「いつも言うの。ブラジルでDJやプロデューサーになりたかったら、すごいお金持ちか、すごいクレイジーじゃないと難しい」と語るのは、Terrの名前で知られるDaniela Caldellas。「うちはお金持ちではなかった」。
ブラジル南東部のベロ・ホリゾンテで育ったCaldellasは、Nirvanaのような90sのグランジにハマっていたが、The Chemical BrothersやThe Prodigyのようなビッグ・ビート系のアクトが登場すると音楽の方向性をシフト。
後にデュオDigitariaのパートナーとなる親友Daniel Wattsの影響もあり、2000年を境に生じたエレクトロクラッシュ・ブームは彼女にギターの代わりにシンセサイザーを入手させ、作曲活動を開始させるきっかけとなった。
「一番最初に衝撃を受けたのは、Tigaの『Sunglasses At Night』で、Miss Kittin、Fischerspoonerなどに続いて行った」と彼女は語る。「その5年後にはDJ Hellにも出会って、同じレーベルからリリースするようになっていたのは、すごく誇らしく思ってる」。
2004年から、WattsとCaldellasはDigitariaとしてAdana TwinsやClarianとコラボし、Hot CreationsやItems & Thingsからリリースしつつ次第に知名度を上げて行った。ツアーが増えた二人は2013年にバルセロナに移住、しかしそれから数年し、Caldellasは単独でノスタルジックなサイファイ系のサウンドを追求したくなった。「私の音楽を聴いた人には、心地よい気分になってもらいたい」と彼女は説明する。「70年代、80年代の音楽に多く影響を受けたの」。
Terrとしてのレトロヒューチャー的な作風はHotflushやPermanent Vacation, Correspondantなどにマッチしていた。しかし最新のEPでは、Caldellasのそよ風のようなボーカルやディスコ系のストリングス、カウベルなどが曲調をライトにしている。Phantasy Soundからリリースされた「Tale Of Devotion」は、当時の彼女の精神状態を表しているという。
「バルセロナで太陽の光を浴びながら健康的な日々を過ごしていた」と彼女は続ける。「何かうまくいくたびにお祝いをして、子犬みたいに喜んで家の中で飛び跳ねてた」。
Caldellasにとって、彼女が一番好きなアーティストの一人であるニュージーランドの奇才Connan Mockasinもリリースする、Erol Alkanのレーベルからリリース作を出すことは夢であった。
「彼もそうだけど、一方でDaniel AveryもPhantasyからリリースしてる」と彼女は語る。「すごく自由なレーベルで、アーティストの幅も広い」。
コラボ相手やレーベル主宰たちとの距離を縮めるため、Caldellasは12月にバルセロナからベルリンに移住した。現在はレギュラー的にInnervisionsのクルーと出演し、今年の夏は、IbizaにてDixonのパーティ、Transmodernaにも出演する。
ベルリンでは、石を投げればBerghainに届く距離のアパートにて、猫Freidrichshainと共同生活を送っており。「日曜日には早起きして、朝食後にJennifer CardiniとKrystal Kealを見てきた。数時間滞在して、家に帰ったんだけど、住むのには良い場所」と語る。
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