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FEATURES

tofubeats最新作『TBEP』から知る、ハウスの進化論。〈インタビュー〉

コアなダンスフロアと、ポップなライヴの現場を繋げる架け橋

Mixmag Japan | 6 April 2020

tofubeatsの最新ミニアルバム『TBEP』が、先日デジタル配信にてリリースされた。現代のシティポップ代表作とも囁かれた、前作4thアルバム『RUN』より約1年ぶりとなる今作。ディスコ、ハウス、シカゴ、レイヴ、アシッドと、ダンスミュージックの歴史を紐解くキーワードとなるサウンドがあちらこちらに散りばめられ、ダンスフロアを相手にするDJ、tofubeatsから発信された内容に仕上がっていた。コアにダンス&クラブミュージックを聴いている人たちは、うんうんと頷き、tofubeatsの曲は好きだけど、ダンスミュージックはそこまで知らないよ、という人たちは、新しい扉を開くことになるであろう。


INTERVIEW:tofubeats

―今作は、tofubeatsさんのクラブミュージック・サイドが強く出ているなと思いました。だけども、常にあるポップ感もあり、両サイドをいくサウンドが詰まったEPですね。

tofubeats それは嬉しいですね。去年くらいから、DJをもっと上手くなりたいというのが自分の中であったので、制作は変わらずやりながら、ライヴとDJでは、どちらかというとDJの方の割合を増やしていたんですよ。自分はもともとDJの入りがJ-POPではあるんですけど、ハウスもしっかり聴いてきていたし、だけどちゃんと曲を作っていないなと。それと意外とアルバムに入れてこなかったので、その割合を増やしていって、『RUN』のときは半分インストを入れたんです。だけど『RUN』は、インストのアルバムとは思われていない。なので、それを認識してもらうには、もっとインストの割合を多くしてもいいんじゃないかなと思って、DJセットで自分がかけられる曲、さらにお客さんとコミュニケーションがとれる曲を入れたいと思い、今作の制作をスタートしました。

―確かにDJユーザー向けに、ダンスフロアで映える曲が多いと思いました。

tofubeats これまでのアルバムには、イントロとアウトロが短くて、実際に現場では使えない曲が入っていたんですけど、今回はイントロが1分半ある曲をそのまま出しました。実際にフロアでは2~3年前からかけていた曲もあるし、これはtofubeatsでは出さないだろうと思われていたDJセット用の曲も、今回は入れてみようかなと思って。

―曲を聴いていて、クラブのダンスフロアを想像することができました。

tofubeats 嬉しいですね。今回、収録できなかったんですけど、シカゴのレーベル〈DJ INTERNATIONAL〉からリリースしているTC Crewっていうクルーに、Tyree Cooperってアーティストがいるんですけど、そのTyreeが最後に出したと言われている曲のカバーをいれる予定だったんです。シカゴハウスの中でも自分が一番好きな曲なんですけど、それを自分が歌ってカバーをしていたんです。なんですけど曲の出版権の手続きが間に合わなくて収録できなかったんです。そういう90’sハウスを軸にしてインストものを作っていたので、その曲が抜けてしまったことは残念なんですけど、全体的に雰囲気としては残っているかと思います。

―その曲が入っていたら、答えが明確になったと思いますが、逆に入っていないことも良かったのではと思いますが。

tofubeats 実は自分名義で、英語のカバー曲は出したことがなかったので、自分の好きな曲のカバーが入っていたらいいなと思ったんですけど、カバーなのでライセンスを取らないとならなくて、それでTyreeに、Facebookを通じて連絡をしたんですけど、返事がきたのが締め切りの半月前で間に合わなかったんです。それともう1曲、サンプリングがNGになってしまったのがあったんですけど、打点高めの曲がダメになってしまったので、そこからどうするかが今回のアルバムの焦点にもなっていました。『FANTASY CLUB』の時も似たようなことがあったんですけど、最終的には収まり良くできたんじゃないかなと思います。

