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Stenny 【インタビュー】 「僕たちは創造的で刺激的な方法でシーンを発展させることができると確信している」

イタリアのトリノから、ドイツのミュンヘンへ。Ilian Tapeの才人は今日も衝動と感情を追い求める

Mixmag Japan | 4 March 2021

Stenny, Stenny インタビュー, mixmag

(c) Manuel Schuller

ジャーマン・テクノの新たな勢力として勢いを増しているミュンヘンのレーベル、〈Ilian Tape〉に所属するStennyは主宰のZenker Brothers、Skee Maskに続く看板アーティスト/DJとして活躍してきた。イタリアのトリノで育ち、現在はミュンヘンを拠点に活動する彼は2011年にIlian Tapeの一員となり、2013年にEP『Solstice Deity』でデビューして以降、コンスタントに作品をリリースし、2019年末には待望のフルアルバム『Upsurge』を同レーベルから発表。

彼の作品はDJにとって機能的なだけではなく、IDMやブロークンビーツの要素を取り入れるなど常に時代の先端を行くアプローチにより高く評価されている。クラブ休業期間中はミュンヘンのクラブBlitzの主宰するストリーミングプログラムやResident Adviser主宰のヴァーチャルレイブ『Club Quarantäne』で配信公演を行うなどしてきた。2020年3月6日に表参道VENTで行われた初来日公演からちょうど1年、Stennyが近況や楽曲制作、レーベルなどについてインタビューに答えてくれた。

― ミュンヘンの状況はどうですか?コロナ禍でどうやって過ごしていますか?

Stenny(以下、S): 今のところ、ミュンヘンはまだロックダウン中だよ。ちょうど長い散歩から帰ってきて音楽を聴いているところ。それ以上のことはできない。今年中に新曲のリリースを予定しているから、スタジオで忙しくしているよ。

― 昨年の初来日についてどのような気持ちだったか教えてください。パーティで印象的だったことは何ですか?

S: まさに激動だったよ。日本で過ごせたのはわずか24時間だったんだ。その頃フライトのロジスティクスが予想外に複雑になって、アジアツアーをキャンセルしなければならないところで、なんとか間に合うようにフライトを再度予約したんだけど、イベントの当日に日本に到着することになってしまった。翌朝には台湾に行くことになっていたから、滞在する時間がほとんどなくなってしまったんだ。でも、朝の成田までの電車の中はとてもシンプルで美しかったよ。好きな音楽を聴きながら景色を眺めているだけの時間は、感慨深かったね。

― あなたにとって日本は特別な国だと聞きました。それは何故ですか?

S: 日本の文化や芸術に魅せられたのは子供の頃からで、建築を学ぶ中で強くなっていった。日本の歴史、美学と時間が絡み合う奥深い哲学は、信じられないほど興味深いものだよ。この文化をとても愛し、尊敬している。

― 初アルバム『Upsurge』を制作するにあたりインスピレーションを受けたものは何かありますか。

S: ツアーや仕事で外出することが多くてスタジオに連続して入ることができなかったから、アルバムを作るのにはとても長い時間かかったんだ。主なインスピレーションは旅で訪れた場所やそこでの経験、制作したり編集を加えたその時の気分など。自分の表現したい感情を通して楽曲を鍛錬すること以外に確かな方法はなかったんだ。

― ジャケットのアートワークには何か意味があるのですか?

S: これは、実はビニールのゴミ袋をスキャンしたものだよ。普通ならゴミになるようなものを使って、その機能を視覚的に魅力的で意味のあるものに変えることができたら面白いだろうと、この作品を作ったアーティストのAnja Lekavskiと一緒に考えたんだ。

Stenny, Stenny インタビュー, mixmag

(c) Bleep.com

― デビューシングルから2017年リリースのEP 『Old Bad Habits』の特徴的なローファイ加工がされたシャビーなサウンドと、2019年の『Stress Test』や前回のアルバムではテイストはこれまでと共通点がありながらもシンプルでより洗練されたサウンドになっている印象を受けましたが、作風の変化についてご自身ではどう捉えていますか。

S: 僕の制作方法は確立されているけれど、常に自分自身に挑戦し、新しい曲を作るたびに進化させるのが好きなんだ。同じことをあまり繰り返えさないようにしている。これが僕の音楽制作の基本。違うスタイルを作るのも好きだけど、常に自分のタッチで作るのが好き。たとえ本当にインスピレーションを受けたとしても、誰かのスタイルを真似したくないんだ。自分の音楽は衝動的で直接的なものだと思っている。完璧を求めてはいない。技術的な完璧さよりも個性が重要だと固く信じている。でもそうだね、ある部分に関しては僕は几帳面で慎重になってきていると思うよ。常に学んで研究しているんだ。

Stenny, Stenny インタビュー, mixmag

(c) Manuel Schuller

― 新しく使用している機材などはありますか。

S: 僕のセットアップはハイブリッド。機材はいくつか持っているけど、多すぎず、十分な量だよ。100%のポテンシャルを発揮できるようにしたいんだ。去年はPulsar 23のように、新しい可能性を開く面白いマシンをいくつか追加した。それが僕に多くのインスピレーションを与えてくれて、新しい可能性を開拓することができたんだ。今のところお気に入りのギアだよ。

― ミュンヘンのクラブ事情について教えてください。Blitzはどんなクラブですか?

