svgs_arrow-01-l svgs_close svgs_heart svgs_menu svgs_play svgs_stop svgs_arrow-02-b svgs_facebook svgs_instagram svgs_line svgs_search svgs_soundcloud svgs_twitter favorite player svgs_arrow-03-r svgs_setting svgs_slide-menu-bottom svgs_arrow-01-b more gift location recommended star clear

FEATURES

Report:TECHNO INVADERS

国内最強の“テクノ・マエストロ”石野卓球を筆頭とした、辣腕のDJたちが一堂に。

Mixmag Japan | 27 June 2019

石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag
渋谷のSOUND MUSEUM VISIONにて間欠的に開催されるテクノパーティ、「TECHNO INVADERS」。KEN ISHIIやDJ KRUSH(TECHNO Set)を筆頭としたレジェンド勢だけでなく、CarpainterやSEKITOVAなど、次世代を担うプロデューサー / DJも同時に出演するのがこのパーティの特徴だ。ひとくちに“テクノ”と言っても今日では様々あるが、ここではその多様性もそのまま表現されている。そしてその中心に居るのが、間違いなく石野卓球だ。世界を見渡すと、その一挙手一投足がシーンに影響を及ぼす存在がいる。たとえばアダム・ベイヤー(Drumcode)やSolomun(Diynamic Music)らがそれに当たるだろう。日本における石野卓球は、そのような存在だ。
この記事では、そんな彼が出演した平成最後の「TECHNO INVADERS」(4月29日)の模様をレポートする。


石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag
石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag
石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag
23時過ぎにVISIONに到着したが、既に会場内はほぼ満杯。ピークタイムが大体2時~4時だと仮定すれば、ここから更に人が増えるわけだ。実際、夜が深まるにつれて続々と人がなだれ込んできた。メインフロアでLicaxxxが回す頃(23時半~)には、バーカウンター手前まで人が溢れていた。今やジャンル問わず様々なパーティやフェスティバルに引っ張りだこの彼女であるが、個人的には「TECHNO INVADERS」で回すときのモードが一番好きだったりする。時折アナログ盤のジャケットを振りかざすかたわら、KH(Four Tetの別名義)の「Only Human」などをプレイ。ロウハウスとテクノの間を自由に往来するような選曲を、彼女は箱のスケールに関わらずこなしてゆく。
石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag

Licaxxxの後に登場するのが砂原良徳であったことも、「TECHNO INVADERS」らしさと言ってよいだろう。冒頭で述べたように、若手とベテランのバランスが抜群である。ちなみにクロージングを務めたのは「TREKKIE TRAX」などからリリースを重ねるデュオ、iivvyyである。ベースミュージック経由のテクノといった趣で、いつもながら彼らも素晴らしかった。新曲のリリースが待ち遠しい。
砂原の出演時にはオーディエンスのクラブ間のハシゴもあらかた終わり、フロアのノリも固まってきた。そこへ彼はラップトップとALLEN & HEATHのコントローラーを小脇に抱え、颯爽と現れるのである。余談だが、筆者は彼の影響を受けて過去に全く同じコントローラーを購入したことがある。その結果分かったのは、機材を揃えただけでは同じクオリティのミックスはできないということだ。砂原のミックスはライブ感に優れ、より直感的な選曲によって構築される。たとえばこの日は、BPM125前後のテックハウスを彼なりの解釈で紡いでいた。CDJよりもコントローラーは音の選び方が視覚的なので、より自由にサウンドスケープを構成できるのだ。彼はその効果を最大化することに長けている。この曲も、エフェクトを駆使しつつ自然なミックスで繋いでいた。

石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag
そして深夜2時を回った頃、満を持して石野卓球が登場した。彼がブースに姿を見せた瞬間、オーディエンスからは歓声が上がる。文字通り“パンパン”のフロアであるから、後方で踊っている人からは石野の表情も見えなかったかもしれない。それでも、場の空気が変わったのははっきり認識できたはずだ。彼がCDJにディスクを挿入し、ミキサーの前に立つだけでスイッチが入る。
石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag
BPMは125前後で始まり、自身の楽曲「Rapt In Fantasy」やウィル・クラークとBOTによる「Techno (Not Techno)」(恐らく原曲でなく誰かのRemix)を繋いでゆく。いやはや、最初の30分で彼の現在地を邪推してしまいそうだ。BPM130台の速くて硬いテクノでなく、どちらかと言えばテックハウス中心の選曲。ここ数年の彼のリリースを考えても(最新アルバム『ACID TEKNO DISKO BEATz』などを参照)、やはり標準はそこに合わせている気がする。何より驚くべきは、そのレンジの広さ。ウィル・クラークなどの現行テックハウスの中心人物に触れつつ、必殺技のようにPlastikmanの「Spastik」を投下してくる。

何度か書いているが、「TECHNO INVADERS」はラインナップからして世代をまたぐような様相を呈している。石野のDJはそのコンセプトさえも軽々超え、もはや万物のダンスミュージックを繋いでみせるのだった。歴戦のDJは数多くいるが、今もなおミックスの幅を拡張し続けている人物は世界規模でも稀だろう。「Acid Monkey」や「Polynasia」などの過去の名曲に頼らず、現在進行形でシーンを開拓できるDJが何人いるだろうか。(もちろん「Acid Monkey」がかかるのなら、それはそれで嬉しい)
この記事が公開される直前にも、そのアーティスト性を裏付ける素晴らしいニュースが飛び込んできた。6月12日より5週連続で石野卓球名義のシングルが配信リリースされるという。その一発目が「Turkish Smile」。この曲、「TECHNO INVADERS」でも当然のようにかけられていた。それも、何の違和感もなく。

ジャケットからして前作の『ACID TEKNO DISKO BEATz』と地続きだが、音としても強い繋がりを感じる。違和感の無さはそれも理由だが、上で述べたのは彼の技術によるところが大きい。先ほど書いたように、そのミックスの幅の広さは恐ろしさを感じるほどだ。「Turkish Smile」のように未リリースの曲も、あたかも以前から存在していた曲の様に聴かせることが出来る。過去から現在を繋ぎ、現在から未来を繋ぐ。
ちなみに筆者は20代半ばの若輩者だが、このスケール感には途方もないものを感じる。年齢で言うと30歳ほど開きがあるけれど、たとえあと20年経ったとしても、この差を埋められる気はしない。歳を重ねて、色んな音楽を聴いて、ジャンルの好き嫌いがティーンネイジャーだった頃よりもはっきりしてきたけれど、石野卓球の背中はずっと遠いままだ。
石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag
石野卓球, 石野卓球 VISION, TECHNO INVADERS, mixmag
多分、これからもずっと。


Photography_Yasuhiro Matsuo
Text_Yuki Kawasaki

■ TECHNO INVADERS
2019.04.29
@ 渋谷SOUND MUSEUM VISION
石野卓球 ニューシングル「John RydoOn」

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でMixmag Japanをフォローしよう!