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MUSIC

INTERVIEW:BICEP(3)「The Royal Studio」

Bicepのデビューアルバムのビジュアル的な要素は、ポルトガルのデザインのスペシャリスト達が支給した

Mixmag Japan | 7 December 2017

自分たちもグラフィック・デザイナーであることから、BicepのデビューLPのアートワークは、中途半端なアーティストが手がける可能性は皆無だった。長年、タイポグラフィを駆使したポルトガルのThe Royal Studioのファンだったことから二人はリーダーのJoão Castroにアプローチ。これは、まだNinja Tuneとリリースの契約をするよりも前のことである。

彼らのデザインは、これまでのBicepのオイルまみれのマッチョなイメージとはかけ離れたものである。しかし、Castroは喜んで引き受けた。「全く新しい挑戦になるということは、最初からわかっていた」と、ポルトにあるワークショップから、多忙の合間を縫ってコメントしてくれた。「音楽を聴いて、感じた物語をデザインにしたんだ」。

Castroは、ほぼ一人体制のチームだが、今回はBicepのために方向性が近いAna Types Type、Lyft Creative Studio、そしてXesta Studioの三組を集結させた。手始めに、Bicepはタイポグラフィのスクラップ、粗いテキスチャー、そして未来的でダダイスティックなモチーフを集めたムードボードを手渡した。続いて、デザインチームはアルバムを視聴し、「幻想的なものや、工業的なもの、そしてロマンスに関連した12の感情に絞り込んだ」。

「Aura(オーラ)」というタイトルのリードトラックを含むアルバムゆえ当然の成り行きかもしれないが、これらのイメージは次第に超越した意識の体験というメタな物語を伝え始めた。Castroは、主に「都会の道を歩いていて、音楽に埋没している時に感じる上昇感、あるいは悟りの境地」を感じさせたかったという。このアイディアは、「片目で顕微鏡を、片目で望遠鏡を覗く」と語ったウルグアイの論客、エドゥアルド・ガレアーノの言葉にもインスピレーションを受けている。つまり、地に足をつけた観点と、浮世離れした観点の、両方を持つことだ。

Bicepとroyal studioのコラボにあたり作られ、ボツになったアートワークの一部

字面では小難しく感じるかもしれないが、このコンセプトを実行に移すのはなんとも楽しそうだ。アルバムアートの制作にあたっては、「ジャクソン・ポロックさながらに紙にインクを投げつけたり、スプレー缶とステンシルを使って奇妙な構成要素を作ったりした」とCastroは語る。実験的なアプローチはそれぞれ撮影され、デジタル技術を駆使して、無数のコンビネーションが編み出された。Castroによると、好きな数だけアートワークを作れる「ビジュアルの目録」を作ったのだという。

ガレアーノの哲学は、鮮やかなインクが渦巻きながら水やコンクリートのような表面に拡散していく姿の拡大写真に反映されている。拡大されているものもあれば、全体像を写しているようなものもあり、マクロの視点なのかミクロの視点なのか、確実なことは言えない気持ちにさせられる。印象的かつ抽象的な黄色、青、黒のモチーフは敢えて曖昧にもしてある。Castro曰く、Bicepの音楽のように、リスナーの感受性にとって、解釈の余地を残しておきたいのだという。

INTERVIEW:BICEP(1)
INTERVIEW:BICEP(2)

 

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