S: シーンはとても小さいけど、BlitzCharlieRote Sonneのような面白い場所がある。基本的にはアンダーグラウンドなクラブだね。あと、Radio 80000は毎日放送されているインディペンデントなラジオステーションで、全ての人のための素晴らしいプラットフォームを作っている。Blitzは、悲しいことにパンデミックの影響で1年前から閉鎖されている。美しいクラブであると同時に、僕たちの文化の重要なプラットフォームでもあるので、この場所を失うことがないことを願っている。僕としては、将来的にローカルな才能にもっとスペースを与えることができるようになって、正しい姿勢の人たちが多く関わっていってほしい。僕たちは創造的で刺激的な方法でシーンを発展させることができると確信しているんだ。

Blitzのメインフロア (c) Simon Vorhammer

Stenny, Stenny インタビュー, mixmag

Blitzのセカンドフロア (c) Simon Vorhammer

― 日本でも多くの人がテクノといえばベルリンというイメージを持っていると思いますが、ミュンヘンとベルリンのシーンの違いはありますか。

S: ベルリンは自由と多様性の首都であり、その歴史が物語っているけれどミュンヘンやフランクフルト、ケルンにもテクノの歴史があり、それらは関係しあっている。ミュンヘンとバイエルンは僕たちの文化を受け入れない、ジェントリフィケーションを支持している非常に保守的な政府によって運営されているから、人とのつながりが簡単で、生き延びるためのコストが安いベルリンや他の場所に出て行くことが多いクリエイティブな人たちにとってはそこへ留まることが難しい現実がある。この現状が変わるといいんだけれど。

Stenny, Stenny インタビュー, mixmag

パンデミックのため閉鎖されたBlitzのゲートの前のStenny (c) Manuel Schuller

― あなたは多様なジャンルを横断するスタイルで知られていますが、DJをする際のご自身のテーマやこれが自分のスタイルだと考えるものはありますか。

S: 今はDJにはあまり力を入れていなくて、自分の音楽を作ったり研究したりすることだけに専念しているんだ。クラブは1年前から閉鎖されているし、ライブストリームの流行にはあまり興味がない。やってみたけど、本当につまらなくて好きになれなかった。それはともかく、僕はそれほどジャンルにこだわりはない。それよりも、その場の空気を作るために適切な音楽を選ぶことと自分の情熱に従うようにしている。僕は色々なスタイルは好きだけど、ジャンルではなくスピード、パワー、迫力などで分類している傾向があるね。それがセットの準備の仕方でもあるんだ。2つのトラックを思いがけず面白い形で繋げたり、テンションを上げたり、落ち着いて考え事をするためのスペースを観客に与えたりするための繋ぎをよく探している。そんなダンスフロアのダイナミクスを作るのが好きだし、意外性のある面白い変遷を練習するのも好きなんだ。

― Zenker Brothersとの出会いについて教えてください。どのようにしてILIAN TAPEからリリースすることになったのですか?

S: 何年も前に出演したトリノのアフターアワーズパーティで出会ったんだ。明確には覚えていないけど、まだ作成途中の楽曲を彼らに聴いてもらって、今思えばそれはそれほど良い作品ではなかったと思うけど、彼らは僕の意図を理解してくれていたのかもしれない。進歩を見守ってくれて、リリースの計画を立てるまでの間、彼らはそれを見守ってくれたんだ。それからいろいろなことが変化し、進んでいって、僕はミュンヘンに引っ越して、彼らと友情と信頼に基づいた長い関係を築くことになったんだ。

― レーベルメイトのSkee Maskとは良くB2Bをしていますが、DJをする上で共通点はありますか? また、彼のプレイにどんなことを感じていますか?2人のB2Bで印象に残ることはありますか?

S:彼は僕のお気に入りのDJの一人だ。彼は勇敢で、速くて、技術的にも優れている。プレイ中いつもみんなを驚かせることができる最高なヤツだよ。多くのB2Bのセットは、クリーンでストレートなものが多く、お互いにスペースを与え合い、辛抱強く順番を待つ。僕たちの場合は、お互いに相手を圧倒しようとする挑戦のようなもので、セット全体ではほぼずっと4つの手がミキサーにかかっている。突然のリロード、ミキシングミス、予測できないスピードの変化。時には口論になることもあった。本当に面白くて強烈なんだ。彼は非常識な音楽知識とコレクションを持っていて、どんな音楽スタイルにもマッチさせることができる。彼から多くのことを学んだ。僕たちの音楽のテイストはとても相性がいいんだけど、全く違う個性を持っているから、それがさらにプレイを面白くさせているんだ。

Stenny, Stenny インタビュー, mixmag

B2BをするStennyとSkee Mask

S:早く日本に戻り、きみたちの前でパフォーマンスをすることを楽しみにしている。それから日本の素晴らしい文化を体験して、探検するのが待ち遠しいよ。


Interview: mu”he
Translate: Denis, Romeo, mu”he

楽曲購入によるアーティストのサポートをお願いします
https://iliantape.bandcamp.com/album/itlp05-stenny-upsurge
https://bleep.com/release/156540-stenny-upsurge
Blitz: https://www.blitz.club/
Charlie: http://bar.charl.ie/
Rote Sonne: https://www.rote-sonne.com/
Radio800000: https://www.radio80k.de/

 

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