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Masayoshi Iimori 【インタビュー】 「自分の証みたいものがずっと欲しかった」

日本のダンスミュージック界の至宝が打ち立てた記念碑的一枚について。

Mixmag Japan | 26 May 2020

Masayoshi Iinori, Masayoshi Iimori アルバム, DECADE4ALL, mixmag

東京を拠点とする〈TREKKIE TRAX〉の中核メンバーにして日本のダンスミュージックの明日を担う存在、Masayoshi Iimori。国内のみならず、A-trakのレーベル〈Fool’s Gold〉、DJ Snakeが主宰する〈Premiere Classe〉などからリリースを重ね、グローバルな場面でも存在感を強めている。ULTRA JAPANやEDC Japanにも既に出演済みだ。

そんな彼が、4月22日に初のフルアルバム『DECADE4ALL』をリリースした。10代の頃から始めた楽曲プロデュースも今年で10周年。本作は10年の中で彼が培ったものをすべて詰め込んだ、まさしく記念碑的な内容となっている。本作のリリースが決まった頃は世の中がまさかこんな状態になっていようとは予想していなかっただろうが、彼は葛藤しながらも前向きに未来を見ている。アルバムについて筆者の個人的な感想を最初に述べさせてもらうと、“来るところまで来たな”という印象を受けた。インターネットやゲーム音楽から派生した才能の10年は伊達ではない。もうひとつ付け加えると、彼に限らず現在のTREKKIE TRAXもレーベル結成7周年にして過去最高のパフォーマンスを見せているように思う。

今回のインタビューは、アルバムのことはもちろん、コロナ禍にある現在のシーンについても話が及んだ。


― まずはアルバムについてお話を伺いたいです。今回は言葉の重要性が前に出てきているような印象を受けました。直近でシングルカットされた曲を並べると、「Seeya」、「I Don’t Care」、「Friday」、すべてラップが入ってるんですね。

Masayoshi Iimori(以下、M): 結果的にそうなってますけど、あまりそこは意識してなかったですね。僕もKendrick Lamarの『Good Kid, M.A.A.D City』以降のUSヒップホップは聴いてきたし、いつかは自分でもビートを作ってみたいと思ってました。で、最近は日本国内にも素晴らしい実力を持ったラッパーが多く出てきてるので、“もしかしたら自分にもできるんじゃないか…”と考えるようになったんです。実際、今回参加してくれたラッパーは、みんなUSのアーティストと比べても遜色ないと思いますね。オーディエンス側の視点から見ても、かなりそのカルチャーは根付いてるような気がします。なので、タイミング的に今かなと。

― なるほど、あくまでカッティングエッジな音楽やカルチャーの輸入だったわけですね。現状が現状なだけに、てっきり何かのメッセージを表明する上でのエクスキュージかと思いました。

M: まぁそう解釈される場合もあるでしょうね。それはそれで別に問題ないです。よほど間違った解釈でなければ、好きに受け取ってもらって構わないですよ。言葉は音よりもずっと具体的ですけど、そこから想像されるものは結構様々だと思うので。

― Iimoriさんらしいマッシブなダンスチューンも収録されています。「Punching Down」や「Tell You」、「NEWALONE」など…。しかし、こちらすべて新録なんですね。以前発表した曲はほぼ未収録。Reprise版の「Euphoria」を除き、DJ SnakeのPremiere Classeからリリースされた「Flow」ですらも収録されてません。

M: そこはTREKKIEのメンバーとも話し合ったんですよ。入れるべきか、入れないべきか。色々話し合った結果、今回は収録しないことにしました。「Flow」はDJ Snakeが関わってるだけあって、YouTubeの再生数なんかも多いんです。でもやっぱり今回は自分の名前だけで勝負したかった。例えばイベントのオーガナイザーとか、レーベルの主宰とか、誰かと話すときに、自分の名刺の代わりになるものが作りたかったんです。今は自分のフォロワーも結構増えてきて、界隈を追っている人だったら僕がどういう音楽を作ってるのか知ってもらえているんですけど、その範囲をもっと広げたかった。初対面の人にも、このアルバムを聴けば僕のことを大体分かってもらえるような、アーティストとしての証が欲しかったんです。

― 確かにIimoriさんが今やってらっしゃるtwitchでの作曲レクチャーの様子を見てると、「フェスティバルミュージックならIimoriさんに聞いてみよう」感がありますね。「ジャンル違うかもしれないんですけど、僕の曲聴いてくれませんか?」みたいなコメントもありましたし、多くのオーディエンスがIimoriさんの作家性を理解してるような印象があります。

