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MUSIC

Seihoがいてくれたので、クソみたいな夜もどうにかなった

最終目的地は…。

Mixmag Japan | 4 July 2020

プロデューサー / DJのSeihoによってYouTube上で1か月に渡り配信された「DESTINATION」が、オフィシャルな音源として7月1日にデジタルリリースされた。これまで深夜の限定公開だった映像も、同時に解禁されている。

「DESTINATION」(目的地)とはつまり睡眠である。パンデミック発生後、生活リズムが大いに狂い、上手く寝付けていない人がいるかもしれない。あるいは、それよりも前から睡眠障害に苦しんでいる人もいるだろう。この場合最も辛いのは、孤独との戦いである。もっと細かく言うと、孤独であることによって発生する様々なノイズだ。傷つくと分かっていながらSNSに飛び交う罵詈雑言を読んでしまうし、そうなると思考もネガティブになりがちである。この時、夜に開かれるクラブやバーはエンターテイメントスペースとしてだけでなく、避難所としての役割も果たしていたと気付くのだった。

Seihoの「DESTINATION」には明文化されたメッセージがない。冒頭の映像で言えば、本プロジェクトのイントロダクションが最初に流れる以外、意味を持った言葉は確認できない。シュールな映像と、Seihoがモニターやモジュラーシンセの前で何やらしている様子が延々と画面に映し出される。オーディエンスへの強制力はない。

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極論だが、本質的には「寝なさい」とすら言っていないと思う。1か月の間、ほぼリアルタイムでお世話になった身としては、“画面越しに音を鳴らしてくれる(存在を感じさせてくれる)”ことに何より励まされたのだった。インタラクティブなコミュニケーションがなくとも、心強かった。魔が差してSNSを見てしまっても、どうにかなった。Seihoの他にも、“この動画を観ている人間が自分以外にも何人かいる”と考えると、なおさら安心できたのである。まさしく、避難所のようなチャンネルであった。

寝ることはできなかったが、恐ろしく読書が捗り、仕事もいくつか終わった。長らく積読であった「帝国R」(中村文則)と「構造素子」(樋口恭介)を読むことができ、SNSの罵詈雑言を目にするより2兆倍は有意義な時間を過ごせたと感じる。「DESTINATION」開始以降10冊ほど読んだが、この2冊は特に面白かった。余談である。

クラブやバーの営業が徐々に再開しつつあるが、またここに戻ってくることもあるだろう。その時もどうぞよろしくお願いいたします。


■ Seiho 『DISTINATION 最終目的地』
Label: The Deep Land of Gray and Red
Tracklist:
1. INTRODUCE
2. ONE
3. TWO
4. THREE
5. FOUR
楽曲リンク

 

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