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SPECIAL

The Culture Clash:Young-Gがセレクトするタイ音楽

ルークトゥン、モーラム、ヒップホップと、Young Gがタイを駆け巡り見つけた音楽7選

Mixmag Japan | 18 March 2020

01
stillichimiya x COMPUMA
「バンコクナイツ」(12inch)

「映画『バンコクナイツ』のトリビュート企画として、EM Recordsで作ったものなんですけど、俺らがタイの知識がほとんとない中で入りこんで感じたこと、タイをテーマに作品にした最初の重要な作品です。12インチのみのリリースでストリーミングにもあげていないので、あまり知られていないんですけど。実際に映画をとっていたのは2014年で、映画を公開したのは2016年なので、シングルを出したのもその年になります」

02
TKO
『Original Thai Rap』
Bakery Music(1994)
「TKOという、1990年代に活動していたタイのヒップホップ・クルーで、1994年に〈Bakery Music〉というインディレーベルからのリリースされたアルバムです。当時は、タイにヒップホップのアーティストがほぼいなかったので、珍しい存在だったのでは。タイは、ヒップホップ史以前にラップがあって、その流れでTKO、Joey Boysなどがさらにヒップホップをカルチャーとして意識してやっていったんです」
03
RAPTOR
『RAPTOR』
RS Recordds(1994)
「タイのクリス・クロス。だけどポップ路線にラップが入ってきた頃の作品。TKOとほぼ同時期にリリースされていて、音は本格的なんですけどキッズ・ラップなので、いい意味でポップでキャッチーという感じです。ここ最近、タイはレトロブームで、90年代の音楽がオシャレな若者たちの間で流行っているんです。さらに「レトロナイト」といって、レトロしかかからないパーティとかも行われているんですよ。そういうパーティは年のいった人たちが青春ソングで盛り上がっていて、ゲイの人達も多いしすごく面白いです。俺たちもそういうパーティに遊びにいって、ローカルの人たちと仲良くなって音楽を教えてもらったりしています(笑)」
04
Angkanang Kunchai with Ubon-Pattana Band
「Isan Lam Plearn」
EM Records 
「アンカナーイ・クンチャイさんは、ウボンラチャタニーというイサーンの街出身で、ベスト・モーラム歌手の1人。映画『バンコクナイツ』に出演されて、曲が収録されたことをきっかけに、EM Recordsより再リリースされた1975年のアルバムなんですけど、モーラムとルークトゥンを初めて融合させた、タイ音楽史に残る名盤ですね。モーラムの魅力は、やっぱりボーカルです。モーラムは歌ではないという重要なキーワードがあって、語り芸なんですよ。実はライヴ等は即興なで、大まかな形が決まっている中で、その日のその場所に合わせて、フリースタイルで作っていくのがモーラム。節回しが一緒で、小節の抑揚のつけ方だとか。またサラワン型、プータイ型とかがあって、地域ごとにいろいろな型があるんですけど、本物のモーラム歌手は全部歌いこなせるんですよね」

05
ONUMA SINGSIRI
「サオ•イサーン・ローラック」

「7インチなんですけど、イサーン娘が愛を待つという内容の、モーラム&ルークトゥンが一緒になっているイサーン地方の有名な曲。↑のYouTube動画で紹介しているアルバムの1曲目にもなりますが、21:19秒から始まる「08 – แม่ค้าส้มตำ (Mae Kha Som Tam))」はタイファンク系コンピなどで紹介されている有名曲で、映画『バンコクナイツ』でも使われています。2017年にはアメリカのAction Bronsonもネタに使っていました。ちなみにこの7インチは、イサーンの潰れかけたレコード屋で見つけました。バンコクに住んでいたころ、イサーンへレコードを探して旅にでかけていたんですが、イサーンの街ではトゥクトゥクに乗ったときに、運転している人に『レコード屋知りませんか』ってひたすら聞きまくって、『とりあえずCD屋連れて行くよって』って連れていってもらった店にあったんですけど、ゴミみたいになっていたレコードをゴソゴソ持ってきて、『お前、本当にこんなの欲しいの?』って(笑)。だけど、そのときにいい盤がたくさん出てきて。そのときの1枚ですね」

06
サックシー・シーアクソン
『プー・ヤイ・リー・サラワン』
「タイの美空ひばりみたいな人で、1950~1960年代に活躍をしたルークトゥン歌手です。『プー・ヤイ・リー・サラワン』という曲で、一番初めにイサーンで人気が出たルークトゥンのひとつバージョンです。タイは昔からリミックス文化があって曲が売れるとオケやボーカルが違うリミックスバージョンがよく作られていたんです。もともとイサーン地方は、戦争でラオスがタイになったことから、ラオス語とタイ語がミックスされた言語を話していた。だからバンコクへ行っても、イサーン語しか昔はわからなかった人が多くて。そんな中、ある村長の話になります。ようは田舎のイサーンから都会のバンコクに対する皮肉なんですよね。それがイサーンから火がついて、大ヒットしたらしいです。それとさっきのサラワンのネタが入った狂った1枚で、バンコクに住んでいたときに買ったレコードの中ではかなりレアな1枚ですね」

07
スラポン・ソムバッチャルーン
「とびきり美しい娘」
CROWN 1960年代

「1960年代の珍しい絵ジャケの7inch。ちなみにこの頃のレコードは日本プレスです。スラポン・ソムバッチャルーン(Suraphol Sombatcharoen)は、ルークトゥンの王様と言われていたけど、絶頂期に射殺されてしまいました。犯人は未だにわかっていないみたいですが、伝説のルークトゥン歌手。ついこの前も、60年代や70年代のモーラムや、ルークトゥンなどをモダンに進化させた、テープパブット・サティロード・チョムプーという伝説的なプロデューサーが亡くなったんですが、彼も最盛期のときに一万人くらいに膨れあがったモーラムの超巨大グループのボスになり、権力を持ちすぎて、政府と軍に目をつけられていたみたいです。
昔からイサーンには反逆の歴史があって、60年代に学園闘争があったときにバンコクで抑圧された人達が、イサーンの森に逃げ込み立てこもったり、さらにモーラムとそれに欠かせない楽器でもあるケーンという楽器がイサーン人の闘志を高めて暴動が起きるからと、禁止された時代もあったんです。だからモーラムはレベルミュージックでもあるんですよね。貧しいと言われても、我々にはこんな素晴らしい自然と、昔から続く伝統的な文化や暮らしがある、という誇りが音楽の中に閉じ込められていると思います。そんなことまで考えさせるルークトゥンの王様スラポンのルークトゥンクラシックです」

Text & Photo:Kana Yoshioka

 

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