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REVIEWS

DUMMY NAME: EDGE HOUSEコミュニティが到達した最高峰

連綿と紡がれてきたハウスのスピリットを継承するフロアチューン

Mixmag Japan | 30 September 2021


渋谷のSOUND MUSEUM VISIONの人気パーティ「EDGE HOUSE」がローンチして早2年半。そのうちの1年は新型コロナウイルスの影響を受けていたとはいえ、オーディエンスも含めたコミュニティは日進月歩で発展している。クラブが閉鎖されている間も、プロデューサーはトラックを作り、DJはミックスをプラットフォームに上げていた。パンデミック以前は海外から名うてのDJを多数招聘し、シーンの最前線を国内でも体験できる稀なイベントである。

そのコミュニティの現時点における最高到達点と言うべき楽曲がリリースされた。発起人であるDARUMA & JOMMYのJOMMYと、レジデントDJのKZMTが共同名義で制作した「DUMMY NAME」――。DARUMA & JOMMYがMixmag Japanのインタビューで「テックハウス」に言及したのが2018年。Jamie Jonesの<Hot Creations>、Solardoの<Sola>、Green Velvetの<Relief Records>、Claude VonStrokeの<DIRTYBIRD>などのレーベルを発端としながら、“テックハウス”シーンは多角的かつ多層的に変化していった。極東の島国で、しかもリアルタイムでそのムーブメントを牽引したのは、間違いなくEDGE HOUSEコミュニティである。「DUMMY NAME」はその激流の中で誕生した、ひとつの到達点だ。

この3年間に起きたことを参照しながら、本稿ではこの新たなアンセム誕生の足跡を辿る。

【関連記事】INTERVIEW:DJ DARUMA & JOMMY「新しいテックハウスの流れは確実に来ている」

先述したトレンドセッターたちに加え、Patrick ToppingMichael Bibiなどの新世代プロデューサー / DJが台頭し、それぞれのレーベルが勃興した。オーセンティックなハウスサウンドを追求するプロデューサー、ミニマルな展開を好むDJ、よりレイヴィーな音像を嗜好するトラックメイカーもおり、便宜上“テックハウス”と呼ばれていたジャンルは多様化を極めていった。あまつさえ、Eli Brownのようにテクノへ接近するアーティストも現れた。このテックハウス~テクノの往来は、EDGE HOUSEでも顕著だったように感じられる。事実、RebukeKlangkuenstlerもVISIONのブースに立っている。その結果、EDGE HOUSEのレジデントたちはいつの間にか、テックハウスを基軸にしながらも各ジャンルのスペシャリストを相手にしていたのである。

ハウスと比較すると、テクノは早くから90年代リヴァイヴァルの影響を強く受けていた。Tommy HolohanJulian Mullerらが諸作品のアートワークで90年代テイストを引用し、FJAAKは自分たちの楽曲に度々当時のアンセムをサンプリングしている。

パンデミック以前からリヴァイヴァルの波はあったが、感染症対策によるロックダウンはこれを少なからず後押しした。クラブシーンに限らず、この1年は多くのアーティストが「現場」で音を鳴らす機会を失った。フェスもなければギグもない状況の中、多くのプロデューサーは内省的にならざるをえなかった。今年リリースされた作品の多くがルーツやアイデンティティに立ち返った内容に仕上がっている現象は、程度の差はあるにせよロックダウンと無関係ではないだろう。

そんな中、可能性のひとつとしてJOMMYとKZMTのリファレンスになり得たのが、Boys Noizeの「Mvinline」(2020年)ではないだろうか。

Boys Noize – 「Mvinline (Extended Mix)」

Black Ivoryの「Mainline」(1979年)がサンプリングされたこの楽曲は、Defected Recordsが昨年リリースした音源の中でもトップクラスの売り上げを誇る。DARUMA & JOMMYはB2Bでこの曲を度々プレイしていたし、KENTACATS & KZMTはEDGE HOUSEのポッドキャストでミックスしていた。

すなわち、2020年~2021年にかけては、“過去といかにして向き合うか?”が最も今日的なテーマのひとつだったとも言えよう。そしてそれはこの1年で多くの傑作を生んだように、「DUMMY NAME」にも素晴らしい効果をもたらしているように感じられる。

偉大なレガシーは、いつだって現在を照らし出す。特にサンプリングという具体性があるダンスミュージックは、さながらタイムマシンのようでもあるのだ。


Text_Yuki Kawasaki

■ EDGE HOUSE
2021.10.1.FRI
@ SOUND MUSEUM VISION
■LINEUP
<GAIA>
KENTACATS & KZMT
HERBALISTEK
MARK MILA
DJ HEY
401
VJ:VJ MANAMI, Shun Nagasawa
Deco : KANOYA PROJECT
Perfumer:si oux
<イベント詳細>
https://vision-tokyo.com/event/edgehouse-3

 

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