「THE TOP 15 BREAKTHROUGH DJS OF THE YEAR 2019」では第2位、DJ Award 2019(ダンスミュージック版のアカデミー賞)ではTECH HOUSE部門を受賞。イビサの人気パーティ「elrow」でも目下大活躍中。2019年の功績を挙げればキリがない、サウス・ロンドン出身のMichael Bibi。2015年に同郷のPAWSAとレーベル「Solid Grooves」を共同設立して以降、着実に活動スケールを拡大してきた。今ではレーベルショウケースをロンドン最大のナイトクラブ「Printworks」(5000人収容)で開催するほどである。このタイミングでEDGE HOUSE(@渋谷 SOUND MUSEUM VISION)に登場するのだから、奇跡と言うほかない。以下は昨年のelrowでのDJ音源だ。
「Solid Groovesは同じ音楽的嗜好を持つ友達の集まりだった。ただそれだけだったよ。今みたいに大きな存在になるとは考えもしなかった」。Michael Bibiが単身ビッグになっていったのではなく、その成長はレーベルの歩みと共にあったのだ。実際、「Lost Records」や「Criminal Hype」などの主要レーベルから声がかかるのは、Solid Grooves発足以降である。
Michael Bibi – 「Don’t Look Down」
「僕がDJをする時は、友達の曲をかけることが多いよ」。今やそのコミュニティの輪も広範にわたる。“Are You A Groover?”をスローガンに、いつの間にやら巨大なネットワークを築き上げていた。相棒のPAWSAもすっかりビッグネームで、昨年末にはロンドンの老舗クラブfabricでオールナイトロングに挑んだ。そのほか、Solid Groovesには辣腕の持ち主が揃っている。昨今話題の若手テックハウス系プロデューサー / DJのほとんどが、このレーベルを通過している。Eddy MにANTHR、wAFFにDennis Cruz…。それこそ近年ブレイクスルーを起こしたアーティストだらけである。そればかりか、アップカミングな連中も次々とここから出てくるのであった。イタリア出身のDimmishやUK出身のRamin Rezaieも、近年注目すべき存在である。
が、いくら稀代のライジングスターと言えども、さすがにSkreamまでたどり着くとは予想していなかったかもしれない。2019年5月、UKダンスミュージックのパイオニアとMichael Bibiは「Otto’s Chant」を共作し、それが世界中でプレイされる。恐らく、Mixmag読者の中にもこの曲を聴いた人が多くいるはずだ。
Skream & Michael Bibi – 「Otto’s Chant」
リリース当初から、「この曲が今年のサマーアンセムになるかもしれない…!」と評判であったが、それは容易く実現された。elrowを筆頭とした各種フェス、有名パーティでヘビロテされ、サマーどころかその年を代表する1曲となった。なお、Skreamとはその後も関係が続いているようで、Solid Groovesから昨年11月にもう1枚シングル「Pussy Pop」がリリースされている。これも相当クレイジー。
Michael Bibiは昨年確かにブレイクスルーを起こした。けれども、まだこれは始まりに過ぎないような気もする。Printworksやイビサで活躍するぐらいだから、界隈によっては既にトップクラスの人気と知名度だろう。しかしそれはあくまで局地的な話だ。世界を相手にするのはこれからである。今年はドミニカで開催される「Holy Ship! Wrecked」や、USのUltraの「RESISTANCE」ステージでの出演が既に決定している。両者共に押しも押されもせぬメガフェスティバルだ。恐らく、夏が近づけば更に多くのフェスが彼の出演を発表するだろう。彼の本領が発揮されるのは、まだまだこれからだ。
「Carl CoxとMr.Gがティーンエイジャーの頃からのヒーローだよ。純粋なDJのスキルについては、彼らから最も影響を受けた」。技術だけと言わず、その存在感も追随して欲しい。
参考資料:
7 Sides of Michael Bibi
Under The Radar: Michael Bibi
AN INTERVIEW WITH MICHAEL BIBI
text_Yuki Kawasaki
■ EDGE HOUSE -Week43-
2020.1.17 (Fri.)
@ 渋谷 SOUND MUSEUM VISION
<イベント詳細>
http://www.vision-tokyo.com/event/edgehouse-2?lang=
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