―カバーが入ってこないと、オリジナル曲がメインになってきますしね。

tofubeats そうなんですよ。ちなみに1曲目の「陰謀論」は、入るはずの曲が外れてしまったから、あわてて1週間くらいで書き下ろした曲なんです。自分が思わせぶりな感じで曲名を使うときは、逆になんも考えていないときが多いんです(笑)。

―曲がどれも耳に残るものばかりでした。各々の曲のストーリーをお聞きしたいです。

tofubeats 「Move Your Feet / As You Like」は1年半くらい前に作って、クラブでもかけていた曲です。DJをしているときの中継ぎというか、自分に切り替わったときにかけられる曲を作りたかったので、完全にフロアユースなことだけ考えて作った曲ですね。自分がDJセットをやるとき、お客さんがDJというものに理解がある人たちばかりではないと感じることが多いんですよ。お客さんが知らない曲ばかりが続いてしまうと、どうしてもだれてしまう。なので、間に自分の声が入っている曲をかけることで、ある程度お客さんにとってもヒントになるというか。それもあり今回は、自分にぐっと寄せる曲を作った感じですね。

―ライヴとDJの間をいくスタイルを目指したいと思っていますか?

tofubeats 自分は人前でやることに関してDJから始めているので、ライヴをDJ的なものとして捉えているんです。だけどどうしてもお客さんの心構え的に違いが出てきてしまうというか。ライヴはやるもの、観に行くもの、クラブは踊りに行くもの、踊らせてもうものと、動詞が全然違うというか。自分としては能動的な気持ちできてもらうことを昔から想定しているんですけど、そうでないと難しいところもあると思っていて。だけど、どれが正解なのかは未だにわからないんですけどね。

―ここ数年で、その両方が近づいている感じがしますけれども。

tofubeats そうですかね。自分がDJを始めた高校生のころは、それこそ <WIRE>とかがあったんで、他のDJプレイを聴きながら、電気グルーヴのライヴも観て普通に踊るみたいなことがあったんです。今はシティポップ・サイドみたいなところから、クラブミュージックの方に近づいているところがあると思うんですけど……例えば自分の場合、「水星」がシティポップと言われて、それで踊っちゃうみたいな。だけど、少しなんと言ったら良いんですかね……それは自分が思っているクラブミュージックの感じとは違うというか。今のシティポップが好きな若い人たちが、ダンスミュージックに入っていくことはあまり感じられないんですよね。なので、そのシティポップというものが、自分にとって逆に壁になっている感じもしています。

―そこ(シティポップ)に、カテゴライズされてしまうということですね。

tofubeats そうです。自分はこれだけクラブミュージックが好きなのに、Spotifyで自分の曲を聴いたりすると、ひとつもサジェスションでクラブミュージックが出てこないんです(笑)。シティポップには出てくるので、だからシティポップっていう言葉がある意味制限しているというか。だからシティポップを聴いている人たちが、ハウスミュージックに離陸しようと思ったときに、逆に自分くらいしかいけるところがない。自分は、ダンスミュージックに近いバンドの人たちに近しい音楽として紹介されることも多く、それはそれで嬉しいんですけど、自分はDJもやっているのでクラブミュージック・サイドに行くのが目標ですね。

―現代のシティポップと呼ばれているtofubeatsさんの悩みであり、両者を近づける役割を果たさないといけないというか。

tofubeats だから今回は、アルバムジャケットのアートワークに人を取り入れるのは止めたくて、静物にして欲しいと伝えたんです。人がくるとシティポップの印象に引っ張られてしまうこともあるので。今あるシティポップというムーブメントは、こちらの曲を聴いてもらえるという素晴らしいことでもあるんですけど、一方でそこから先にいくチャンスをむちゃくちゃ制限している言葉でもあるんです。だから、今回のような作品は別名義ではなく、tofubeats名義で出すことが誠意かなと思ったのと、最近メジャーレーベルからのハウスのリリースってほぼないので、そこもやってみたかったんですよね。

