電子音楽と自然(植物、昆虫学、民族植物など)に焦点を当てたマルチメディアプロジェクト“FOLLOW THE FLOW”のファーストリリースは、Jonas KoppによるEP『Iamik』。今年3月にVENTでリリースパーティーが開催されたが、12月初旬に満を持して発売された。
本作に収録されたのは、ヒプノティックな4つのトラック。ド頭は表題曲の「Iamik」だ。硬くミニマルで、速い。オーセンティックなテクノトラックで、メインフロアで鳴る様が容易に想像できる。また、プロジェクトの創始者Fragmentorが同曲のリミックスを担当している。こちらも迫力のある、ハードな内容だ。3曲目の「Bangua」は空間的なプロダクションが印象的なトラックである。BPMも前2曲と比べてやや高い。現在のテクノシーンを見渡すとテンポがかなり速いものが目立つが、このトラックはそのようなトレンドとは離れたところにあるようにも思う。プロジェクトのコンセプト(自然)にある通り、どこか科学的なニュアンスを孕む。最後を飾るのは、空間的なエッジーなアンビエントの「Shasta」。
思えばJonas Koppは、ベルリンの名門「Tresor」から2017年に『Photon Belt』というアルバムをリリースしている。この作品は、光の粒子でできた巨大な輪“フォトンベルト”をテーマにしている。太陽系全体が約12000年に一度この輪の中を通過すると言われており、現代の科学ではその時地球がどのような影響を受けるのかまったく予想できないらしい。このように、以前から彼のクリエイションにはサイエンスが重要な役割を果たしている。今回の“自然”を主題に置いた制作にも、どこか惹かれるところがあったのかもしれない。
なお、ジャケットの写真は、有名なイタリアの写真家Alessio Guarinoがキュレーションを担当した。
Jonas Kopp / Iamik
Label:FOLLOW THE FLOW
発売中
リリース詳細(現在取り寄せ中)
TECHNIQUE
最新情報をお届けします
Twitter でMixmag Japanをフォローしよう!
Follow @mixmagjapan