M: ありがたいことに、そうみたいですね。僕を知っている人にはそのイメージを広げてもらいたくて。その点、今回は結構分かりやすく曲ごとのカラーをはっきりさせたつもりなんです。「Backdown」ではFellsiusに参加してもらってテックハウスっぽいプロダクションにしましたし、「Alcohol」はRelectと一緒に作ってハードコアにしました。僕は元々ゲーム音楽からダンスミュージックに入りましたけど、10年間で制作の幅もだいぶ広まった気がしてるので、そっちにも注目してほしいですね。

― Iimoriさんの年齢で活動10周年と聞くと、“ついにインターネット世代が本格的に台頭してきたな”という印象も受けます。しかも既に海外の名だたるレーベルからもリリース済みですし…。Fool’s GoldやMad Decentから自分の曲が出るっていうのは、10年前のご自身では想像してらっしゃったんですか?

M: それがですね、割と想像できてたんですよ(笑)。最初から海外のシーンを目指して曲を作ってたので、今の自分の状況にそこまで驚きはないんです。それこそインターネットのおかげでコンタクトも取りやすくなりましたし。曲のリリースだけじゃなくて、実際に海外のイベントに呼んでもらうケースも増えました。ネット環境さえあれば、ほぼリアルタイムに海外の詳細なシーンの動向も追えましたし、自分が努力する方向性も分かってましたね。でもそれは自分のカラーを曲げてシーンや特定のレーベルに合わせるってことじゃなくて、自分の得意なことを更に伸ばすって意味で。僕は器用なほうじゃないので、自分の中にないことはできない。

– 今まで様々なアーティストにRemixの提供や曲のプロデュースを行ってらっしゃいますが、他のミュージシャンと関わる上でもそのバランスは保ててらっしゃるんですか? たとえばReolさんに提供された「insider」は、一聴しただけでIimoriさんの曲と分かるようなプロダクションでしたけども。

M: Reolさんの場合、リファレンスとして挙げてくれたのがBaauerがM.I.A.とG-DRAGONを迎えて作った「Temple」って曲だったんです。で、「この感じだったらすぐ作れますよ!」とお答えして、本当に1時間かからずに曲ができてしまったんです。…なので、さっきの話と通じるかもしれないですね。僕がどういうプロデューサーなのか分かってくれている人が増えつつあるっていう。

― 以前TwitterでもBaauerの「PLANET’S MAD」を絶賛されてましたが、今のIimoriさんにとって彼は重要なインスピレーションなんですか?

M: そうですね。今は“EDM”って言葉がほとんど死語になって、かつてそこにカテゴライズされていたDJやプロデューサーもそれぞれ違うことをやり始めてるじゃないですか。Baauerはその移行がすごくスムーズだったと思うんです。移行というか、彼の場合はアルバム1枚の中で色々なアプローチを仕掛けてくるアーティストなので、本人にあまりその意識はないのかもしれないですけど。僕も元々ビッグルーム系の音楽からプロデューサーとして認識されていった経緯があるので、彼の曲はすごく参考になってます。「PLANET’S MAD」、ほとんど映画音楽ですよね。

― 今はコロナ禍で様々な行動が制限されてますが、無理やりポジティブに捉えるならこういうクリエイションに時間を割くことはできそうですね。

M: 僕も今はそれぐらしか考えてないですね。配信は呼んでもらえれればぜひやりたいし、実際何本か出てますけど、見方が均一化されないといいなとは思います。コロナ前のフェスを振り返っても、ステージごとにカラーが違っていたから面白いわけで。配信だとそれが分かりにくい気はします。各プロデューサーやDJにそれぞれ得意なことがある中で、「配信に強い音楽」だけが生き残ってしまうと、コロナが収束した後に辛い状況になってしまうんじゃないかと。曲を作るとは言いましたが、僕自身はそこに引っ張られ過ぎないようにしたいです。出来ることは何でもやりつつ、自分を見失わないことが当面の目標ですね。


Interivew_Yuki Kawasaki

■ Masayoshi Iimori / DECADE4ALL
Masayoshi Iinori, Masayoshi Iimori アルバム, DECADE4ALL, mixmag
Label: TREKKIE TRAX
Tracklist:
1. D4A (Intro)
2. Euphoria (Reprise)
3. Punching Down
4. Backdown feat. Fellsius
5. NEWALONE (Extended Mix)
6. I Don’t Care feat. Merry Delo / 作詞 : Merry Delo
7. Tell You
8. Runesword
9. Seeya feat. gummyboy / 作詞 : gummyboy
10. Friday feat. TYOSiN / 作詞 : TYOSiN ※リード・トラック
11. Hopez
12. Alcohol feat. Relect
TREKIE TRAX 公式ストア

 

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