―影響を受けたハウス系のDJはどなたでしょうか?

tofubeats 一昨年くらいからなんですけど、TEI TOWAさんをはじめ、石野卓球さん、砂原良徳さんなんかとDJをご一緒させてもらうことが増えたんですけど、そこで感じたことが、地肩が強いという言い方になってしまうんですけど、肩が本当に強い。DJが上手いということは本当はどういうことなのかを具体的に感じることがあって、それは影響を受けましたね。そのテンションをキープする力が強いというか。卓球さんなんかは、あれだけ自分の曲が出ているのにDJで自分の曲をかけない。それなのに、がっつりDJでキープできるみたいな。お客さんからの信頼もあるかと思うんですけど、腕力が強いことを感じますね。

―確かに卓球さんも、TEIさんも作る曲と、DJでかける曲は分けている気がします。

tofubeats そうなんですよ。それとこれまでに一緒にやったことのない若手と一緒にやるときは、気合いが入っているなと感じるときもあって、それがむちゃ面白いんです。新譜もしっかりかけるし、Beatportでチェックしているんだなって。あと去年、唯一テクノをメジャーから今も出してくれていた電気グルーヴのリリースがネットでチェックできなくなってしまった件も、自分にとって大きな出来事で、だからこそあえて自分はメジャーで4つ打ちを出したいという気持ちが強まりました。

―「SOMEBODY TORE  MY P」がFMラジオでプレイされて、tofubeatsさんが「この曲はフロアでも鳴りがいいと思います」と、SNSでコメントされていましたけど、あまり最近はクラブ系がラジオなどでかからないので良いなと思いました。

tofubeats あの曲はSpotifyでも人気なんですけど、嬉しいですね。インストのシングルはこれまでに出したことがなかったので、どうなるかなとスタッフの人と話していたんですけど、プレイリストする人や、ピッチする人にはこちらの方が好まれている感じはします。

―自分はこの曲を聴いてポップ感のあるレイヴサウンドだなと。野外フェスでUnderworldの「BORN SLIPPY」がかかったときの感じを思い出しました。

tofubeats それもそうだし、それこそ電気グルーヴの「」みたいなものを目指しました。あと4つ打ちから脱出したいときに、この曲をかけたいなって感じです。

―今作はDJサイドの視点からのアルバムと言っても良いでしょうか。

tofubeats そうですね。クラブで聴けるようにイントロ、アウトロをつけているんですけど、だけどゴリゴリのDJ使用になってもいないです。

―ちなみに機材は何を使用して曲を作りましたか?

tofubeats 今回は機材に変化がありまして、これは707(Roland 707)の裸だしなんですよ。機材で1番好きなのはドラムマシーンなんですけど、今回は707を引っ張りだしてきて、ステレオから直接繫いで実験的に鳴らしてみたというか。自分が好きなシカゴハウスは707や、909を使っていることは多いんです。で、707は909よりも少しペラペラな感じなんですけど、僕は707がむちゃ好きなので、ほとんどの曲をそれで作りました。

―シカゴはどのあたりが好きなんですか?

tofubeats 僕は初めてクラブミュージックとして認知して聴いたのが〈Trax Records〉のコンピなんですけど、その中にPierre’s Fantasy Clubの「Dream Girl」という曲があって、その曲が超好きになったんです。自分のアルバム『FANRTASY CLUB』は、そこからきてもいますし。それと、「Move Your Body」とか、声のリバーブが続くIQゼロみたいな感じのシカゴハウスは大好きですね。自分がDJをやっていてもここだってときに、毎回そういう曲をかけます。

―個人的には「HOT TOUCH」が気に入っています。あのノイズ音とビートを大音量でフロアで聴きたいですね。

tofubeats 「HOT TOUCH」は、PAの人たちがケーブルを触ったときに、ブーって鳴る音をサンプリングしたんです。ドラムもハイハットも全部その音を使って作りました。単純にケーブルに手を触れるだけで音は出るんで、それを30秒くらい録音して、それを切って貼ってループさせてって感じです。これは一発ネタで、SoundCloudに上げていたんですけど、今回のアルバムにいいなと思い入れたんですよ。

