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Shed 【インタビュー】 「今は何を作っても政治に繋がってしまう」

そこにあったのは、限りなく“個人的なストーリー”

Mixmag Japan | 19 December 2019

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ドイツ東部出身のDJ / プロデューサー、Shed。超名門テクノレーベル<Ostgut Ton>に所属する才人である。TAICOCLUB 2017では深夜にLive Setを披露し、昼間から踊り続けるタフなオーディエンスをアブトラクトな音世界へと誘った。そんなShed、先月11月に5枚目のフルアルバム『Oderbruch』をリリース。“Oderbruch(オーダーブルッフ)”は、旧東ドイツに広がるOder川沿いの地域を指す。Shedと彼の家族はここで育った。つまり本作は、自身のルーツがテーマである。

現在はベルリンに住み、世界中を飛び回る生活を送る彼がなぜ、このタイミングで故郷に立ち返ったのか。そこには限りなく“個人的なストーリー”があった。


– 現在はベルリン在住とのことですが、本作はあなたの記憶の中のOderbruchなのでしょうか?

Shed(以下、S): いや、今も地元にはよく帰るんだよ。自分の家もあるし、実際に両親や兄弟も同じ地域に住んでるしね。夏や冬に長期の休みが取れれば、2週間ぐらい滞在することもある。ノスタルジックな意味ではなく、確かな実感のある「ホーム」だよ。20年ベルリンに住んでみて、より客観的に自分を顧みることが出来たんだ。それこそが、今このタイミングで自分や家族が生まれ育った故郷にフォーカスしようと思った理由さ。

– なるほど。では、「Nacht, Fluss, Grille, Auto, Frosch, Eule, Mücke」は実際にあなたの故郷で録音されたものなのでしょうか?

S: そうだね。フィールドレコーディングはより具体的に対象を表現できる。でもその手法を使ったのは、この曲だけなんだ。今回はより感情に重きを置きたかったから。他のトラックでは、僕のOderbruchに対するフィーリングを表現したかったんだ。そこにフィールドレコーディングを使ってしまうと、具体的になり過ぎてしまうんだよ。そういう、具体性と抽象性のバランスは難しかったね。

Shed – 「Nacht, Fluss, Grille, Auto, Frosch, Eule, Mücke」

― 本作に対して“社会的・政治的である”と解釈する向きもありますが、それについては如何ですか?

S: 非常に今日的な解釈だと思うよ。何を作っても、すべてが政治に繋がってしまう。けれども、このアルバムは政治や社会とは全く無関係なんだ。世俗的なものからは完全に独立した作品だよ。世の中がアーティストに政治的なことを言わせたがっているのも理解できるけど、芸術がそこにのみ集中してしまうのは、それはそれで不健康なことだと思う。

– あなたは複数の名義(EQDやSTPなど)を使い分けていますが、どのような意図がありますか?

S: それも政治とは無関係だ。自分の楽しみのためだけだよ。たくさんの音源をリリースすることが僕の喜びだ。音楽に関して僕はエゴイストなんだと思う。誰かのために音楽をやっていないし、自分の欲望に対して忠実に曲を作っている。それが結果的に「政治的だ」と言われるだけであって、当初からそういうモードで音楽を作ることは少ないんだ。別名義でも多くのリリースがあるけど、あまりShedの音源と変化はないはずだよ。

– あくまで音楽は個人的なものということですね。あなたはLive SetとDJ Setを使い分けていますが、前者では自分の曲のみをプレイしていますよね。ここに何か特別な考えは反映されていますか?

S: Live Setがまさしく僕のパーソナリティそのものなんだ。DJ Setはビジネス。いや、ビジネスと言うと語弊があるかもしれないな…。「よりエンターテイメントとしての側面がある」と言うべきかな。まぁとにかく、僕にとってLive Setはより個人的な感情にフォーカスしたものなんだ。自分の曲しかプレイできない緊張感はあるけれど、最高にクールな体験だよ。

― 2年前のTAICOCLUBでもLive Setでしたが、素晴らしい夜でした。

S: あの時よりも更にアップデートしてあるよ。『Oderbruch』をLive Setに反映したからね。この間Berghainでライブがあったんだけど、その時のパーティはスペシャルだったと言わざるを得ない。僕の出番はだいぶ後だったけれど、残っていたお客さんはみんな楽しんでくれたんだ。アッパーなテクノではなく、比較的サイレントな内容だったけどね。

Shed – Live @ TAICOCLUB’17

― 『Oderbruch』のアートワークも示唆的ですよね。ドイツ東部の質素な雰囲気を感じます。

S: 良いジャケットだよね。画家のArnim Tölke(アルニム・テルケ)による作品なんだけども、彼を探し出すのは苦労したよ(笑)。インターネットでこの絵を見つけたんだけど、権利者が誰なのか全く分からなかった。散々探し回った末に、Ostgutのアレックスが探し出したんだ。彼がギャラリーで販売されていることを突き止めて、早速僕らはテルケにオファーしたんだね。実際にこの絵と対面を果たした時は、ほとんど一目ぼれだったよ。僕の家にも飾ってある。

― また日本でもお会いできると嬉しいです。

S: 僕もだよ! もうあれから2年経つんだね。

Compilation 2019 #Shed


Interview_Kimya Khayat
Edit_Yuki Kawasaki

■ Shed – 『Oderbruch』

Label: Ostgut Ton

 

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