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MUSIC

Maika Loubtéの新曲「Ride My Bike」がかき立てる無限の想像力

暫定的 MV・オブ・ザ・イヤー

Mixmag Japan | 28 June 2020

Maika Loubté, Maika Loubté Ride My Bike, mixmag

SSW・Trackmaker・DJとして活躍するMaika Loubté(マイカ・ルブテ)が6月12日に「Ride My Bike」をリリースした。本日6月28日(日)は同作のリリースパーティがオンライン上で開催される。

90年代トランステクノを端々に想起させるトラックと疾走感のあるボーカルが融合し、2020年の奇異な現象を吸い込んだニュータイプのガレージポップが完成した。懐古主義的な方法ではなく、過去のものとなりつつあるダンスフロアや、90年代トランスミュージックに多用されたシンセの音色を独創的な手法で消化し、2020年代のポップスにアップデートすることを試みた。

Maika Loubté – 「Ride My Bike」

そして音楽のほかに特筆すべきトピックが、本作のMVである。今回のアートワークは全世界から、それぞれの”日常”の写真をSNSで募る実験的なキャンペーンを行い、集まったおよそ1300枚の写真を元にジャケット写真を作成した。MVも同様の手法によって作られている。

YouTubeとリドリー&トニー・スコット兄弟が共同で製作したドキュメンタリー『Life In A Day』(2011年公開)を思い出す人もいるかもしれない。この映画は、世界中の人々から“それぞれの一日”を撮影した動画を募り、1本のドキュメンタリーにしたものだ。YouTube上にオフィシャル映像がフル尺でアップされているので、ご紹介しよう。

両作の間には制作方法やコンセプトにおける類似点があるが、改めて比較すると見えてくるものがある。言うまでもなく、写真と比較すると映像は非常に具体的だ。7秒程度の動画でも様々な情報(対象の動き、人の声や街の雑踏など)がそこに乗ってくる。状況を説明するのだって、文章や音声と比較しても容易だろう。しかしこの具体性は同時に対象を限定的にしてしまう。連続する動作の中で突飛な行為に及べば、それはもうシュールレアリスムの世界だ。

それに対して、写真はワンシーンのみを切り取る(コマ割りにしてシーンの連続性を表現することはあるけれども)。動画と比較すると抽象度が高く、大部分を鑑賞者の想像力のような外部の力に依存する。そして音楽がそこに加われば、抽象度はそのままに勢いが出てくる。「Ride My Bike」のMVは、途中まで時系列の一致をもとに写真が並べられている。基本的には、昼なら昼の、夜なら夜の写真がセットだ。ところが、ラストのドロップ~アウトロ付近にさしかかると時系列が全く無関係に並べられ、パラレルな世界が展開される。

『Life In A Day』は具体性でもって我々の日常を描き出したが、「Ride My Bike」は対極的な方法でそれを描いた。名前も状況も分からない“一瞬”が洪水のようにあふれ出し、我々の想像力を無限にかき立てる。多次元的に日常を描き出した点では、『Life In A Day』では見られなかった景色を見せてくれたのだ。そして同作が震災後の日本にとって特別な意味を持ったように、「Ride My Bike」もまたコロナ禍における日常の尊さを描き出した。

さて、四の五の述べてきたが、間もなくリリースパーティが始まる時間だ。最後に、Maika Loubté本人のコメントを紹介する

「Ride My Bike」は“自転車がすごく好きだなぁ”という気持ちで、日常の延長として年明けくらいから作り始めました。作っていくうちにCOVID-19の影響はどんどん広がり、ライブハウスやクラブの混雑するフロアや熱狂のイメージは、まるで遠い過去のものになったと感じるようになりました。いまは半径2mの世界で、内なるパーティーへの情熱を燃やすための音楽が、自分には必要だという思いが強くなっています。

2020年5月現在の私にとっては、自転車で自宅の周りをすこし走ることが、かつてちょっと気晴らしにクラブへ行っていた若者と近からず遠くないメンタリティであるように思えます。というわけでRide My Bikeを完成させ、リリースすることにしました。

それぞれの日常に、身近な幸せがありますように。


■ Ride My Bike – ONLINE PRE-RELEASE PARTY
2020.06.28 (Sun.)
<配信詳細>
Maika Loubté 公式YouTube チャンネル

 

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