―そして先行シングルでリリースされた「CLUB」ですが、どんな趣旨の元に制作されたんですか?

tofubeats この曲は昨年作ったんですけど、自分がこれまでにやってきた曲の延長線上なんです。キーが「Don’t Stop The Music feat.森高千里」と一緒なんですけど、それこそフィルターハウスや、Mojoみたいなストレートな歌ものだとか、昔のダフトパンクみたいにボコーダーを使ったハウスとか、ワンループのハウスでの歌ものを作ろうというのは、自分の中で宿題でもあったので、ここにきてちゃんと作ろうと思いまして。女の子も歌えることを想定してキーを設定していたので、本当は絡みのあるデュエットにしたかったんです。クラブの良いとことって能動的な人たちが集まっているってことで、個人が大勢と同じ空間にいるということがいいじゃないっていう。だからこの曲を2人とか、3人とかでやるのがいいのかなとか。結局、2人で電話で会話をしている感じになりました。

―リリースが3月27日でしたが、まさに今の世の中の状況にリンクして、クラブの存在を改めてプッシュする楽曲になったとも思います。

tofubeats 半年以上前に作った曲なんですけど、そうなってしまいましたね。風営法の時期にリリースした「朝が来るまで終わる事のないダンスを」も、なんだかプロテストソングみたいになってしまったんですけど。あのときはクラブがなくなってしまうと、僕らがやるところがなくなってしまうという問題はあったんですけど、法律でそうなったとしてもクラブミュージック自体はなくなることはないと自分は思っていたんです。なので、あのときに言いたかったことをもっとはっきりさせるとなると「CLUB」のような曲になる。最近は、ストレートにものを書ける感じになってきて、はっきり言えるようになってきました。

―歌詞に関してもアップデートされているんですね。

tofubeats 以前は乗りでやっていた部分もあるんですけど、『FANTASY CLUB』から、歌詞をしっかり書くようになって、歌詞のバランスの取り方も結構変わりました。

―歌詞を書く上で影響されたアーティストなどはいるんですか?

tofubeats 小西康陽さんと、あとECDさんもめちゃ好きです。この2人の作品を聴いていると、きちんと歌詞を書かないとと思うんですよね。その、歯に衣着せぬ言葉と、ストレートな言葉は全然違うと思うんですけど、2人はそういう表現みたいなものが歌詞としてすごい。一本筋が通っているし、テーマのようなものが2人ともあって、それをどう伝えるかゴールに向かって作っている感じが良いんです。そのゴールが明快で、そこに言葉が乗ってくるというか。

―最後の質問になりますが、アルバムタイトル『TBEP』とはどのような意味があるのでしょうか。

tofubeats 今回はツールっぽいアルバムにするということで、tofubeatsのEPで『TBEP』です(笑)

―俺のアルバムということですね。

tofubeats はい。それくらいなテンションのDJユース・アルバムって感じです。

―「Mixmag Japan」の読者へメッセージをください。

tofubeats 「tofubeatsはヒップホップとか、シティポップな人」と思わずに、是非『TBEP』を聴いて欲しいですね。

―シティポップの人って良いですよね……その髪型とか、メガネとか。

tofubeats これは言われる前から、この髪型とメガネなんですよ !(笑)

Text&Photo:Kana Yoshioka

リリース情報

tofubeats DIGITAL MINI ALBUM『TBEP』
NOW ON SALE

前作『RUN』に続き、通算5枚目となるミニアルバム。先行で「クラブ」、「SOME BODY TORE MY P」はすでに配信され、各メディアにて話題を呼んでいる。アルバムジャケットのアートワークは、GraphersRock岩屋民穂と山根慶太が担当。


<tofubeats オフィシャルサイト>
https://tofubeats.com/

<tofubeats Twitter>
https://twitter.com/tofubeats?s=20

 

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