簡単な話だ。テクノが好きであれば、レン・ファキのことも好きだろう。トルコ生まれ、ベルリン在住の実力派DJは、20年前にシーンに登場して以来、常にジャンルに革新と拡張をもたらしてきた多作の男だ。世紀の変わり目から続けてきたプロダクション・ワークを通し、レンは独自のサウンドを築き上げ、また、その音がテクノと同一視されまでの存在になった。
彼にとっての一つの大きな転機は、2003年に自身のレーベルFigureをローンチしたことだ。以来、同レーベルは自身の発信基地にもなり、また、現在活躍中の多くのアーティストにとっての出発地点ともなっていった。Romen Poncet、Jeroen Search、クレリック、Regalなどが、ハードでハイオクタンなビーツを同レーベルから叩き出し、ファキがDJに加えてA&Rとしても多才であることを世に知らしめてきた。
この一年、“Berghain”と”Awakenings”でのレギュラー出演に加え、レン・ファキは、スタジオでも多忙な日々を過ごしてきた。例えば、互いのサウンドを補完し合うアーティストによる”スプリットEP”をリリースするFigure Jamsというサブレーベルのローンチだ。これまでに、TWR72とNocowが、Abstract DivisionとPatrik Skoogが、そしてFabrizio LapianaがAmotikと共にリリースを果たしてきた。
また、自身のDJセットにおいて最もフロアを沸かせていた秘密のリミックスたちをリリースするための個人プロジェクト、LF RMXも立ち上げた。DJ Bone、ステファン・ブラウン、フランキー・ボーンズなどのこれまで未発表だったリミックスは、ヴァイナルにした途端、いずれも飛ぶように売れた。ちなみにこのプロジェクトは完全に非営利で、収入はすべてホームレスの子供達を支援するベルリンの団体に寄付されている。
ファキの最新のプロジェクトの一つは、彼の往年のヒット「My Black Sheep」の10周年記念で、当然のように、同業者の重鎮たちがリミックスのために結集してくれた。ディートロン、クレリック、Matrixxmanも参加しているが、当編集部でも、ジミー・エドガーとトランケートによるオリジナルをベタ踏みにしたような再構築版を紹介させてもらった。
レンのプレイを見たことがないのであれば、必見だ。次のプレイまで待てないようであれば、彼の激アツのIn Sessionミックスを以下からチェックして欲しい。
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