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FEATURES

Richie Hawtinが踏破するLive Setの極致

DJの司祭的クリエイティビティと、動的なバンドセットの邂逅。

Mixmag Japan | 23 October 2018

Live Setが激化する、昨今のダンスミュージックシーン

2018年ほど、Live Setを意識した年はないかもしれない。ダンスミュージックの界隈には以前からLive Setは存在していたが、その勢力は年々拡大している。例えばKiNKは積極的にLive Setを打ち出し、クラブシーンにおいて重要な存在感を放っている。Resident Advisorの読者投票において、2年連続(2015年・2016年)でベスト・ライブ・アクトに選出された。

KiNK | Boiler Room x Ballantine’s True Music Valencia

“以前から”という意味ではÂmeOctave Oneも特筆すべきだろう。パッドやエフェクターを巧みに操りながら、新たなサウンドを生成してゆく。もちろんDJにはDJの技術が存在するが、Live Setはより動きがあるのでオーディエンスからの視認性が高い。それが注目される理由のひとつであろう。そして近年、この動きは激しさを増してきている。

たとえば、オーストラリア出身のハーヴェイ・サザーランド。彼が鳴らす音は必ずしも4つ打ちだけではないが、ハウスのマナーに裏打ちされたパフォーマンスを展開する。愛機であるシンセサイザーの「JUNO-60」を巧みに操りながら、ハウシーなグルーヴを演出。今年の3月に彼を渋谷のContactで見た人は、その予測不能なディスコサウンドに胸を躍らせたのではなかろうか。

Harvey Sutherland – Ray Ban X Boiler Room 011 – Live Set

今年来日した中からピックアップするのなら、ジョン・ホプキンスも忘れてはならない。KORGのKAOSS PAD KP3を3台使ったLive Setは、もはや曲芸の域である。アブストラクトに音を変形させながら、それでも確かにグルーヴを作り上げてゆく。マッシブな展開でフロアを盛り上げたかと思えば、次の曲では途方もなく美しいサウンドスケープでオーディエンスを魅了。フジロックでは機材トラブルがあったものの、それを踏まえてもベストアクト級であった。

Jon Hopkins @ Villain | Pitchfork Live

が、彼をしても、“エレクトロニック・ミュージックのLive Set”は分かりにくいのだ。視認性が高いとは言え、それはあくまで“DJ Setと比較した場合”という前提が付く。Mixmag Japanの誌面第4号において、日本のプロデューサー / DJのSakiko Osawaも同様のことを言っていた。

では、打ち込み主体のダンスミュージックにおいて、如何にして動的な身体性を打ち出してゆくか? その問いのひとつがバンドセットである。同じく今年フジロックに来ていたHVOBがその典型例だ。ミニマルなサウンドと、ダイナミックなバンドのパフォーマンスでオーディエンスに迫る。

HVOB Live in Berlin

Richie Hawtinは二兎を追う。

リッチー・ホゥティン, リッチー・ホゥティン 来日, Richie Howtin CLOSE, Richie Howtin, mixmag

バンドセットを踏襲するときの問題点は、当然だが「ミックスができない」ことである。バンドの形態で他のアーティストの曲をやろうものなら、途端にカバー曲として解釈される。DJの仕事は単に良い曲をかけることでなく、流れ全体のグルーヴで魅せることだ。そしてその時、自分の曲を使うかどうかはあまり重要ではない(EDMは別だが)。それどころか、自分の曲をまったく使わないミックスだってザラである。ライブの流れを止めることなく、そして曲目の制約もなく、DJ Setは自由にストーリーを語ることが出来るのだ。

そんなDJの司祭的なクリエイティビティと、動的な身体性を同時に獲得しようと試みるのが、リッチー・ホゥティンのLive Set「CLOSE – Spontaneity & Synchronicity」である。ステージに立つのは彼一人だが、その迫力は圧巻。機材が置かれたテーブルを2脚ほどリッチー本人を挟むように配置し、その間で彼は忙しく動く。これ以上ないほど動的である。

Richie Hawtin CLOSE live | Mad Cool Festival, Madrid 14.07.18

そればかりでなく、自身の手元をスクリーンに映し出し、ビジュアル表現として活用する。これまで述べてきた“分かりにくい部分”をすべてクリアにしているのだ。そのうえ他のアーティストの曲も惜しみなく重ねてくるので、DJのミックスとしても十二分に解釈できる。本稿のタイトルにある通り、彼は既存のLive Setを踏破したのだ。もちろん、彼の実力と経験があるからこそ成立する芸当だが、今後のクラブシーンにおいても重要な参照点となるだろう。彼の「CLOSE」こそが、現行Live Setの極致である。

miraitokyo, miraitokyo 豊洲Pit, mixmag


■ MIRAI TOKYO – Audiovisual Media Art Show
日程:2018年10月27日(土)
会場:豊洲PIT
時間:開場・開演16:00/終演21:00
<イベント詳細>
https://www.media-art.tokyo/

 

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