“Night Czar”(日本ではナイトメイヤーとして知られる役職)のAmy Laméに話を聞いた。

Mixmag Japan | 6 January 2021

Amy Lamé, Amy Lamé インタビュー, mixmag

日本を含む多くの国と同様、英国のナイトライフ産業は危機的な状況にある。政府による早急な支援を必要としているが、現段階では十分なそれが得られていない。主要なベニューの多くは通常通りに営業できず、既に廃業を決めた店舗も多く存在している。イングランドでは午後10時以降の営業は禁止され、スコットランドでは屋内での飲酒が不可となった(2021年1月6日現在はさらに厳しい措置が取られている)。

クラブ産業従事者たちによって、ある嘆願書が政府へ提出されたが、当局から色よい返事は返ってこなかった。あまつさえ財務大臣のRishi Sunakに至っては、「ほかの仕事を探すか、職業訓練を受けて新たな可能性を見つけたほうがよい」とまで発言している。シーンから反発の声が上がったのは言うまでもない。

私たちは今、何をすべきなのか。あるいは何ができるのか。ロンドン市初の公認ナイトメイヤー・Amy Laméに話を聞いた。緊急事態宣言発令が間近に迫った日本でも、参考になることがあるだろう。


― ナイトクラブやシーンを守るために、あなたはロックダウン期間中にどのように行動していましたか?

Amy Lamé(以下、Lamé): ロンドンのナイトライフは世界で最も充実しており、イギリスの文化と経済に大きく貢献してきました。ですが、ウイルスが私たちの業界に壊滅的な影響を与えたことは明らかです。ロックダウンが始まった時点で各ベニューの収入は完全に途絶え、ナイトタイムエコノミーのほんの一部にだけ支援がありましたが、まったく十分なものではありません。依然として大きな財政難に直面しており、多くのクラブはいつ再開できるかわからない状態です。政府からシーンの復旧に向けたロードマップが承認されたり、目標とする財政支援を受けられるかどうかについても何も伝えられておりません。

ロンドン市長と私は、この困難な時期にクリエイティブ産業全体のビジネスを支援するため、できる限りのことをしてきました。私たちは、最も経済的にリスクのある小規模な文化ビジネスをサポートするために230万ポンドの緊急基金を立ち上げました。対象となった141店舗がCOVID-19の影響に対処するための支援と指導を受け、12万8500ポンドの助成金が市内のLGBTQ+ビジネスに提供されています。さらに経済的に最もダメージを受けた場所を特定し、個別にサポートしてゆく施策も立案しました。また、文化主導型の企業に対する支援も行っています。

シーンに従事する人々とも可能な限り会合を持ってきました。彼らに向けて支援やガイダンスを提供したり、より状況が悪化した場合の懸念事項のヒアリングを行っています。

― あなたやロンドン市長は、イギリス政府の対策に対してどのような権限を持っていますか?

Lamé: ロンドンはウイルスが蔓延したことによって深刻な分岐点を迎えています。政府は適切なテストの実施や接触確認システム(日本でいうCOCOA)を構築することができませんでした。そして、パブ、バー、レストランの閉店時間を午後10時に定めましたが、営業時間が短縮されるのを見越した追加財政支援はありませんでした。

私はこれまでに多くのバー、クラブ、レストランに話を聞いてきました。例えば、LGBTQ+のベニューの3分の1は営業時間が午後10時以降で、その大半が繁忙期を深夜帯に迎えます。それに類する飲食店の売り上げは低迷しており、UKHospitality*はこのままではその多くがすぐに廃業してしまうだろうと警告しています。

*UKHospitality: UKにおけるホスピタリティ部門のデベロッパー的組織。その筋では最大の権威

また、私たちは政府に対し、特定の事業に対する緊急支援政策を導入するように促しており、同時に夜間外出禁止令の即時見直しについても強く求めているところです。

― Rishi Sunakらを含む英国の議員の中には、ナイトライフ産業における仕事は「時勢に合わないから支援されない」という旨のコメントを出しています。これに対してはどう思われますか?

Lamé: 全く同意できません! ロンドンのナイトエコノミーは、首都経済に大きく貢献しています。それはまさしく私たちがこの街に住んでいる理由であり、毎年多くの人々が海外から訪れる動機です。それらの経済効果は一体いくらになると思いますか。

バーやパブは、規制された環境での営業に慣れています。彼らはお客を安全に招き入れるために様々な手立てを考え、それに尽力してきました。飲食店は問題の一部ではなく、むしろ解決への道しるべなのです。

私たちのナイトライフは、クリエイティブなエコシステムを創出し、多くの雇用を生んでいます。パンデミックが終息したあと、このシーンが経済的・社会的回復に重要な役割を果たすことは間違いありません。

― イギリスの他の都市ではどのような対策がとられているのでしょうか?

Lamé: それについては、私の焦点はロンドンのナイトライフにあると前置きしたうえで話します。私は定期的にイギリスの地方都市や世界各国の主要都市と連絡を取り合っており、様々なナイトメイヤーと話をしてきました。彼らが何をしているのか、そしてお互いから何を学ぶことができるのかを議論しています。マンチェスターやソウル、ベルリンにシドニー、そしてニューヨークやパリ…。各々の都市にはどのような制限が課せられ、どのようなサポートがあって、シーンが何を必要しているのかを話し合っています。例えば、パンデミックの初期のオーストラリアとニュージーランドでは、レストランのバーエリアを封鎖して座席のみを開放していました。リトアニアの首都・ヴィリニュスではより多くのベニューがオープンエアのスペースを確保していると聞いています。

しかし各都市はそれぞれで異なる課題を抱えているので、対話を続けてゆく必要はあるでしょう。私は今後も定期的にナイトライフ事業者、中小企業連盟、英国ビール・パブ協会、それぞれのベニューのオーナーと話をして、彼らが何を必要としているのか、私たちが何をサポートできるのかを探ってゆきます。

― ナイトクラブを安全に再開するには?

Lamé: ロンドンのナイトクラブは世界的なシーンを牽引してきました。先ほどから繰り返しているように、間違いなくこの国の重要な経済資源です。ウイルスへの感染リスクを最小限に下げて再オープンできた店舗もありますが、シーン全体がいつ再開できるかについては何も示されていないことに不安を感じています。だからこそ、私はロンドン市議に会い、ナイトクラブの再オープンのためにロードマップを政府に提案すべきだと求めているのです。

精度の高いウイルス追跡システムが早期に実現されることも重要ですね。また、ナイトクラブが閉店したままの状態で政府の財政的な支援を受けることも必要です。

― シーンを救うために、バーやクラブなどのナイトライフ産業で働く人たちに対して、私たちは具体的にどのようなサポートができるでしょうか?

Lamé: 団結し続けることでしょう。ナイトタイムエコノミーに従事する方々は、政府に財政支援を求め続ける必要があります。具体的なアドバイスを受けたい場合は、Culture at Risk*のサポートチームに連絡してください。内容にあわせたお答えができると思います。何より大事なのは、パンデミック以降のビジョンを共有することです。

*Culture at Risk: ロンドン市長直属の文化サポートオフィス。市全体の文化的インフラを保護する任務を担っている

今は信じられないほど困難な時期ですが、ロンドンのナイトエコノミーは世界で最も優れています。共に戦いましょう。


Text_MIXMAG STAFF
Edit_Yuki Kawasaki

 

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